イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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「ねえ、知り合いなの? 一年の北門くんだよね」
「美化委員会の、後輩」
「なにそれぇ。私も美化委員になればよかったあ」

 あまりにもストレートな感嘆の声に面食らう。北門、四月に入学したばかりなのに二年の女子にまで顔が浸透しているらしい。イケメンパワー、恐るべし。
 俺が北門がどうしてここまで来たのか図りかねて立ち止まっていたら、その女子にぐいっと引っかけるようにして腕を組まれた。
 その子は自分が魅力的ってことをよくわかっていて、馴れ馴れしい感じが逆に相手に喜んでもらえるって自信たっぷりな態度だ。
 確かにこの距離感を喜ぶ男子も多いかもだが、俺はこんな風に急に相手から距離を詰められるのはちょっと苦手だ。
 男兄弟で育ってきたから、今も内心は女子と一対一で話すのは腰が引ける、恥ずかしいけども。

「ほらあ、待たせちゃ駄目だよ」

 流石に女子の腕を強引に振り払うのはどうかと思って、されるがままでいたら、彼女は悪びれもせずに俺の腕を掴んで北門の元まで引っ張っていった。
 その後もちゃっかり俺の隣を陣取って、興味津々といった顔つきで俺たちを見上げてくる。
 北門はそんな俺と彼女を見比べてから、形のいい眉毛を分かりやすく顰めていた。そうだよな、引くよな。俺だって引いてる。

「燈真先輩、美化委員のことで、ちょっといいですか?」
「燈真先輩だって!」

 茶化すような声もちらほらと聞こえて、昨日から続いていた名前呼びは結構気恥ずかしい。

「あー、ええと?」

 何か話すことなんてあったかな? なんて思ったけど、こいつってこういう謎めいた行動をとるよなあ、ってお察しの俺。北門は何か言いたげな様子だ。俺は大きく頷いた。

「わかった。で、何?」

 わかっているんだか、わからないんだか、我ながらへんてこな返事なのに、胸を張って応える。
 北門は大きな目を見張ってちょっと笑う。明らかに俺をからかってる。

「先輩の事、ちょっと借ります」
「いいよ! 連れてっちゃって、北門君、また遊びに来てね」

 パッと女子が俺の腕を離すと同時に、今度は逆の腕を北門の大きな手にがっしり掴まれた。
 手首、というよりほとんど手を握られたに等しい感じ。こいつ相変わらず謎に距離感近い。でももう慣れた。
 賑やかな教室を後にして、そのまま北門は俺を廊下に連れ出した。すんっとした表情のくせして、すげぇ強引な奴め。
 昼休みを使って廊下で自撮りしている女子、以前のクラスメイトと廊下で喋っているやつ、教室に戻ってこようとしている奴、二年生の廊下は意外にごみごみしている。
 その間を長身で目立つ容姿の北門は迷いなく真っ直ぐ歩く。そんな北門に腕を引かれて、もっさりした髪を揺らして走る俺。そりゃもう。めっちゃみられてる。
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