何が何でも爆乳ハーレムを作りたい!

山溶水

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第一章 学園編

11話 繋いだ手

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「弱いなぁ~~!!」
「弱いなぁ~~~~???」

 薙刀を地面に叩きつける栗田。
 言われるがままのサオリは傷だらけで地面に膝をついていた。

「口だけにも程があるぞ!  えぇ!?  お嬢様!?」

「話し方が下品になっていますわよ……」

 サオリは立ち上がり、両手に乳力弾を発生させて栗田に突撃する。

「これだけやって……」

「まだ無駄だということがわからないのか!?」

 栗田の顔面を狙った右の乳力弾は薙刀によって切り裂かれ、左の乳力弾は石突に止められる。

 (今ですわ!)

 止められた乳力弾に更に乳力を込めるサオリ。乳力弾は大きく膨らんだが、炸裂する前に栗田によって地面に叩き落とされた。栗田は再び距離を取ろうとするサオリの髪毛を掴み、強引に引き寄せる。

「乳力があれば何でも出来ると思ったか? 非乳人なんて相手にすらならないって思ってたんだろ?」

「傲慢なんだよ! お前らは! 乳がデカいだけで自分は強くて特別だと勘違いしてる! そんな奴を見るとな! 虫酸が走るんだよ! イライラしてイライラしてイライラしてイライラしてしょうがないだよ!! あああああ!!! あああああああああ~~~~~!!!!!!」

 限界まで開いた栗田の血走った瞳には狂気が宿っていた。

 (コツは掴みました。後はいかにあの体勢で守らせるかですわね……!)

 左腕を掴んだ右腕の上に胸を乗せ、5つの乳力弾を周囲に発生させる。

「行きますわよ!」

「何度やっても同じだ!」

 初弾、次弾ともに薙刀に切り裂かれる。背後から狙った3発目はジャンプして躱され、地面に衝突。宙にいる栗田を乳力弾で挟み撃ちにする形で狙うが、栗田は薙刀を地面に突き刺し、柄を蹴って再び跳躍して躱した。

 (今ですわ!)

 サオリは小さな乳力弾を手のひらの上に発生させて走り出す。
 栗田が着地する瞬間を狙い、サオリは乳力弾を直接押し付ける。
 しかし、乳力弾が栗田の鼻先に触れる寸前で、薙刀の刃に阻まれる。

「効かないんだよ! 撫子会の技術の前にはなぁ~~!!」

 刃の側面と乳力弾がぶつかり、つばぜり合いのように押し合う。

「どうしたどうしたぁ! さっきまでと比べて随分弾が小さいじゃねぇか! 乳力切れかぁ!?」

「いいえ、その逆ですわ……!」

「乳力が少ないから小さいのではなく、大量の乳力を圧縮してるんですのよ……!」

 圧縮された乳力は大きな破壊をもたらすことをサオリは知っていた。
 学園へのパイリアン襲撃以降、サオリは乳力操作の精度を高めるべく、日夜努力を続けていた。
 その中で身に付けた技術が乳力の圧縮だった。

「圧縮、だと……?」

「ええ、圧縮です。現在進行形で乳力を注ぎ、同時に圧縮を行っていますわ」

 その言葉通り、サオリの圧縮は続いている。
 乳力弾の側面を乳力を弾く性質を持つ薙刀の刃に押し付けることで、サオリは自らが制御できる限界を超えた乳力弾を生成していた。

 (これは……まずい!)

「さぁ、時間ですわ。私の圧縮と撫子会の技術、どちらが上なのか白黒つけましょう」

 栗田が距離を取ろうと薙刀が乳力弾から離れた瞬間、閃光が走り、爆発が起こった。
 その爆発の威力は凄まじかった。
 栗田は薙刀の刃で身を守ろうとしたが、刃と柄を繋ぐ部分が折れ、爆風に身を晒すことになった。

 サオリは爆発の瞬間に残りの乳力で全身を固めたが、爆発の破壊力はそれ以上だった。
 両者共に爆風に吹き飛ばされ、全身を壁に強打する。
 倒れた栗田の近くの床には亀裂の入った薙刀の刃が突き刺さった。

 2人は倒れたまま動かず、ショッピングモール内には一時の静寂が訪れる。

 ぴく、っと栗田の指先が動いた。
 血だらけの体を引きずりながら、壁にもたれかかりつつ栗田はゆっくりと立ち上がった。
 血で赤く歪む視界の先には倒れたままのサオリが見えた。

「バカが……自滅しやがって……」

 栗田はゾンビのような足取りでゆっくり歩き出す。

「私の……勝ちだ……!」

 のろのろとした動作で床に刺さった刃を引き抜き、サオリにトドメを刺そうと歩き出す。
 サオリは依然、倒れたまま動かない。

「ふざけ……やがって……」

「なにが……乳力だ……なにが……乳人だ……」

 足を引きずり、血を滴らせながらサオリに近づく栗田。
 怨念のような憎悪の感情が栗田のボロボロの体を突き動かしていた。

「がっ、はっ!」

 吐血する栗田。
 しかし歩みは止めない。

「乳だけのバカどもは……」

 刃を持った手を大きく振り上げる栗田。

「私が、駆除する!」

 栗田はサオリの頭目掛けて刃を振り下ろした瞬間だった。


 ガキィン!


 振り下ろされた刃はあらゆる攻撃を反射する能力を持った腕に遮られ、粉々に砕け散る。
 ──そう、サオリの窮地に現れたのは「乙葉伊月」だった。

「サオリちゃんに……」

 拳に乳力を込める。


 「触るな!!!」


 伊月の怒りの拳に殴られ、栗田は再び壁に衝突する。完全なるノックアウトだ。

「サオリちゃん!」

 伊月は倒れたままのサオリに癒乳を施す。
 必死に乳力を注ぐ伊月の手に、もう一つの手が重なる。

「私も協力します」

「琴音ちゃん!」

 2人の癒乳を受けて、サオリは目を覚ました。
 爆風で壁にぶつかった際に頭をぶつけて意識を失ったが、大きな怪我は負っていなかったのだ。

「その様子ですと……ちゃんと仲直り出来たみたいですわね……」

「うん! バッチリだよ! サオリちゃんありがとう!」

 伊月の満面の笑みと、少し照れ臭そうに笑う琴音を見てサオリは安心した。

 (お礼を言うのは、私の方ですわ……)
 (あなたが、あの時、耐性種から私を守ってくれたおかげで私は今も生きていられるのですもの……)

 サオリの乳力圧縮技術、それは伊月を意識したものだった。
 そんな心の内を伊月に見透かされないように、サオリは言った。 

「さて、帰りましょうか」
 
「うん! 帰ろう! みんなで!!」

 伊月は2人に手を差し出す。
 恥ずかしさはあったが、サオリと琴音は差し出された伊月の手を握った。


 『この温もりがあれば、私は絶対に負けない』


 3人で手を繋いで歩いた帰り道、伊月は心の底からそう思った。
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