イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

文字の大きさ
30 / 105
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

28

しおりを挟む
 帰宅してからも翌日も、北門のことが頭を離れなかった。
 北門が中学の頃の俺を知っていることは明らかだけど、でも俺にはあいつに覚えがない。あんなに目立つやつは、流石に学年違いでも目立つと思うんだけどなあ。 

「なあ、俺って中学んとき、何部だったと思う?」

 昼休み。兄貴が握ったでかでか梅干しおにぎりの最後の一口を飲み込んでから、隣の席のクラスメイトに尋ねてみる。

「何だ急に?」
「いいから答えろって」
「うーん」

 クラスメイトは勿体つけるみたいにたっぷり間を開けてにかっと笑った。

「陸上部かな? こないだダントツで早かったよな! 体育祭のリレー担当決定だろ」
「おお、そっか。そう思うか」

 この間体育の授業で測った短距離のタイム、高校生だし真面目に走らない奴もいるかもだけど、俺がクラスで1番速かった。 
 周りでゲームの話をしていた奴らもこっちの会話に気が付いて口々にサッカー部だの吹奏楽部だの色々言ってきたけど、正解は当たりそうで当たらない。

「こいつ、中学ん時、バスケ部だぞ」

 そしたら去年も同じクラスだった奴が通りすがりにバラして行った。

「あー。バラすなって」

「去年球技大会でうちのクラスが学年優勝できたの、こいつのお陰だし。動きみりゃあ絶対分かるよ。すげぇ上手いから。なんでバスケ部入んなかったんだかな」
『なんでバスケ部に入らなかったんですか?』

 あいつに言われたのと同じ台詞だ。びくっと身体が反応してしまう。

「え、バスケ部だったの?」 

 お互い座った状態ではあったけど、クラスメイトが俺の頭のてっぺんから足先まできょろっと視線を動かして感心するように「へー」って声を出し、目をまんまるにした。

「何その反応。バスケ部に見えねぇとか思ったんだろ。あんま背ぇ高くないし」
「ええ、でもトーマ、身長170はあるだろ? 俺なんてギリない、168!」
「まあそうなんだけどさ。兄貴も親父も180センチ余裕で越えてるから。兄貴とか188センチあるし」
「そうなんだ! でっかいなあ」

「そうそう。俺だけがちっさい。兄貴ぐらいあったらよかったんだけどな。それだとあちこち頭ぶつけないといけなくなるけど」

 自分で言ってちょっと卑屈に聞こえていたら嫌だなあと冗談を交えてみたが、周りはニコニコした顔のままでほっとした。
 うちは四人家族だ。高校教師でバスケ部の顧問をしている父と、看護師として多忙な母、それと四つ年上の兄だ。兄貴は名門バスケ部のある私学の高校に進学して、大学でもバスケ三昧、ずっと結果を残し続けてきた。常に主将でエース。将来は父親みたいな指導者になりたいらしく、教育学部に進学した。
しおりを挟む
感想 78

あなたにおすすめの小説

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた

翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」 そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。 チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~

水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。 アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。 氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。 「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」 辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。 これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!

本気になった幼なじみがメロすぎます!

文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。 俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。 いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。 「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」 その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。 「忘れないでよ、今日のこと」 「唯くんは俺の隣しかだめだから」 「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」 俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。 俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。 「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」 そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……! 【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)

イケメン大学生にナンパされているようですが、どうやらただのナンパ男ではないようです

市川
BL
会社帰り、突然声をかけてきたイケメン大学生。断ろうにもうまくいかず……

僕の恋人は、超イケメン!!

八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

処理中です...