イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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「ちょっとあんたたち、大きな声出してどうしたの」

 物々しい様子にオーナーもこちら側に出てきて、腕を組み俺たちに説明を求めているような顔つきになった。

「北門……、あの子って……」

 言いかけてはっとした。思わず口に手をやる。

(北門、言っていた。二個上の先輩に、無理やりキスをされたことがあるって)

 今来た子は俺の一個年上、同中の先輩だ。背筋を冷たい雨の雫が伝う。すごくいやな予感がした。ゴロゴロと、遠くで春雷が鳴る。
 熱く蕩けた頭が、身体が、一気に冷えていく。

 俯いて雨に濡れる北門は、あの日の小さな北門と同じに見えた。額から雨が一筋、綺麗な鼻筋を伝って頬へ落ちていく。眉を寄せた北門は泣いてるみたいに見えた。

「北門、なあ……」

(こいつを今、繋ぎ留めないと、ちゃんと話をしないと……)

 北門が今すぐどこかに消えてしまいそうな気がして、俺は怖くなって腕を伸ばす。でもその指先を、身を引いた北門がすり抜けていく。

「燈真先輩。……俺、もうここには来れなさそうだ」

 くらっとして、俺は扉に背中をついた。どうして、え? 今なんていった?
 何だよ、その顔。儚いって感じ、寂しそうな笑顔だ。

「北門! 待て!」

 傘もささずに走って路地の向こうに消えていく北門の背中を、バイト中の俺はそのまま見送るしかなかった。

(何、勝手に決めて、勝手に諦めたような声出してんだよ。意味わかんねえよ)

 なんなんだ、なんなんだよ。神様。この人生のルート、必要ですか?
 たった数分で、色々と、衝撃がデカすぎる。
 
※※※
 
 あの日、バイトを終えた後もずっと、北門に連絡をとってみようとしたけど、既読になっても返信はなく。通話しようにも呼び出しに出ることはなかった。

 翌日からあいつが7組の教室に尋ねてくることはなくなった。
 土日が過ぎ、バイト先にも来ない。三日たってしびれを切らした俺は一年生の教室に行くことにした。

「で、なんでついてくんの?」
「え、何となく」

 俺の後ろに2年7組の面々。全員ではないけど結構な人数がついてきてる。みんな昼飯途中だったんじゃないかって感じなんだけど構わないらしい。なんか呑気な感じで社会科見学よりノリノリな感じ。

「あれだけ毎日来てたやつがこなくなると、なあ?」
「気になるっていうかさ」
 
 仲のいいツレ以外にも教室にいた女子が何人か『代表して』ついてきてた。
 階段を上り廊下を突き進む俺たちを、一年生がぎょっとした顔をしてから道を開けていく。
 
「あいつ確か……」
「1年3組ですよ、北門君は」

 クラス委員をしてる女子が俺の真後ろから教えてくれた。
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