2 / 170
鑑定
しおりを挟む帰りはスーパーに寄ってビールと弁当を買ってトボトボと自転車を押しながらアパートに帰る。
「はぁ、明日から仕事探しをしないといけないな」
一応当てはある、似たような仕事だ。
日雇い労働者は似たような仕事が多いからな。
「それじゃあスキルでも使ってみるか」
弁当箱からクズ魔石を取り出してスキルを念じると『ガチャ』の本体が出て来た。
真っ白な筐体の中にいろんな色のカプセルが入っている。
とりあえずクズ魔石を横の投入口に入れると1/10とでたので10個で一回らしい。
しょうがないからクズ魔石を全部入れるとガチャが回せるようだ。
『ガチャガチャ』
出て来たのは金色のカプセル。
「おぉ!いいのが出たんじゃないか?」
開けると鞘に入った剣が目の前に出て来た。
「は?!」
カプセルは知らない間に消えてしまって残ったのは剣だった。
どうする?とりあえずこの剣を登録しないと銃刀法所持違反で捕まってしまうからギルドに明日行くか。
明日からまた仕事ってのも馬鹿らしいから、とりあえずギルドに行って剣の登録をしようかな。
次の日はジャケットにジーンズとブーツ。
剣はシーツに包んで自転車でギルドに向かう。
ギルドに到着し、中に入ると役所のような雰囲気で登録受付と書いてある場所に向かう。
「す、すいません、剣の登録をしたいんですが?」
「はい、では冒険者証と登録したい剣をここに置いてください」
「はい!」
俺は冒険者証とシーツから出した剣をカウンターに出す。
「保護バッグはないんですか?」
保護バッグ?そんなの持ってないよ!
「すいません、貰い物なのですぐに持って来た方がいいと思いまして」
「では、あちらの売店で保護バッグを買って来てください」
「あ、はい」
売店に行き、剣にあった保護バッグをお願いすると9千円もした。
はぁ、しょうがないから買うけどさ。
稼がないとな。
また受付に行き登録してもらう。
「では今から使いますか?」
「はい!」
「バッグが邪魔な時はあちらのロッカーをお使いください」
「分かりました」
ふぅ、しょうがないから今日は頑張って魔石を取るか!
ロッカーにバッグを入れて鍵を閉める。
一応リュックは持って来ているので魔石を入れるのは問題ないな!
改札のような場所に冒険者証を読み込ませて、中に入ると扉があり中に入る。
中は洞窟でいつもみているので変わり映えしないが防具がないのでちょっと怖いな。
「グギャ」
「おわ!よ、よし!」
いきなりゴブリンとエンカウントしてしまったが、こっちは剣を持ってるからな!
剣を抜くのに戸惑ったがなんとか抜けて、ゴブリンに斬りかかる。
“ズパァン”
「おわっ!き、切れ味がいいな!」
一撃でゴブリンは魔石に変わる。
「よ、よし、この調子で行こう!」
1階層を歩いてゴブリンやスライムを倒して魔石を集める。
やはり剣の切れ味がいいので防具なしでもなんとか倒せるな!
少し強くなった気がして俺は少し奥に進んでしまったようだ。
「結構深く来たな?…っ!?」
すぐに岩陰に隠れたが、剣を持ったゴブリン、ゴブリンソードマンがいた。
そーっと後退りするが、気付かれたようで追いかけてくる。
「うぉぉぉ!!」
「グギャアアァァァ」
逃げたが袋小路に入ってしまい後がなくなった。
「く、くそ!や、やるなら来い!」
「グギャ!グギャァァ!!」
上段からの振り下ろしだったので剣で受ける。
“ガキンッ”
「へ?」
「グギャ?」
ゴブリンの剣は折れてしまった。
「へ、へへ」
「グギャ…」
「オラァ!」
剣を上段から振り下ろしゴブリンを倒す。
なんとかなったので気が抜けて腰を下ろす。
「ハァァァ…こ、怖かった」
とりあえず今で100個だからそろそろ帰るか。
なんとかダンジョンを出て改札を抜ける。
ロッカーからバッグをとって剣を入れると、と自転車に跨って、スーパーに寄ってから家に帰る。
「はぁ、今日はなんか疲れたな」
リュックを下ろして冷蔵庫からビールを出す。
「クハッ!この一杯がたまらんな!」
今日も弁当を食べながらテレビをつけてビールを飲む。
別に見たい番組はないが、ついてると落ち着くのでつけている。
「はぁ、よし!ガチャやろう!」
『ガチャ』と念じると本体が出て来たのでとりあえず一個づつ入れて行く。
10個入れてからもう一個入るかな?と入れてみると入ったのでリュックの中身を入れていく。
100個全部入ったので見てみると表面に11連ガチャと書いてある。
「へぇ、ソシャゲみたいだな」
『ガチャガチャ』
と回すと“ポンポン”と出てくるカプセル。
白が3個、赤が2個、青が2個、紫が1個に銀が1個、金が2個だった。
へぇ、いろんな色があるんだなぁ。
「金が一番いいやつかな?」
とりあえず白から開けてみる。
・錆びたナイフ
・フライパン
・バット
「お、おぉう、武器になるのか?」
とりあえず横に避けとく。
赤のカプセルを開ける。
・弓
・木の盾
「おおぅ、さっきよりは良くなったな」
青のカプセルは、
・鉄の胸当て
・鉄の肩当て
「やった!防具だね」
これは当たりだろ!
紫のカプセルを開ける。
・銀のバングル
なんの腕輪だ?でもカッコいいな。
次、銀のカプセルは、
・錠剤
「やばい薬じゃないだろうな?」
ラスト金のカプセルを開ける。
・スキルボール
・肩掛けバッグ
「ウオッ!スキルボールだ!」
俺はスキルボールを手に取ると胸に当てる。
「『鑑定』!?」
どこの企業も欲しがる『鑑定』じゃないか!
今まで出たのを鑑定する。
・錆びたナイフ
・テフロン加工のフライパン
・木のバット
・木の短弓
・木の盾
・鋼鉄の胸当て
・鋼鉄の肩当て
・力の腕輪
・素早さの錠剤
・マジックバッグ(大)
「す、すげぇ!紫のカプセルから上は当たりだな!いや鋼鉄の胸当ても当たりだけど!マジックバッグ!?」
マジックバッグなんて当たりも当たり!大当たりじゃないか!
剣も鑑定してみると、
・ミスリルソード
これも売れば高いやつやん!!
350
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる