イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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番外編

9 世界が君に気づいた日-5

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☆燈真視点です

 何度か口をくっつけては、物足りなくてまたくっつける。
 背中に回る手が躊躇いがちに俺の背をなぞる。
 それもなんか心地よいような、心臓がさらにはやるような気分を高めてく。

「唯……、好き」

 キスの合間に囁いたら、唯の舌先が俺の唇を湿らすように舐めてきた。愛おしさをそうして口移しで伝えてきているみたいな仕草だ。ただのキスより、なんかこう、ぞわぞわって肌が粟立つ。
 そしてちょっとくすぐったい。吐息を漏らしたら舌が唇を割ってこようとした。
 突然の大人のキスの予感に、心の準備が伴わない俺はただひたすらに焦った。

「んっー!!!」

 ばしっと唯の背中を叩く。バシバシバシバシ。やっと顔が離れる。

「おおい! お前熱出てるのに何してんだよおおお」
「あっ……」

 唯は置き上がって、真っ赤な顔をごしごしと片手ですって隠しながら俺から顔をそむけた。

「ごめん、まじで箍が外れるかと思った……」
「体調悪い癖に、お前、お前……」

 涙がちょっと滲んでしまったかも。騒ぐ俺に北門が片膝を立てた姿勢で俺にがばっと抱き着いて来た。

「あああ。心配して損した。お前すげぇ元気じゃん。帰ろう!」

 わざとそう言ったら唯が俺の手首を掴んで自分の頬に当てさせた。

「……先輩。俺、元気じゃない。元気じゃないよ」

 しおしおとした声を出すから、俺は伸し掛かってくる北門を力いっぱい腕でぎゅうってやった。

「なんだよ、どうしたの? やっぱなんかあったの?」

 こいつのこういうとこ、ほんともうどうにかなりそうになる。

(俺の事、揺さぶって、そんなに楽しい?)

 そう文句のひとつもいいたくなるぞ。

「……夢を見たんだ」
「夢?」
「……嫌な夢だった。昔から何度か見てる悪夢」
「どんな?」
「先輩が、俺の事忘れている夢だよ。沢山の人に囲まれてるのに、優しくしているのに。俺にだけは冷たい目を向けてきて、お前なんて知らないって顔をする」

(俺がこいつと会えないでいる間に見ていた悪夢ってことなのか)

 自分の存在がこれほど他人に影響を与えることがあるのかって、ちょっと緊張する。

「そんなの、ただの夢だろ」
「だけど、先輩は俺のなんだって実感したくて……」
「唯」
「だから、ごめんね。嫌いにならないで……」
「あーもう。嫌いになるわけないだろ」
 
(やっぱこいつ弱気になってるんだな。こんなでっかくても15歳。年上の俺がここは包容力あるとこ見せないと)

「俺、ちゃんとお前のこと覚えてただろ? そりゃ俺は友達も多い方だし、出来れば色んな人と交流できたらいいなってと思ってるけども。こんなふうに家まで押しかけちゃうぐらい好きなのは、その。お前だけだし」 
「先輩……」

 


 


 

 
 


 

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