ガチャから始まる錬金ライフ

あに

文字の大きさ
53 / 170

薬師

しおりを挟む

「分かりました!総力を結集して探し出します!」
「よろしくね」
 案外簡単に探してくれるそうだ。
 俺はそのために鑑定ゴーグルを作ろうと思う。

 知識の種が高いが、しょうがない。
 用意できたのは30個だ。
「これを使ってもらってポーションを作ってもらおう!」
 
 日本中から集められた薬師は200人を超えた。体育館を借りて、その中から面接をしてポーション作りを教える。

 その中からできるだけ生活や人生が辛そうな人を助けてあげられればいいと集めた30人に鑑定ゴーグルを渡して、ポーションの作り方を教え込む。

「で!できた!低級ポーション!」
「よくがんばったな!これからは『プライド』が買い取ってくれるぞ!」
「や、やった!これで俺も『薬師』で良かったと思えます」
 と泣き出す人もいた。
 『上級ポーション』は作れないが、低級なら作れるようになる『薬師』は、薬剤師などになってる奴はいいが、昔の俺のように日雇いで暮らしてる奴らもいる。
  
 そいつらはやはりダンジョンに関わりたかった奴らだ。

 いつか俺もと頑張ってきた奴らならこれを機に頑張って欲しい。

 最後の1人もポーションを作れるようになって、泣きながらみんなのところに行く。

「よし!これで第一関門はクリアだな!」
「えっ!おわりじゃないんですか?」
「まだ素材の問題がある。薬草が手に入りやすいようにしないとな!」
 これは冒険者達にお願いしないといけないがな。

 薬草が1束で一万でも五千円でも金になるなら取ってくるだろ。
 まぁ、『薬師』の取り分が少なくなるがポーションの大量生産にはいい方向に進んで行くと思う。

「『プライド』に行こうか」
「「はい」」
 薬師のみんなはその場に待機してもらい、車に乗り込み『プライド』に向かう。

「いらっしゃいませ、いかがいたしました?」
「『薬師』に低級ポーション作りを教えた。だから素材が必要だな」
 驚いた如月は、
「『薬師』が低級ポーションを!?そ、それはいいことですね!」
「あぁ、テンのおかげだ。それで薬草を買い取って欲しい。金になるなら冒険者も取ってくるだろ?」
「はい!そうですね!早速チラシを作って配布しましょう!!」
 如月は全部言わなくても分かってくれるな!
 
「じゃあ、そっちはよろしく頼むぞ!俺は薬師に『プライド』から買えと言っておくからな!」
「はい!こっちも急いで薬草を揃えますので」

 如月に任せればいいだろう!
 体育館に戻るとみんなポーションのことを喋っていた。
「みんな!ポーション作りをする上で、薬草を取ってくる冒険者は大事だ!それを忘れずにな!」
「「「「はい!」」」」
 全員が俺の目を見て答える。
「そして『プライド』に薬草のことはお願いしてきた。薬草を買ってポーションにして売ればいい金になるはずだ。それとみんなの中に冒険者になる奴もいるだろう!だけどポーション作りは辞めないでくれ!それはポーションを持ってる冒険者が1番よくわかると思う」
「「「「はい」」」」
 冒険者になる奴は頷き俺の目を見ている。
「鑑定ゴーグルは俺からの餞別だ。みんなあとは頑張れよ!」
「「「「はい!」」」」
 とみんなと別れる。

 この中で全員が成功するとは思ってはいない。
 必死なやつほど金は欲しいだろうし、他所に行くだろう。だがそれでもいい、誰かを助けることが自分にできるってわかってるなら…

「これから少しの間よろしく頼むよ」
「はい、1人づつ監視してますので」
 
「さて。終わったな!」
「ですね、お疲れ様です」
「ミライ、メグミもお疲れ様」
『ニャーも疲れた』
「ハハッ、テンもお疲れ」
 とみんなで家に帰る。

 ゆっくりと風呂に浸かり、風呂上がりにビールを飲む。
「『くはー」』
「あははは、親父くさいぞ?」
『ニャーもいい歳だからにゃ』
「あはは、そっか、じゃー飯作るかな」
『ニャーもテレビでもみるにゃ』
 と2人ともいっぱい飲みながらまったりする。

 一か月もすると残暑厳しい季節になってくる。

『ニャハハハハ!錬金術師が出てるにゃ』
「ん?あれは『薬師』の子じゃないか」
 『薬師』で低級ポーションを作っていたことを思い出す。
 それがテレビで錬金術師と名乗ってポーション作りを披露した。
 まぁ、いいけど後が大変だぞ?

 俺は嫌な予感しかしなかった。

 いつも通りに『プライド』にポーションを納めに行く。
「いらっしゃいませ、こちらにどうぞ」
「ポーションの方はどう?」
「はい、低級ポーションは多くなりましたし、薬草の方も冒険者がこぞって買取に持ってきますよ!」
「そうか!それなら良かった」
 といつものカウンターに座ると、
『錬金術師がまた出たそうですが』
「あぁ、あれは『薬師』だよ。どんな口車に乗ったか知らないけど、有名になることの怖さを知らないみたいだね」
「ほ、そうですか、ならこちらからは何もしません」
「で、ポーションはどれくらいいる?」
「はい、低級1000本、上級100本、TSポーションが50本、解毒ポーションが500本、石化解除薬が500本、魔力ポーションが1000本、呪い解呪薬が50本」
「お、多くないか?」
「低級ポーションは月に20000本ほど増えましたが、他は増えてませんから」
 とにこやかに笑う如月が鬼に見えてくる。
「と、とりあえず低級ポーション1000本、上級ポーション100本は作ってきてあるが、他はそんなにないぞ?」
「あるだけでいいです。残りはまた今度で」
 全ての薬を持っていかれてしまったが魔石は2000個ほどあったので全部買い取った。

『にゃんだか大変だにゃ』
「だな、もう錬金やめよかな?」
「だめですよ?待ってる人がいるんですから!」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

TB
ファンタジー
岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...