イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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「別に、あの人たちがすごいだけで、俺は普通だし。受験目前になったらいくかもだけど、今のところは分からないところだけ兄貴に聞いたら困らないから」
「賢いですね」
「確かに、兄貴はスポーツ推薦も受けられたのに、外部受験で大学入ったからなあ。頭いいよ」
「先輩が、ですよ。分からない部分の要点だけ聞けば理解できるってすごいことでしょう?」
「……そんなことないよ。塾にほとんど通わなくても、頭の作りがそもそも違う兄貴はすんなりと大学に合格していた。そういう化け物が近くにいると、俺なんかって……」

 じっと見てくる視線に耐え兼ねて、俺は後ろを向いて金網をがしゃんって引っ張った。

「まあ、それはいいとして、今日バイト行くから、部活帰りによれば?」
「そしたら、先輩と一緒に帰れる時間がいいです。何時に終わりますか?」
「片付けが終わるのは9時ぐらいかな。8時閉店だけど閉店した後も常連さんが居残っててオーナーとおしゃべりしてるのを、俺も一緒になって喋っちゃったりしてるし……」
 先ほどとは打って変わって北門は俺の隣で柵にもたれて、機嫌よさげに微笑んでいる。あんまりにこにこしてるから、バカにでもしているのかと思って俺はむうっと口を尖らせた。
「おい、お前。俺の事、お喋りなんだなって思っただろ」
「え? 思ってませんけど」
「そうかあ? 男なのによく喋るって家族によく言われるけどなあ」
「別にいいじゃないですか。明るくて。……俺の家なんて父親との会話はほぼありませんよ」

 二人家族でそれは寂しいよなって思ったけど、なんて答えていいのか分からなかった。お喋りを自認してるのに、こんな時気の利いたことが言える大人になりたい。逆に気を遣わせたのか北門があのちょっと寂し気な微笑みを唇にだけ浮かべた。

「そんな顔しないでください。俺の傍では笑ってて、おしゃべりしてて、先輩らしくいてくれたらいいんです」

 北門は優しい目をして俺を見下ろしてくる。やっぱり前から俺の事を知っているような口ぶりだ。

「北門、お前さ」

 言いかけたら予鈴がなった。

「行かないとですね」

 そう言いながらも、北門は動かない。走って乱れた俺の前髪を、優しい手つきで後ろに撫ぜつけてくれる。
 先輩らしく、かあ。俺らしい、俺って一体どんな俺だろう。俺が一番、それを知りたい。
 俺は北門の言葉を反芻して、ぼんやりとされるがままになってしまった。
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