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薬師
しおりを挟む「分かりました!総力を結集して探し出します!」
「よろしくね」
案外簡単に探してくれるそうだ。
俺はそのために鑑定ゴーグルを作ろうと思う。
知識の種が高いが、しょうがない。
用意できたのは30個だ。
「これを使ってもらってポーションを作ってもらおう!」
日本中から集められた薬師は200人を超えた。体育館を借りて、その中から面接をしてポーション作りを教える。
その中からできるだけ生活や人生が辛そうな人を助けてあげられればいいと集めた30人に鑑定ゴーグルを渡して、ポーションの作り方を教え込む。
「で!できた!低級ポーション!」
「よくがんばったな!これからは『プライド』が買い取ってくれるぞ!」
「や、やった!これで俺も『薬師』で良かったと思えます」
と泣き出す人もいた。
『上級ポーション』は作れないが、低級なら作れるようになる『薬師』は、薬剤師などになってる奴はいいが、昔の俺のように日雇いで暮らしてる奴らもいる。
そいつらはやはりダンジョンに関わりたかった奴らだ。
いつか俺もと頑張ってきた奴らならこれを機に頑張って欲しい。
最後の1人もポーションを作れるようになって、泣きながらみんなのところに行く。
「よし!これで第一関門はクリアだな!」
「えっ!おわりじゃないんですか?」
「まだ素材の問題がある。薬草が手に入りやすいようにしないとな!」
これは冒険者達にお願いしないといけないがな。
薬草が1束で一万でも五千円でも金になるなら取ってくるだろ。
まぁ、『薬師』の取り分が少なくなるがポーションの大量生産にはいい方向に進んで行くと思う。
「『プライド』に行こうか」
「「はい」」
薬師のみんなはその場に待機してもらい、車に乗り込み『プライド』に向かう。
「いらっしゃいませ、いかがいたしました?」
「『薬師』に低級ポーション作りを教えた。だから素材が必要だな」
驚いた如月は、
「『薬師』が低級ポーションを!?そ、それはいいことですね!」
「あぁ、テンのおかげだ。それで薬草を買い取って欲しい。金になるなら冒険者も取ってくるだろ?」
「はい!そうですね!早速チラシを作って配布しましょう!!」
如月は全部言わなくても分かってくれるな!
「じゃあ、そっちはよろしく頼むぞ!俺は薬師に『プライド』から買えと言っておくからな!」
「はい!こっちも急いで薬草を揃えますので」
如月に任せればいいだろう!
体育館に戻るとみんなポーションのことを喋っていた。
「みんな!ポーション作りをする上で、薬草を取ってくる冒険者は大事だ!それを忘れずにな!」
「「「「はい!」」」」
全員が俺の目を見て答える。
「そして『プライド』に薬草のことはお願いしてきた。薬草を買ってポーションにして売ればいい金になるはずだ。それとみんなの中に冒険者になる奴もいるだろう!だけどポーション作りは辞めないでくれ!それはポーションを持ってる冒険者が1番よくわかると思う」
「「「「はい」」」」
冒険者になる奴は頷き俺の目を見ている。
「鑑定ゴーグルは俺からの餞別だ。みんなあとは頑張れよ!」
「「「「はい!」」」」
とみんなと別れる。
この中で全員が成功するとは思ってはいない。
必死なやつほど金は欲しいだろうし、他所に行くだろう。だがそれでもいい、誰かを助けることが自分にできるってわかってるなら…
「これから少しの間よろしく頼むよ」
「はい、1人づつ監視してますので」
「さて。終わったな!」
「ですね、お疲れ様です」
「ミライ、メグミもお疲れ様」
『ニャーも疲れた』
「ハハッ、テンもお疲れ」
とみんなで家に帰る。
ゆっくりと風呂に浸かり、風呂上がりにビールを飲む。
「『くはー」』
「あははは、親父くさいぞ?」
『ニャーもいい歳だからにゃ』
「あはは、そっか、じゃー飯作るかな」
『ニャーもテレビでもみるにゃ』
と2人ともいっぱい飲みながらまったりする。
一か月もすると残暑厳しい季節になってくる。
『ニャハハハハ!錬金術師が出てるにゃ』
「ん?あれは『薬師』の子じゃないか」
『薬師』で低級ポーションを作っていたことを思い出す。
それがテレビで錬金術師と名乗ってポーション作りを披露した。
まぁ、いいけど後が大変だぞ?
俺は嫌な予感しかしなかった。
いつも通りに『プライド』にポーションを納めに行く。
「いらっしゃいませ、こちらにどうぞ」
「ポーションの方はどう?」
「はい、低級ポーションは多くなりましたし、薬草の方も冒険者がこぞって買取に持ってきますよ!」
「そうか!それなら良かった」
といつものカウンターに座ると、
『錬金術師がまた出たそうですが』
「あぁ、あれは『薬師』だよ。どんな口車に乗ったか知らないけど、有名になることの怖さを知らないみたいだね」
「ほ、そうですか、ならこちらからは何もしません」
「で、ポーションはどれくらいいる?」
「はい、低級1000本、上級100本、TSポーションが50本、解毒ポーションが500本、石化解除薬が500本、魔力ポーションが1000本、呪い解呪薬が50本」
「お、多くないか?」
「低級ポーションは月に20000本ほど増えましたが、他は増えてませんから」
とにこやかに笑う如月が鬼に見えてくる。
「と、とりあえず低級ポーション1000本、上級ポーション100本は作ってきてあるが、他はそんなにないぞ?」
「あるだけでいいです。残りはまた今度で」
全ての薬を持っていかれてしまったが魔石は2000個ほどあったので全部買い取った。
『にゃんだか大変だにゃ』
「だな、もう錬金やめよかな?」
「だめですよ?待ってる人がいるんですから!」
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