イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 オーナーとよく似た大きな声で笑う二人は太陽とか向日葵とかが似合いそうな明るい人だ。北門は店の中にゆっくりと視線を巡らせて、カウンターの上で目を止めた。きっと俺と同じことを考えていそうだ。アンティークっぽいブロンズの枠の写真立ての中で、二人とよく似た白髪のおばあちゃんがみんなを見守るように微笑んでいる。
 そう、その人がこの家の元の主だ。

「まあ、あんたたちもカレー食べていきなさい」
「え、俺も?」
「大丈夫。お代はトーマにつけとくから」
「「え!」」

 二人同時に声を上げたら、オーナーががははって笑った。

「うそうそ。平日に来てるカフェのお客さんたちが今日のカレーやおにぎりの分までお代を置いて行ってくれるから、子どもや学生ボランティアの分ぐらいは出せるから。食べてきなさい。そのあとは宿題教えてあげたり、子どもたちとゲームで遊んであげたりして働いてもらうからね」
「もちろん。北門、ここ座ってて。ここのカレーめちゃくちゃ美味しいんだぞ」

 俺はカウンター席の重たい木の椅子を引き、戸惑い気味の北門を座らせる。そのまま奥のキッチンに入ると、そこで綾子さんがてんこ盛りによそったカレーとフルーツポンチを受け取って戻ってきた。

「食べよう」

 その間も俺の背中にはぺたぺたと子供たちがくっついてきてる。ホカホカの湯気が上がるカレーを見て、北門はしばし固まっている。

「給食みたいだね」
「給食嫌いなのか?」
「いや。好きだけど」
「ここのカレーは小学校の給食に近いかもな。中学まで給食あったからお前的にはついこないだかもしれないけど、俺は無性に給食のカレーが食べたくなる。ここのカレーも負けないぐらいに旨いよ。いただきます」
「いただきます」

 俺は熱いものでも結構ガツガツ行ってしまうタイプなので、皿はあっという間に空になっていく。見た目通りなのかそうじゃないのか分からないが、北門は熱いものは得意ではないみたいだ。えらくゆっくり冷ましている。
 一口めを食べた反応が見たくて、じいっと見つめていたら、照れた表情を見せたのがちょっとかわいいと思った。

「あんまりじっと見られると、食べにくい」
「そうか? ごめん。うちの母さんなんて感想言うまで、いっつもこんな感じでジーって見てくるぞ」
「……うち母さん、いないから」
「え……、あっ。ごめん」
「いえ」

 北門は慣れているのかそのままカレーを食べ進めているが、俺はいきなりデリケートなところをぶっさしてしまったと血の気が引いた。焦ってそのまま余計なことをどんどん口走る。

「じゃあ、飯いつもどうしてんの? 夕飯とか弁当とか」
「適当に……。惣菜かったり、外食したり。うちのマンション、祖父母の家が近くて、中学までは祖母が色々作り置きしてくれたり、食べに行ってたりしてたんですけど、今祖父が体調が悪くて入退院しててそっちが忙しいから……。負担掛けたくないんで、自分たちでどうにかしてます。でも父さんもあまり料理が作るのが得意じゃないから。大体買ったり外で食べたりかな。手作りっぽいこういうカレー食べるのは久しぶりです」
「……そうなんだ」

 ばかばか。俺のバカ。こういうところが本当にトンマなんだよ。

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