イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 頭では家庭によって色んな事情があるってわかってるのに、瞬時にパパっと機転が利かせられなかった
 一瞬の自分との勝負に負けて、こうして墓穴に墓穴を重ねて掘ってしまう。俺には出来のいい兄貴がいる。こんな時、兄貴だったらもっとずっとスマートに対応しただろうなって落ち込む。俺はなんというか、いつだってちょっと間が抜けてるんだ。
 無言でカレーを口に運び始めた俺に、カウンターの向こうから見ていたオーナーが助け舟を出してくれた。

「じゃあ、今度カレーの作り方教えてあげるから。あんたがお父さんに作れるようになってあげたらいいんじゃない」
「俺が?」

 意外な申し出に顔を上げた北門に、俺も同じようにぽかんとした顔でオーナーを見上げた。

「次回は豚汁の予定だから、月二回ここに味見しながら習いに来たら、一年経ったら24種類作れるようになるわよ。二年経ったら48種類。それだけつくれたらあんた、一か月の夕飯、大体違うもの食べられるわよ」

 ああ、こういうところが俺の第二の母ちゃんなんだ。俺が憧れた、さりげない優しさと暖かい人柄をオーナーは持っている。
 中学生の時、よくここを通りがかって看板は見ていたけど、民家っぽい見た目で入ることを躊躇してた俺に、声をかけてくれたのもオーナーだ。ちょっとお節介で、でも暖かい。
 こういう大人になりたい。当たらず触らずだってできるこの世の中で、俺も一歩踏み込む勇気が持てる大人になりたい。俺はぎゅっと拳をにぎると、勇気を出して北門に声をかけた。

「なあ。また俺とくればいいよ。月に二回ぐらい部活休んでもいいだろ」
「……あんたさっき部活は休むなって言ってたくせに」

 呆れた声じゃなく、からかうような調子で北門が返した。俺はスプーンを置いて、膝の上に置いた両手をぎゅっと握る。

「いいだろ。一緒に来よう」

 北門に向かって、一歩踏み込む。内心どきどきした。

(こんなのお節介だよな……)

 でも北門は退かなかった。

「うん」

 目元をしっかり細めて、嬉しそうにはにかんだ。

(ああ、いい顔だ)

 思いが伝わった。じーんってする。北門は俺の隣で素直にこくんと頷いてカレーの乗ったスプーンを口に運んだ。返事を貰い俺はほっとしてカレーを沢山すくったスプーンを口に運んでモリモリ食べた。
 おかわりまで食べ終わった後は俺たちはそれぞれ小学生に請われるまま、宿題を教えてたり、ゲーム機を借りて対戦してあげたりした。
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