イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 休日、朝8時すぎ。美容院で働いてる元バイトの先輩から指定された駅に着くと、改札の向こうにすでに北門が待っていた。
 あいつはやっぱり外にいても目立つ。朝日の中で輝いてる感じ。こなれた感じで幅が広めの黒のオックスフォードパンツをはいて、白シャツに黒の上着。なんかお洒落なアクセサリーもしてる。スマホに視線を落としている姿勢でもなんか絵になるのが癪だ。
 片や俺はと言ったらオーバーサイズのTシャツにスリムパンツ、明るめのブルーのチェックシシャツ。これでも中学の時よりはお洒落に気を使ってるつもり。高校生の私服なんて普通はこんなもんだろ。
 今日はカットモデルのお手伝いってやつで、指定された時間は朝の8時半だ。
 昨日の夜、通話中に「土日は何してますか」って北門に聞かれた。土曜は朝から髪の毛切ってもらうって言ったら、北門が付いてくるって聞かなかったんだ。

「おはよ、早いな」
「……眠たい」

 北門はイケメンの癖に人目をはばからぬでかい欠伸をふわってする。歯並び綺麗だなって感心してたら、続けて長い指で目をこすこすしてた。昨日の夜に俺と結構遅くまで通話してたから無理もない。
 ちなみにあんまり見てる人がいない配信ライブを同時にみて、どっちの投稿が読まれるか、みたいなゲームを深夜テンションでやって、結局俺が負けた。そういうくっだらないノリで夜更かししたの久々で面白かった。だがタイミングが分かんなくって、ロック画の件はまだ聞けてない。
 キメキメの格好で現れた北門。よく見たら頭のてっぺんの髪の毛がすこしだけふわふわっと立ってて、こんなところがちょい抜けてて可愛いなって思う。
 俺が手を伸ばして髪を撫でつけようとしたら、北門が察してにこっとしながらしゃがむ。いや、届くから! そこまでチビじゃないから!

「大分眠そうだな。せっかく部活休みならまだ眠れるだろ。ついてこなくてもよかったじゃんか」
「嫌です。先輩が変身する瞬間を、俺が一番最初に見たいです」

 北門のこういうノリはどこにいてもいつでも変わってない。ぶれないな……。

「大体あの人先輩に馴れ馴れしく……、しすぎなんですよ」
「前も言っただろ、別にあの人誰に対してもああだってば」
「だからって……、先輩もあの人と喋る時すごく嬉しそうだし……」
「喋んの上手なんだよ、あの人。話題が豊富で……」
「ふーん。そっか……。先輩は物知りな人が好きなんだ……」

 北門は話しながらところどころで、でっかい欠伸が止まらないから、こっちも釣られてしまう。

「……欠伸うつった。お前何でこんなに眠そうなん? あの後すぐ寝なかったのか?」
「え? なんで? 先輩が寝落ちした後、通話切って寝ましたよ」
「……通話、6時間ってなってたぞ」
「ああ、あれ。先輩の寝息が可愛かったんで、聞いてた。ちょっとしたASMR」
「やめろって……、はずっ」

 しれっといわれた。なに、この付き合ってるみたいなムーブ。頭をかかえて項垂れた俺の手首をとって、スマホ画面をチラ見した後、北門が歩き出す。

「行きましょうか。店あっちです」

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