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番外編
2 体育祭の後のこぼれ話-2(本編ネタバレあり)
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1の続きです。
「こいつ、生意気なんだよ」
「痛いよ、燈真」
「トーマ先輩、な!」
「ゴミ王子! ほら、ゴミだぞ」
バレー部のユニフォーム姿の連中が、唯の持つ45L袋に紙テープの塊をがさっと突っ込んでいった。
「おい! ゴミ王子はよくないぞ。せめて美化王子とか呼んでくれ!」
(まあ、唯が見た目、王子っぽいとこは認める。うん。体育祭あとと思えないこの爽やかな風貌、体格いいのにがっしりしすぎてない立ち姿、前髪も今日は上げてて整った目鼻立ちが余計にはっきりして見えてるし、光の下で俺の大好きな目の色が余計に明るく見えるのもイイ。見た目だけじゃなくて、言動もさ。さりげなく優しくて、甘い雰囲気が王子さまって感じがする。って……俺、彼氏好きすぎだろ)
まるで頭の中に花畑でもある感じってこういうことだな。自分で自分に突っ込みを入れつつ、俺が窘めたけど二年生たちはにやにや悪びれない。
(あー。こいつら、借り物競争で他の部の名物イケメン、ことごとく借りそこなったやつらだな)
サッカー部が大うけしたから、バレー部はサプライズに残してたダンスが俺たちのあの大騒ぎの後になって、思ったよりもウケなくって残念がってた。だから少し唯に対するやっかみが入っていると思う。というのは俺の欲目なのかな。
「ゴミならましです。クズより」
しらっと返した唯に、二年生たちも大うけしてる。
「ゴミもクズも変わんね~。何、面白いこと言ってんの?!」
こいつ何げにイイ性格してるなあって思ってたら、こっちみた唯はいつもより目尻を下げてる。
先輩にいじられて、悔しくて泣いてた唯はもういない。俺が護ってやらなくても、大丈夫。
(それはそれで、ちょっと寂しいかな)
「ご機嫌だな、唯」
俺の肩とくっつくぐらいの位置に半歩寄ってきた唯に、俺もちょっと寄り掛かる。
「俺の公開告白に、全校生徒の前で先輩が応えてくれて、俺の事、大好……」
「あああ、いいって、それ今言わなくていいから!」
「あとで二人っきりになったら、また言ってくださいね」
って最後に続けた言葉は内緒話として囁かれた。
「……調子に乗ってるな、お前。なんで急にそんな強気になったんだよ」
(もっと繊細で、俺に甘えてきてってメロいお前も好きだぞ、俺が世話をやきたいんだ)
愛想良くゴミ袋を広げてる横顔は、なんか一皮むけた感じに見えた。なんか勝手に成長していってる気がして、じいっとこっちを向かないかなって見てたら、視線に気が付いたのか唯がこっち見た。
「先輩が隣にいてくれるから、俺は無敵の気分です」
飾り気のない笑顔は多分俺にしか見せないようなあどけない顔だったから、俺はちょっとほっとした。
(俺が隣にいると、無敵か。そうだな。俺もそうかも)
やっぱ一緒がいいな。一人で立たないといけない大人になるまでは、お互い寄り添って大きくなろう。
体育祭後気怠い疲れも、風に吹かれてこいつと並んでたら悪くないな。
俺のところにはペットボトルがぽいぽい入れられていくけど、北門の前には主に女子の行列ができてた。
「ねー。あとで一緒に写真撮って欲しいんだけど」
一年の女子、緑ブロックの応援団子たちだから北門のクラスメイトではない。
この後ホームルームが終わったら解散で、例年だとスマホを手に校内そこら中で思い出作りの写真撮影をしまくる人だらけになる。
「写真は……」
唯が断る前に緑ブロックの女子が俺の方を振り返った。
「あっちのMVP先輩と一緒の写真が撮りたいんだけど」
「へ?」
変なあだ名つけられてるううううう! これ中学だったら半年ぐらいいわれる奴じゃん。
「先輩との写真?」
こっちを向いた唯がちょっとよさめの反応しそうだったから、俺は慌ててそれを止めた。
「この片づけ終わった後、待たせることになるから時間があったらな!」
「えー。絶対撮りたい~」
緑ブロックの女子達を笑顔で見送ったら、唯が俺の肩に顎をついて来た。
「今度こそロック画用のいい写真撮れたかもしれないのに。体育祭の写真、欲しかった」
「まあいいじゃんか」
(誰かのスマホに唯の写真が入ってるのはちょっと妬ける)
なんて本音は黙っておこう。
「頑張ってるねえ。こっち向いて! 父母の会新聞に入れる写真撮らせて!」
PTAの写真班の誰かのお母さんが俺たちを見てファインダーを向けてくれた。
「うわ、俺たち今、変な格好してるんだけどなあ」
なんていいつつね。唯と二人でゴミ袋持ったまま、全然格好よくないツーショットはネタ写真的にね。面白いから堂々とそれから長らく俺のロック画だったんだ。
終
「こいつ、生意気なんだよ」
「痛いよ、燈真」
「トーマ先輩、な!」
「ゴミ王子! ほら、ゴミだぞ」
バレー部のユニフォーム姿の連中が、唯の持つ45L袋に紙テープの塊をがさっと突っ込んでいった。
「おい! ゴミ王子はよくないぞ。せめて美化王子とか呼んでくれ!」
(まあ、唯が見た目、王子っぽいとこは認める。うん。体育祭あとと思えないこの爽やかな風貌、体格いいのにがっしりしすぎてない立ち姿、前髪も今日は上げてて整った目鼻立ちが余計にはっきりして見えてるし、光の下で俺の大好きな目の色が余計に明るく見えるのもイイ。見た目だけじゃなくて、言動もさ。さりげなく優しくて、甘い雰囲気が王子さまって感じがする。って……俺、彼氏好きすぎだろ)
まるで頭の中に花畑でもある感じってこういうことだな。自分で自分に突っ込みを入れつつ、俺が窘めたけど二年生たちはにやにや悪びれない。
(あー。こいつら、借り物競争で他の部の名物イケメン、ことごとく借りそこなったやつらだな)
サッカー部が大うけしたから、バレー部はサプライズに残してたダンスが俺たちのあの大騒ぎの後になって、思ったよりもウケなくって残念がってた。だから少し唯に対するやっかみが入っていると思う。というのは俺の欲目なのかな。
「ゴミならましです。クズより」
しらっと返した唯に、二年生たちも大うけしてる。
「ゴミもクズも変わんね~。何、面白いこと言ってんの?!」
こいつ何げにイイ性格してるなあって思ってたら、こっちみた唯はいつもより目尻を下げてる。
先輩にいじられて、悔しくて泣いてた唯はもういない。俺が護ってやらなくても、大丈夫。
(それはそれで、ちょっと寂しいかな)
「ご機嫌だな、唯」
俺の肩とくっつくぐらいの位置に半歩寄ってきた唯に、俺もちょっと寄り掛かる。
「俺の公開告白に、全校生徒の前で先輩が応えてくれて、俺の事、大好……」
「あああ、いいって、それ今言わなくていいから!」
「あとで二人っきりになったら、また言ってくださいね」
って最後に続けた言葉は内緒話として囁かれた。
「……調子に乗ってるな、お前。なんで急にそんな強気になったんだよ」
(もっと繊細で、俺に甘えてきてってメロいお前も好きだぞ、俺が世話をやきたいんだ)
愛想良くゴミ袋を広げてる横顔は、なんか一皮むけた感じに見えた。なんか勝手に成長していってる気がして、じいっとこっちを向かないかなって見てたら、視線に気が付いたのか唯がこっち見た。
「先輩が隣にいてくれるから、俺は無敵の気分です」
飾り気のない笑顔は多分俺にしか見せないようなあどけない顔だったから、俺はちょっとほっとした。
(俺が隣にいると、無敵か。そうだな。俺もそうかも)
やっぱ一緒がいいな。一人で立たないといけない大人になるまでは、お互い寄り添って大きくなろう。
体育祭後気怠い疲れも、風に吹かれてこいつと並んでたら悪くないな。
俺のところにはペットボトルがぽいぽい入れられていくけど、北門の前には主に女子の行列ができてた。
「ねー。あとで一緒に写真撮って欲しいんだけど」
一年の女子、緑ブロックの応援団子たちだから北門のクラスメイトではない。
この後ホームルームが終わったら解散で、例年だとスマホを手に校内そこら中で思い出作りの写真撮影をしまくる人だらけになる。
「写真は……」
唯が断る前に緑ブロックの女子が俺の方を振り返った。
「あっちのMVP先輩と一緒の写真が撮りたいんだけど」
「へ?」
変なあだ名つけられてるううううう! これ中学だったら半年ぐらいいわれる奴じゃん。
「先輩との写真?」
こっちを向いた唯がちょっとよさめの反応しそうだったから、俺は慌ててそれを止めた。
「この片づけ終わった後、待たせることになるから時間があったらな!」
「えー。絶対撮りたい~」
緑ブロックの女子達を笑顔で見送ったら、唯が俺の肩に顎をついて来た。
「今度こそロック画用のいい写真撮れたかもしれないのに。体育祭の写真、欲しかった」
「まあいいじゃんか」
(誰かのスマホに唯の写真が入ってるのはちょっと妬ける)
なんて本音は黙っておこう。
「頑張ってるねえ。こっち向いて! 父母の会新聞に入れる写真撮らせて!」
PTAの写真班の誰かのお母さんが俺たちを見てファインダーを向けてくれた。
「うわ、俺たち今、変な格好してるんだけどなあ」
なんていいつつね。唯と二人でゴミ袋持ったまま、全然格好よくないツーショットはネタ写真的にね。面白いから堂々とそれから長らく俺のロック画だったんだ。
終
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