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第一章 学園編
3話 守るべき弱者
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「緊急警報! 緊急警報! 学生は速やかに避難し、教師の指示に従って下さい! 繰り返します! 速やかに避難してください!」
それは夜の公園で乳力操作の自主練中のことだった。警報の音が学園都市中に鳴り響き、サイレンの光が慌ただしく夜を照らしていた。
「きゃーーー!!」
遠くから聞こえる女性の悲鳴。
爆乳の危機に、駆けつけない訳にはいかない。
「待ってて、爆乳ちゃん! 今助けに行くよ!」
伊月は悲鳴のした方向へ走り出した。
10分ほど走り、ショッピングモールの駐車場で20体を超えるパイリアンを見つけた。
「あれが原因か……!」
見ると女性が倒れていて、その女性を守るように戦っている人がいる。乳力で脚力を強化し、パイリアンを飛び越え、戦っている女性を襲おうとしているパイリアンを殴った。
「大丈夫ですか! ……って、サオリちゃん!?」
「ゴキブリ女!?」
「助けたタイミングでゴキブリ呼びはひどくない?」
「何しに来ましたの!? ここはあなたが来る場所じゃありませんわ! 帰りなさい!」
「助けに来たんだよ! 何があったか教えて!」
「あなたの助けなど、要りませんわ!」
会話を切り上げて、サオリはパイリアンの群れに突っ込んでいく。
倒れている女性に近寄って顔を確認すると、サオリといつも一緒にいるマユだった。
「マユちゃん! 大丈夫!?」
マユはボロボロだった。怪我をしているのに乳力で回復していないということは乳力が尽きているということだ。乳力が尽きるほど戦っていたということだ。
「マユちゃん、何があったの!?」
乳力で傷を癒しつつ、話しかける。
マユは目を開けて、絞り出すように声を出した。
「お前は……乙葉伊月……」
辺り見回し、状況を理解したマユは自らを治癒する伊月の腕を掴んだ。
「私のことはいい……サオリ様を助けてくれ……」
「大丈夫だよ、サオリちゃんは元気に戦ってるし、普通のパイリアンには負けないよ!」
「違う……違うんだ……」
「奴らの中に、耐性種がいる……!」
「耐性種!?」
耐性種。
乳力を持つものと戦い、乳力による攻撃を受けて尚生き延びたパイリアンは乳力への耐性を持つ存在に進化することがある。それが耐性種だ。耐性種は名前の通り乳力への耐性を持つため、大抵の攻撃は意味を為さない。倒すためには耐性を超えるほどの乳力を叩き込むか、強力な破壊力を持つ攻撃を与えなければならない。
伊月は周囲のパイリアンを観察する。
「見つけた、あいつか……!」
周囲のパイリアンに守られるようにして体をゆらゆらと動かしている灰色のパイリアンがいた。乳力への耐性を得たパイリアンはその体色を青から灰色へ変える。
伊月が立ち上がり、耐性種を倒そうと一歩を踏み出したところで耐性種の体の一部が泡立ちはじめた。泡立った部分から青い泥が滴るように発生し、細胞が分裂するように新たなパイリアンが生まれた。
「ほんとに増えるのか……!」
耐性種の特徴は主に2つ。乳力への耐性を持っていること、そして新たなパイリアンを生み出す繁殖能力だ。耐性種は1体で100体から200体のパイリアンを生み出すことが出来るとされている。授業で習っていることだが、耐性種は滅多にいない。知識こそ持ってはいたが、実際に耐性種から新たなパイリアンが生み出される瞬間を目撃し、驚きと不快感で伊月は思わず足を止めてしまった。
「乙葉伊月……たのむ……サオリ様を……」
治癒を途中で止めたため体の痛みに耐えながら懇願するマユ。そのマユの声を聞いて、伊月の心に火が灯る。
(そうだ! 気持ち悪がってる場合じゃない!)
「任せて! サオリちゃんは絶対助けるよ!」
伊月は全身に乳力を纏って走り出す。
狙いは耐性種だ。
やつがいる以上パイリアンは増え続ける。戦いを長引かせないためにも元を断つしかない。
立ち塞がるパイリアンを殴り、蹴り倒しながら耐性種に近付く。しかしパイリアンは耐性種を守るようにして伊月に攻撃を仕掛ける。
「危な!」
間一髪のところでパイリアンの攻撃を避ける。
パイリアンは泥のような溶けかけの体をしているが、その一撃は見た目以上に重い。その肉体を構成しているのは「液状筋肉」と呼ばれる筋肉だ。液体のように流動する筋肉は銃弾を通さないほどの密度を誇る。故に乳力という毒を流し込むことが唯一の対抗策とされている。
「くそ! 武器持ってくればよかった!」
学園では己の肉体のみで戦う模擬戦などを行うが、ニュータントは基本的に乳力を纏わせた武器を用いて戦う。伊月も武器を支給されているが、咄嗟に飛び出したため家に置いたままだ。
「サオリ様!」
マユが切羽詰まったような声でサオリの名を叫ぶ。見ると、サオリがパイリアンに袋叩きにされていた。反撃する間もなくパイリアンのしならせた腕に殴られ、全身を乳力で固めてひたすら攻撃を耐えていた。
「サオリちゃんに、何してんだ!!!」
飛び蹴りで一体の頭を吹き飛ばし、乳力と回転のエネルギーをたっぷり込めた裏拳でもう一体の頭を吹き飛ばした。
「よくもやってくれましたわね!!」
伊月が乱入した隙にサオリは乳力弾を放つ。乳力弾に当たったパイリアンは爆発し、地面に青い液体が飛び散った。
「ゴキブリ女! 帰りなさいと言ったでしょう!」
「2人を置いて帰れるわけないよ!どうして1人で戦おうとするの!」
近付いてくるパイリアンを倒しつつ、2人は会話を続ける。
「ノブレスオブリージュですわ」
「え?」
「高貴なる者には背負うべき責任がある、ということですわ」
「富を持つ家に生まれて、大きな胸と大きな力を持つ私には弱いものを守る責任があるのです」
「乙葉伊月、私はあなたが理解できませんわ」
「あなたはGカップでしたわね。その程度の乳力、私からしたら守るべき弱者ですわ。なのにあなたは強者たちの集まる学園で私たちと机を並べて学んでいる。だから不愉快なのですわ! あなたは一体何ですの!?」
パイリアンの頭を地面に叩きつけた後、伊月はゆっくり立ち上がった。
「私は私、乙葉伊月だよ」
「強い人が弱い人を守る、その考えを実践するのは立派だけど、弱い人のことを認めないのは良くないよ!」
「サオリちゃんに守られる人の中には、強くなろうと必死で努力してる人もいるかもしれない! そしていつか、サオリちゃんに守られていた人がサオリちゃんと肩を並べて戦う日が来るかもしれない! 弱いって決めつけて下に見るんじゃなくて、未来の可能性を守るために戦った方がいいよ!」
「わからない、わからないですわ! あなたは守られるべき弱者じゃありませんの!?」
「確かに乳力の総量は少ないかもしれない! でも、私は私のことを弱者だって思わない! 私は私の持つ可能性を信じてる!」
戦いの中で困惑の表情を浮かべるサオリ。
対照的に伊月は明るい表情を浮かべて口を開いた。
「そうだ、良いこと思いついた!」
「私が第一号になるよ。守られるべき人から、あなたと共に戦う人の第一号に」
「だから一緒に戦おう、サオリちゃん。2人であいつを倒そう!」
伊月の指差した先にはパイリアンを生み出す耐性種がいた。
「……」
サオリはまだ戸惑っていた。両親に弱い者を守れと教えられ、それを信じて今まで生きてきたからだ。守るべき弱いものと共に戦うなんて、考えたこともなかったし、あり得ないと思っていた。
下を向いているサオリの手を取り、伊月はがっしりと握った。
「下を向いてるなんて、サオリちゃんらしくないよ! いつもみたいにその立派な胸を張ってさ! ほら! 一緒に行こう!」
伊月は強引にサオリを引っ張って、耐性種に向かって走った。
繋いだ手のぬくもりに、サオリは不思議な胸の高まりを感じていた。
2人の反撃が始まる。
それは夜の公園で乳力操作の自主練中のことだった。警報の音が学園都市中に鳴り響き、サイレンの光が慌ただしく夜を照らしていた。
「きゃーーー!!」
遠くから聞こえる女性の悲鳴。
爆乳の危機に、駆けつけない訳にはいかない。
「待ってて、爆乳ちゃん! 今助けに行くよ!」
伊月は悲鳴のした方向へ走り出した。
10分ほど走り、ショッピングモールの駐車場で20体を超えるパイリアンを見つけた。
「あれが原因か……!」
見ると女性が倒れていて、その女性を守るように戦っている人がいる。乳力で脚力を強化し、パイリアンを飛び越え、戦っている女性を襲おうとしているパイリアンを殴った。
「大丈夫ですか! ……って、サオリちゃん!?」
「ゴキブリ女!?」
「助けたタイミングでゴキブリ呼びはひどくない?」
「何しに来ましたの!? ここはあなたが来る場所じゃありませんわ! 帰りなさい!」
「助けに来たんだよ! 何があったか教えて!」
「あなたの助けなど、要りませんわ!」
会話を切り上げて、サオリはパイリアンの群れに突っ込んでいく。
倒れている女性に近寄って顔を確認すると、サオリといつも一緒にいるマユだった。
「マユちゃん! 大丈夫!?」
マユはボロボロだった。怪我をしているのに乳力で回復していないということは乳力が尽きているということだ。乳力が尽きるほど戦っていたということだ。
「マユちゃん、何があったの!?」
乳力で傷を癒しつつ、話しかける。
マユは目を開けて、絞り出すように声を出した。
「お前は……乙葉伊月……」
辺り見回し、状況を理解したマユは自らを治癒する伊月の腕を掴んだ。
「私のことはいい……サオリ様を助けてくれ……」
「大丈夫だよ、サオリちゃんは元気に戦ってるし、普通のパイリアンには負けないよ!」
「違う……違うんだ……」
「奴らの中に、耐性種がいる……!」
「耐性種!?」
耐性種。
乳力を持つものと戦い、乳力による攻撃を受けて尚生き延びたパイリアンは乳力への耐性を持つ存在に進化することがある。それが耐性種だ。耐性種は名前の通り乳力への耐性を持つため、大抵の攻撃は意味を為さない。倒すためには耐性を超えるほどの乳力を叩き込むか、強力な破壊力を持つ攻撃を与えなければならない。
伊月は周囲のパイリアンを観察する。
「見つけた、あいつか……!」
周囲のパイリアンに守られるようにして体をゆらゆらと動かしている灰色のパイリアンがいた。乳力への耐性を得たパイリアンはその体色を青から灰色へ変える。
伊月が立ち上がり、耐性種を倒そうと一歩を踏み出したところで耐性種の体の一部が泡立ちはじめた。泡立った部分から青い泥が滴るように発生し、細胞が分裂するように新たなパイリアンが生まれた。
「ほんとに増えるのか……!」
耐性種の特徴は主に2つ。乳力への耐性を持っていること、そして新たなパイリアンを生み出す繁殖能力だ。耐性種は1体で100体から200体のパイリアンを生み出すことが出来るとされている。授業で習っていることだが、耐性種は滅多にいない。知識こそ持ってはいたが、実際に耐性種から新たなパイリアンが生み出される瞬間を目撃し、驚きと不快感で伊月は思わず足を止めてしまった。
「乙葉伊月……たのむ……サオリ様を……」
治癒を途中で止めたため体の痛みに耐えながら懇願するマユ。そのマユの声を聞いて、伊月の心に火が灯る。
(そうだ! 気持ち悪がってる場合じゃない!)
「任せて! サオリちゃんは絶対助けるよ!」
伊月は全身に乳力を纏って走り出す。
狙いは耐性種だ。
やつがいる以上パイリアンは増え続ける。戦いを長引かせないためにも元を断つしかない。
立ち塞がるパイリアンを殴り、蹴り倒しながら耐性種に近付く。しかしパイリアンは耐性種を守るようにして伊月に攻撃を仕掛ける。
「危な!」
間一髪のところでパイリアンの攻撃を避ける。
パイリアンは泥のような溶けかけの体をしているが、その一撃は見た目以上に重い。その肉体を構成しているのは「液状筋肉」と呼ばれる筋肉だ。液体のように流動する筋肉は銃弾を通さないほどの密度を誇る。故に乳力という毒を流し込むことが唯一の対抗策とされている。
「くそ! 武器持ってくればよかった!」
学園では己の肉体のみで戦う模擬戦などを行うが、ニュータントは基本的に乳力を纏わせた武器を用いて戦う。伊月も武器を支給されているが、咄嗟に飛び出したため家に置いたままだ。
「サオリ様!」
マユが切羽詰まったような声でサオリの名を叫ぶ。見ると、サオリがパイリアンに袋叩きにされていた。反撃する間もなくパイリアンのしならせた腕に殴られ、全身を乳力で固めてひたすら攻撃を耐えていた。
「サオリちゃんに、何してんだ!!!」
飛び蹴りで一体の頭を吹き飛ばし、乳力と回転のエネルギーをたっぷり込めた裏拳でもう一体の頭を吹き飛ばした。
「よくもやってくれましたわね!!」
伊月が乱入した隙にサオリは乳力弾を放つ。乳力弾に当たったパイリアンは爆発し、地面に青い液体が飛び散った。
「ゴキブリ女! 帰りなさいと言ったでしょう!」
「2人を置いて帰れるわけないよ!どうして1人で戦おうとするの!」
近付いてくるパイリアンを倒しつつ、2人は会話を続ける。
「ノブレスオブリージュですわ」
「え?」
「高貴なる者には背負うべき責任がある、ということですわ」
「富を持つ家に生まれて、大きな胸と大きな力を持つ私には弱いものを守る責任があるのです」
「乙葉伊月、私はあなたが理解できませんわ」
「あなたはGカップでしたわね。その程度の乳力、私からしたら守るべき弱者ですわ。なのにあなたは強者たちの集まる学園で私たちと机を並べて学んでいる。だから不愉快なのですわ! あなたは一体何ですの!?」
パイリアンの頭を地面に叩きつけた後、伊月はゆっくり立ち上がった。
「私は私、乙葉伊月だよ」
「強い人が弱い人を守る、その考えを実践するのは立派だけど、弱い人のことを認めないのは良くないよ!」
「サオリちゃんに守られる人の中には、強くなろうと必死で努力してる人もいるかもしれない! そしていつか、サオリちゃんに守られていた人がサオリちゃんと肩を並べて戦う日が来るかもしれない! 弱いって決めつけて下に見るんじゃなくて、未来の可能性を守るために戦った方がいいよ!」
「わからない、わからないですわ! あなたは守られるべき弱者じゃありませんの!?」
「確かに乳力の総量は少ないかもしれない! でも、私は私のことを弱者だって思わない! 私は私の持つ可能性を信じてる!」
戦いの中で困惑の表情を浮かべるサオリ。
対照的に伊月は明るい表情を浮かべて口を開いた。
「そうだ、良いこと思いついた!」
「私が第一号になるよ。守られるべき人から、あなたと共に戦う人の第一号に」
「だから一緒に戦おう、サオリちゃん。2人であいつを倒そう!」
伊月の指差した先にはパイリアンを生み出す耐性種がいた。
「……」
サオリはまだ戸惑っていた。両親に弱い者を守れと教えられ、それを信じて今まで生きてきたからだ。守るべき弱いものと共に戦うなんて、考えたこともなかったし、あり得ないと思っていた。
下を向いているサオリの手を取り、伊月はがっしりと握った。
「下を向いてるなんて、サオリちゃんらしくないよ! いつもみたいにその立派な胸を張ってさ! ほら! 一緒に行こう!」
伊月は強引にサオリを引っ張って、耐性種に向かって走った。
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2人の反撃が始まる。
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