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トレイン
しおりを挟む次の日もとりあえずギルドに来ている。
一応錬金術のスキルを確認したら、
・錬金術…鉄や鉛、銅などの卑金属から金や銀などの貴金属を製造する秘術や、不老長寿の薬や万能薬を作ろうとする術。
と載っていた。
→があったので見てみると、
・低級ポーション…薬草+聖水
・中級ポーション…上薬草+聖水
・解毒薬…毒草+聖水
・石化解除薬…岩きのこ+聖水
・インゴット…金属。
と5種類のレシピが載っていたので作ろうと思う。
ダンジョンの中に入って行く。
鑑定で探すとなんと薬草はそこら辺にあるので探さなくても取れるな!
上薬草は見つからなかったので、途中で出てくるゴブリンどもからクズ魔石を、あとは摘んだ薬草をマジックバッグに入れる。
ある程度取ったので家に帰ることにする。
途中で一応、精製水を買って来たがミネラルウォーターも買って来た。
アパートの一室でミネラルウォーターに手をかざして念じると少し光った?
鑑定すると聖水になっていたのでこれでポーションが作れるな!!
白カプセルから出た土鍋にミネラルウォーターと薬草を入れて蓋を閉じて念じる。
「ポーションになれぇー!ポーションになれぇー!」
すると光ったので開けてみると3本のポーションになっていた!
「えっ!瓶はどこからでたんだ?」
まぁいいかと低級ポーション作りをして行く。
全部で20本のポーションになった。
「よし!これを売って魔石を買おう!」
魔石は一個一万円で取引されてるので買うこともできるだろ?
後はインゴットだが、白カプセルから出て来た要らない金属バットやフライパンなどをインゴットにする。
どうせなら金にならないかと思ったら金になった?
「お、おい、これどうすんだよ!こんなんじゃ売れないだろ!」
…とりあえず目の前の土鍋、ポーション、インゴットを置いてビールを開ける。
「おいおい、どーすんだよ?こんな金のインゴットいくらで売れるんだ?」
スマホで検索すると1gで14159円。
このインゴットは10kg…売れるわけないよな。
はぁ、まぁ、仕方ないけどマジックバッグの中に入れておくか。
ポーションは売れるよな!
これもネットで調べると、ポーションの価格は一本10万円!よし!少しずつ売ればバレないだろ!
次の日も一応ギルドに行き、昨日見つけたと言って5本のポーションを売りに出す。
「は、はい!それでは鑑定士を呼びますのでちょっとまっててください!」
受付してる子もビックリだったようだな。
「失礼します。鑑定士の佐々木です」
「ども、」
「見事なポーションですね!本当に売りに?」
「はい!」
「ありがとうございます!」
「では鑑定書代を引いて47万5000円になりますね」
「え!高っ!鑑定しただけで?」
「…はい、でも鑑定書がないと売れないんですよ?」
不満タラタラだがそれで売るのを了承した。
そして俺はまたダンジョンに潜っている。
「クソ!なんで鑑定だけであんなに金取るんだよ!」
俺はむしゃくしゃして3階層に降りて来た。
まだここら辺は問題ないだろ。
ゴブリンを倒してクズ魔石を拾う。
「だぁー!腹立つなぁ!」
「グギャ!?」
「おらぁぁ!」
いつにも増してミスリルソードの切れ味は抜群だ。
「キャアァァァァ」
「な、な?なんだ?」
「お、お兄さん逃げてえぇぇぇ!」
「え?あ、お、おわあぁぁあ!!」
魔物が列になって追いかけてくる。俗に言うトレインというやつだ!!
俺たちは走りながら洞窟の中を駆けていく。
「ふ、ふざけるな!俺まで巻き込むなよ!」
「ご、ごめんなさい!でも、私もう無理かも」
「だぁ!も、もうちょい頑張れ!階段はすぐ」
「もう無理…」
“ザザァァァ”と女の子は倒れてしまうので俺は止まって通路を見る。そこまでのトレインじゃないな!
「く!こなくそ!」
ゴブリンのトレインごとき俺のミスリルソードでなんとかしてやる!
ダンジョンの通路も狭いし、スピードを活かしてこちらから倒しに行けば、ゴブリン達も怯んでしまう。なんとかなりそうだな!
斬りかかるゴブリンの剣をジャンプで躱して、ミスリルソードを振れば5体まとめて切り伏せる。
そのまま突っ込んでいき、流れるようにミスリルソードを振るっていく。
「おらぁぁ!!」
最後尾にいたのはブラックバッファローで初めてだがもう止まらない。
「最後だこのやろう!!」
ブラックバッファローの脳天にミスリルソードを突き刺して、倒れて消えて行くのを見る。
「っしゃー!こんにゃろ!」
とりあえずドロップを拾ってバッグに詰めて行く。
「おい、おい!起きれるか?」
「も、もう走れません」
抱き起こしてポーションを口につけると、
「いいからこれ飲め」
「み!水!ゴクゴク!た、足りない!」
そりゃ足りないだろうな、一瓶空にしてペットボトルの水を渡す。
「ほらこっちを飲め」
「ん?え?んぇ、えぇ!ポーション飲んだ?」
すると瓶を見て自分がポーションを飲んだと気づく女の子。
「仕方ないだろ?あんだけ体力無くなってたんだから」
「べ、弁償します!すいません!」
「いやいいぞ!それよりもう大丈夫か?」
「はい!トレインは?」
「俺が片付けた!もう大丈夫」
「すご!有名な冒険者さんですか?」
急に元気になったな。
「いや、2階層でちまちまやってる。俺は基本弱いからな」
「そ、そうなんですか?ならなんで」
「そりゃ、火事場のなんたらで、まぁ、なんとかなって良かったよ」
女の子は立ち上がると、頭を下げて、
「私、立花可憐って言います。今回はすいませんでした!ポーション代もきちんと払います!」
「いや、ポーションはいいよ、カレンちゃんはいくつなんだ?」
頭を上げるカレンはショートカットの可愛らしい子だ。
「今年で18になります」
「そうか、で?なんで1人なの?」
「それが…」
仲間とダンジョンに潜っていたらしいが、みんな進学のためにダンジョンから足を洗ったらしく、進学しないカレンはダンジョンに1人で潜るしかなかったようだな。
それにしてもダンジョンに1人は危ないだろ?
「カレンちゃんはスキルは?」
「あります!『火魔法』です」
「思いっきり後衛じゃないか!」
「そうなんですよね」
武器は杖のようなものだな。
「そうだ!お兄さん私と組まないですか?」
「んー、まぁいいけど、危ないことはしないよ?」
「はい!私達も、行っても5階層だったんで!」
「ならよろしくな!俺の名前は河地夜人だからヤトでいいよ」
「じゃあ私もカレンでお願いします」
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