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サーシャ
しおりを挟む気になったら言ってみれば良いか。
今日は葛飾ダンジョンの5階層から下に行き6階層なら探索だ。マップを見ながらその付近を探索するとやはり呻き声が聞こえる。
罠探知で探してみるとスイッチを見つけてそれを解除すると扉が現れた。
ミスティの時の扉にそっくりだな。
開けるとそこには鎖で繋がれ杭で打たれた女の人がいた。グラマラスな人だとおもうけど、なんでこんなことに?
「誰だ!勇者か?」
「俺は忠野健人だ。勇者ではない」
「なぜこんなことに?」
ミスティが聞くと、魔王と名乗る女の人は魔法界と言うところで王をやっていたが、いきなり人間が押し寄せてきて自分をこの牢に閉じ込め封印したらしい。
「えー。なんだそれ?杭は抜いてもいいか?」
「あぁ、抜けるものなら抜いてくれ」
俺は杭に力を入れて抜くのと同時に回復魔法をかける。
杭が抜けると苦しんでいたのがようやく普通に喋れるようになった。
「ここはどこじゃ?」
「ここは日本という島国だ」
「聞いたことがないな、ルバリオル大陸じゃないのか?」
「え!じゃあ、魔王というのは?」
「アァ。そこの王をしておった」
「鎖も解くね」
鎖を解いた後、目が石化していたのでショップで石化解除ポーションを買って治してあげる。
「これで見えるようになると思うよ」
「すまないな。見える、あ、見えるぞ」
「あぁ、改めて忠野健人だ。ケントでいい」
「私も、ルバリオル大陸からきたミスティです」
「我は魔法国家ディバインの…元じゃな、今は普通のサーシャじゃ」
「サーシャはヒューマンに侵略されたのか。それでこんな仕打ちを?」
「勇者というのがおってな、それが我を殺そうとしたが抵抗した。それで殺せないから我を封印したのじゃ」
「ダンジョン変動で流されてきた」
「なに?ダンジョン変動?」
「そう。私も流されてきた一人」
「そうかお主もか」
「それで助けてもらったのがケント」
「我も助けてくれてありがとう」
「いや良いよ、それより魔王はヒューマンじゃないの?」
「ヒューマンより高位の存在ハイヒューマンじゃ」
「ハイヒューマンか、じゃあヒューマンと変わりはないんだね?」
「それは見た目のことか?それは変わらぬ」
「それはよかった。ここはヒューマンしかいない世界だからね」
「なぬ。ヒューマンしかおらぬのか?」
「私はエルフ。隠れてケントに助けてもらってる」
「お主らエルフも難儀よのぉ。しかしこれからどうしたものか」
「はぁ。んじゃとりあえずうち来るか?」
「良いのか?」
「1人も2人も変わらないからな」
「変わる!」
「同郷だろ?助けてやらなくていいのか?」
「む。それは」
「んじゃとりあえずはその服をどうにかしないとな」
「私の服を貸す」
「あぁ。そうしてくれ」
とドアの外に出る。
「こ。これは入らぬぞ、、きつい」
「おい、サイズが合ってないんじゃないか?」
「おっぱいお化け!」
「なっ!なんて無礼な!」
「ケント安いのでブカブカな服を買って」
「俺が??まぁいいけどさ」
と大きめの服を買って渡す。
さて。また大変になるな。
「これでギリギリだった。外套を一つ買って!」
「…はいよ」
「もう見て良いか?」
「いいぞ」
「うお。それはサイズが合ってないんじゃ」
「これが一番大きなやつでしょ?」
「そうだが」
「ならしょうがない」
まぁ、外套でなんとか隠すしかないか。
「それじゃ行くぞ」
「どこにじゃ?」
「とりあえず服買いにいかないとな」
「そう、おっぱいお化け」
「おっぱいお化け!それをやめるんじゃ!」
あーー俺は聞いていないからな。
俺たちは普通にギルドを通過してまたミスティの時に来た場所にやってきた。
「えーと、また彼女に」
「はい!また二、三着ですね?」
「はい。よろしくお願いします」
また試着室から出てこないところを見るとまたかな?
ボーっとしているとミスティに呼ばれて会計をする。
そしてまた下着売り場に行って今度も同じように頼むと喜んでいた。
まぁ、ミスティのこともあるだろうしな。
会計を済ませると今度はギルドだ。
ミスティに幻術で免許を作ってもらい冒険者登録をしてもらう。あまり目立たないようにとは言っておいたが、あの人は綺麗でグラマーだから目立つだろうけどな。
「できたのじゃ」
「それはよかった。それがあれば普通に暮らしていけるからな」
「ま、待ってくれ。私は何もわからぬ故にもう少し一緒にいてもらえぬか?」
目をうるうるさせて言われたら助けたのは俺だし、しょうがないか。
「じゃあ車に乗ってくれ」
「浮気者」
「あ?手も出してないのにか?」
「フンっ!」
「それじゃあ行こうか」
「分かったのじゃ」
車に乗るとミスティと同じようなことを言っている。とりあえずはスマホな。
スマホを与えてそこから知識を学ぶと良い。
スマホも無事買えると、
「こ、これは凄いのぉ!これがこうなって」
と独り言が多いな。
まぁしょうがないから今日はうちに泊めるしかないか。
やはりシャワーやらテレビを使ったことはないらしくミスティが教えていた。
「ここは天国か?こんな綺麗なところは王宮にはなかったぞ?少し小さいがな、またそこが良いな」
というわけで今日は弁当で済ますと、これは美味いと大絶賛だった。
寝るのはミスティとベッドに寝てもらい、朝起こされる。
「ケント、朝」
「お、おう」
「サーシャは?」
「まだ寝てる」
「しょうがないか、疲れたんだろ。寝かせといてやれ」
「むー。しょうがない」
そこは分かってくれたんだな。
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