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武器防具
しおりを挟む『ほら、いくにゃよ!まってるにゃ!』
「ちょっとだけだから!すぐ済むから!」
俺は錬金釜に新雲龍の太刀を入れて錬金する。
・真雲龍の太刀…龍の鱗さえ斬れる剛の太刀。だがしなやかな刀身は折れることはない。
「あはははは、すごいな!錬金術って!」
『わかったにゃ!だから早く行くにゃ!』
「お、おう、そうだったな!行こうか!」
と肩に乗ったテンに促されていくのは『プライド』だが、その前に、
「インベントリ」
昨日のカプセルから出したものをインベントリに全て入れる。
鏡を見て少し髪型を整え、ジャケットを羽織ってから外に出る。
ミライ達が外で待っていた。
「悪い、遅くなった」
「いいえ、大丈夫ですよ」
『ぬー、言ってやった方がいいにゃ!おそーいって』
「だから悪かったって」
ぷんぷん怒ってるテンを撫でて車に乗り込む。
『プライド』まではほんの数分だ。
青い空を窓から見る。
あぁ、いい気分だな!
『プライド』に到着するとでかい車が2台並んでいた。
1台は『ブルーオーシャン』のキャンピングカー、もう1台は黒いワゴンだ。
その隣に停めて、『プライド』の中に入ると、
「私達が先に予約したのよ!」
「俺たちはあいつに直で連絡してんだよ」
「そんなの知らないわ!如月はちゃんと連絡したって言ってるのよ!」
「そんなの知るかよ!俺とあいつは友達だしな」
と、なにやら不穏な空気だな。
「あ!河地様!!」
逃げようとしたところを如月に見つかってしまった。
「え…っと、お邪魔しま!?」
青蘭に捕まえられると、
「逃げるのか?ヤト?」
「ち、違うんだよ?え?なに?」
話を聞くと別にどうと言うこともなく。
「「なくない!!」」
そうで、S級でも仲の悪い2パーティーが揃ってしまった次第だ。
「んー…知らんもん!そんなん知らん!俺は如月に呼ばれて、ついでに青蘭と約束してきただけだ!!」
俺は開き直って言ってやった。
「こ、こいつ開き直りやがって!」
「私達の方が先よね?」
「まだ言うか!友達の俺の方が先だ!」
くだらない争いだ。
「一緒でええやん!!仲良くしよ!!」
「「むぅーー…」」
2人はいがみ合っている。
しょうがないここはこれを取り出す。
「はい、青蘭の刀はパワーアップして真雲龍の太刀になりましたぁ!」
「お、おぉ!!!俺の雲龍ちゃん!」
青蘭は刀を抜くと直ったというか作り直した刀身に惚れ惚れしている。
「な、なによ!あの刀は!?」
「あれ?あれは俺が精魂込めて作った太刀だ」
「貴方、鍛治もやるの?」
「うん」
口をあんぐり開けてみている『黒い宝石』のリーダー黒木真夢は頭を振ると、
「と、とりあえず私達の用事は貴方に武器防具を見せて欲しいの!」
「だと思って持ってきたから選んでね!値付けは如月!よろしくね」
とカウンターに昨日のガチャの武器防具を並べていく。
すると全員が見始めて、あーだこーだ喋っている。
「仲良いじゃん」
「ん?」
「え?あ!私達のターンでしょ!」
と気付いたように言うがさっきまで話してたのに。
「おぉ、悪いな、けどどれもすごいな」
「だな、品質が良すぎるな」
「ヤト、この前のアクセは無いのか?」
「あるよ、並べるわ」
とアクセサリーも並べていく。
「な、なんだこの腕輪!収納ができるのか?」
「ど、どうやらそうらしいです。50個までらしいですけど」
「いやいや、このピアスはやばいだろ!」
「ですね、全ステータス30UPですか…」
と全員が同じような反応だな。
「とりあえず俺のから3億をヤトに入れてくれるか?」
「かしこまりました。河地様、カードを」
「ほい」
「な、B級!?いつの間に?」
青蘭達がカードを見てビックリしている。
「あはは、この前な。ダンジョン攻略したからな。あと『ブルーオーシャン』のみんなは一つ選んでくれよ?素材のお礼だ」
「やったー!私これ!」
といつも早いサヤがネックレスを手に取ると、
「ばっか!俺にこそふさわしいだろ!」
「だめよ!青蘭は脳筋なんだからこっちでしょ?」
と荒れている。
しかし少なかったかな?
「如月?部屋を一つ借りていいか?」
「はい?わかりました。どうぞこちらに」
通された部屋で『ガチャ』をする。
110連だ!
赤が10、青が67、紫が31銀が1、金が1、
赤と銀と金はインベントリに入れて他を開けていく。
100近く開けるのに苦労したが、テンも手伝ってくれたのでどうにかなったな。
全てインベントリに入れて外に出る。
「わるい、待たせたな。後は好きに選んでくれ」
『ふぅ、疲れたにゃ』
とまたカウンターやテーブルに置いていく。
「ど。どこからそんなに?」
「ウヒャア、凄すぎるよ!」
「ふむ。俺の太刀には敵わないけどそこそこのものがあるな」
「アクセサリーがこんなに!?」
「え、えーと、」
如月もテンパっているが、俺は疲れた。
どうにか『ブルーオーシャン』も『黒い宝石』も納得いくものが揃ったらしいが、
「ちょっと待った!俺らにも見せてもらいたい!」
と入ってきたのは団体さん?
「な!『バード』の白鳥?」
「お前たちはここの常連じゃ無いだろ?何しに来たんだ?」
と黒木と青蘭が言う。
確かS級パーティーの名前に『バード』ってあったよな?
「いまや『プライド』を知らない者はいないだろ?客としてきたらそんないいものを選んでいるんだ、俺たちにも見せてもらいたい!」
「まぁ、いいわ!私達は選んだもの、残りを見るくらいどうぞ」
「だな、俺のこの太刀よりもいいものがあるとは思えないがな!」
と黒木と青蘭は言う。
どこでマウント取ってんだよ?
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