ガチャから始まる錬金ライフ

あに

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『ブルーオーシャン』

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「おらぁぁ!!」
 素早さ頼みで足元を斬っていく。
「ファイアーランス!!」
 カレンの魔法がサイホーンを貫いて光になってドロップに変わる。

「ボスも問題なかったな」
「だね!私達強くなった!」
 20階層、サイホーンという犀のようなモンスターだが、難なく倒すことができた。
「おぉ、魔力茸だな!」
「これ?」
「そうだ、これで魔力ポーションが作れるぞ」
「そうなんだ!私も採ってくる!」
 と2人で魔力茸を採ってバッグに詰める。
「宝箱かぁ」
「開けてみろよ?いいのが入ってるかもしれないだろ?」
「ヤトが開けてよ!運が良さそうだし」
「まぁ、いいけどな」

 宝箱を開けるとポーチが入っていた。
「お、おぉ!マジックポーチだってさ!」
「すごぉい!」
「ほら!やるよ」
「え!いいよ、流石にもらえないよ」
「いいからもらっとけよ!まぁ、いらないなら売るけど」
「いる!」
 と食いつくカレン。

「でも本当にいいの?」
「あぁ、俺にはこれがあるしな」
 とバッグをたたいて見せる。
「うん!ありがとう!」
「さて、戻るか」
「そうだね!」
 モノリスで10階層まで戻り、そこから上に上がって行く。

 薬草も取れたし、反転きのこと魔力茸も取れた。いい収穫だったな!

 ダンジョンから戻ると、改札を抜けてカウンターに行く。
 魔石は半分に分けて、カレンの分は売ると、
「はい!これ!」
「ん?なんだ?」
「ポーション代!ちゃんと返すって約束したでしょ?」
 と十万円を渡してくるがそれは受け取らない。
 律儀な子だな。
「いいよ!それで欲しいもの買いなよ!その代わり俺の秘密は喋るなよ?」
「んー、…分かった!ありがとう!」

 更衣室に入って着替えるとスマホに着信があったようだな。
 着替えて電話をかけ直すと、
『はい!あ!河地さん!今大丈夫ですか?』
「おう、大丈夫だが?」
『ブルーオーシャンのリーダーが会いたいと言っているのですが?』
 うーん、まぁ、錬金術師とは言ってないだろうが、上級ポーションの出所は確認するよな。

「え?それは俺にか?」
『はい、いかがでしょうか?』
 息を呑む如月。
「ふむ、まぁ、いいでしょう」
 もしかしたら素材を取って来てくれるかもしれないしな!
 ということで今夜9時に『プライド』で待ち合わせをした。

「よ!」
「お待ちしておりました」
「俺も挨拶させてくれ!『ブルーオーシャン』の城間青蘭シロマセイランだ!」
 偉丈夫な男は髪を長く編み込んでいて2メートルくらいの身長の男でスーツを着込んでいる。
「河地夜人だ!」
 握手をするとだいぶ手の大きさが違うな。
 そのままハグをされ、
「ありがとう!今回は本当にありがとう」
「お、おう、治って良かったよ」
「見てくれ!なくなった左脚も左腕もこの通りだ!」

 大袈裟に体を広げる青蘭。
「いや、復活おめでとう!本当に嬉しいよ」
「ありがとう!まだ俺は戦えるんだ!今日は店を予約しているから行こうか!」
 如月の運転する車でホテルに着くと最上階の席へ案内される。

「2人への感謝を!乾杯」
「あはは乾杯」
「おめでとうございます!」
 シャンパンを一気に飲むと、
「あはは!上級ポーションなんてものがあったとはな!」
「私の鑑定ではわかりませんでした!」
「俺の鑑定レベルは4だからな」

 それから治る時の痛さや、これからのことを話しながらコース料理を食べる。
「ならその上薬草を見つければいいんだな?」
「そうだな、それがあれば上級ポーションが作れるな」
「よし!鑑定士を雇って俺が探してやる!」
「ほんとか!でもダンジョンに行く鑑定士なんてそういないぞ?」
「…それもそうだな、ヤトはレベル幾つだ?」
「まさか俺を連れて行くのか?」
「それしかないだろ?」
 まぁ、『ブルーオーシャン』がついて来てくれるならそれはそれでいいがな!

「ありそうなところに心当たりがあるからな!」
 という青蘭はどこか誇らしげだ。
「まじか!それなら俺もいこうかな!ちなみにレベルは40だ」
「なに?それだけレベルが上がってれば大丈夫だ!」
「あはは、ちゃんと守ってくれよ?」
「おう!任せておけ!」
 とその後も楽しく話をしながら食事を楽しむ。

「じゃあまた連絡する!」
「あぁ、ご馳走様な!」
「河地様!今回はすいませんでした!」
「しょうがないよ、気にしないでくれ」
「ありがとうございます」
「じゃあまたな!」
「あぁ!またな!」
 車は走って行く。

♦︎♢♦︎

「如月、ありがとう」
「いえ、河地様も喜んでいたので良かったです」
「顧客の情報なんて教えてもらって本当に感謝する」
「いえ、河地様から了承ももらいましたから」
 と運転しながら嬉しそうに笑う如月。

「ヤトはこれからの時代に必要な人物だ!必ず上薬草も採ってくる」
「そうですね!貴重な錬金術師様ですからね!」
 青蘭は笑うと窓の外を見る。
 左腕を握りしめてこれからの時代の先を見据えるように。
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