イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 急に北門が立ち止まったから、まるで散歩中のワンコが抵抗するみたいな足止めを食らって、俺はなんとかこけずに踏みとどまる。
 北門は俺を真っすぐに見ない。
 いつだって真っ直ぐに俺の事を見ようとして来てくれたのに、今は長い睫毛が頬に影を落としている。
 少し自棄を起こしたような口調で、北門が地面に向かって吐き捨てた。

「……ああ、あそこにはもう行かないっていったでしょ?」
「北門、俺の目ぇみて、ちゃんと話せ」

 俺は北門の前に仁王立ちになった。北門は髪をかきあげ、ゆっくりと視線を上げる。何かを諦めたような傷ついた顔をして、ふっと冷たく笑う。

「もういいんです。今更自分のこと変えようとしたって、俺がしたことを知ってるやつなんて沢山いるし、そのせいであんたの大事な居場所がおかしくなるとか、そんなのダメだろ?」

(俺の、ためなのか)

 俺の『陽だまり』での居場所を守るため、北門は自分が身を引くって言っている。
 だが真意が分かったからといって、大人しくうんと頷けるはずがない。

「そんな……、そんなことないだろ。お前だった陽だまりが好きだっていってただろ。あそこで俺と一緒に新しい料理覚えたり、子ども食堂の手伝いしたり、裏庭に沢山球根植えて、来年どんなふうに咲くのか見てみたいとか。そんなん、色々やってみたいって言ってただろ」
「……」
「なあ……。俺とお前は学年が違う。部活も一緒じゃない。委員会なんて大した集まりがない。俺達には接点がない。お前が俺の元に通ってくれなかったら、会うことすらできなかった。だから、一緒にいられる居場所が何より大事で、それが陽だまりだって思ってた。俺だけじゃない。お前にとっても、あそこは大事な居場所だったはずだ。違うか?」

 北門はぐっと眉根を寄せる。俺の言葉が届いたからこそ、動揺したんだ。

「先輩なら、沢山いるだろ? オトモダチ。別に俺じゃなくたって……」
「……そんで、お前はまた女子に逃げんのかよ。お前の事好きって言ってくれる相手に、本気で向き合えもしないくせに」

 こんな言い方ったらない。これじゃまるで、俺が嫉妬してるみたいだ。

 「一人になるよりましだろ?」

 目を細めて、俺に苛立ちをぶつけてくる。だけど目の奥にあるのは、多分怒りじゃない。深い悲しみ、諦め。だって……。こいつがずっと求めていたのは……。

 「一人じゃないだろ? 俺がいるだろ」
「はっはは……」

 外では一層琥珀色に光る眼を見開く。そんな北門の乾いた笑いを俺は打ち消した。

「笑うなよ。真面目に話してんだよ」

 俺は飛びかかるように、北門の両腕を外側からぐっと掴んで揺さぶった。

「じゃあ、あんた。俺だけの先輩になってくれんの? 折角見つけた新しい居場所を捨てて、俺とだけ一緒にいてくれる?」
「えっ……」
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