67 / 170
ポーション
しおりを挟む彫金と魔法鍛治に今ハマっている。
やはり太刀が多いが、小太刀や打刀、脇差と刀も色々ありなかなか奥が深いな。
魔法鍛治だけではできないことをやる為に工場のような建物を一つ買って改築中だ。
そこを拠点にするつもり。
「ふぅ。こんなもんかな?」
出来上がった指輪にフィットの魔法を付与すると練金釜で属性なんかを付与して、出来上がりだ。
ガチャを回せば出てくるが欲しいものじゃない時は素材になるからなぁ。
それに自分で作った物は『夜』と刻印してあるから使ってもらえると嬉しいしな!
真冬の寒さに耐えていたあの頃からすれば俺は運がいい!
あの頃は生活するだけでカツカツだったからな。
と思うとやはり『ガチャ師』は最高のジョブだな。
翌日は『プライド』に行こうとすると、
「カレン?にみんなも」
「どうして捕まってたこと言わなかったのよ!」
「そうだよ!俺らも何かできたかもしれないだろ!」
「悪いな、そこまで頭が回らなかった。ごめん」
仲間だもんな、ちゃんと連絡すればよかった。
「ふぅ、みんなもういいでしょ?それよりどこに行くの?」
「『プライド』まで行くつもりだけど一緒にくるか?」
「まぁ、いこうかな?ポーションはあるけど武器なんかもみたいしね」
と言って全員で『プライド』まで話しながら行く。
「お金なら後でちゃんと払います!お願いします!」
と聞こえてきて土下座している子供?
「どうした?」
「いえ、私も店をやってる身としては後払いが無理そうな子供に渡せるポーションはないんだよ」
「…っ!!」
「カエデ!?」
男の子は走って去って行くが、カエデがついて行ったようだし、とりあえず店に入ろう。
「すいません、あぁいうことが…正直ありますね」
「そうか、ポーションを安くすると転売が出てくるし苦しいところだな」
「そうですね。それより今日は大勢でどのようなご用件でしょうか?」
明るく振る舞う如月に合わせて、俺はポーションを出して行く。
他のメンバーは武器や防具を見ている。
アクセサリーもそれなりの値段がついてよかったと後ろを振り向けばカエデが俺に近寄ってきて、
「…助けて欲しい」
「分かった」
しょうがない、メンバーが言うんだからな!
カエデもポーションを持っていたはずだ。それ以上となると最上級ポーションかな?
カエデは走るのでみんな走ってついて行く。
大病院の前で男の子が待っていた。
「姉ちゃん」
「坊主、母ちゃんは大丈夫だからな!」
とカエデに抱きつく男の子に言っている。
「さて、行こうか?」
「おう!行けばわかるから」
『ニャーは隠れてるにゃ』
と木の上に香箱座りをする。
俺たちは病院の中に入って、エレベーターで上に登って行くと、病室まで一直線に歩いて行く男の子。
病室に入ると管をいろんなところにつけた女性が寝ていた。
「ポーションじゃ、何の反応も起きなかったんだ」
「君の名は?」
「佐藤優十歳です!」
「じゃあ、ユウ、お母さんはずっとこのままなのか?」
「うん、トラックに轢かれて身体は元気になったって言ったのに起きないんだ!病院代で父さんも仕事ばかりだし」
「そうか、分かった。でも約束だ。俺が治した事はお父さんにもお母さんにも内緒だ」
「うん!内緒にする」
とユウは口に手をおく。
たぶん植物状態なのだろう。
最上級ポーションの出番だな。
口についている管を避けてポーションを流し込むと女性の身体が光る。
「…ん、んぅ?んん!」
ナースコールを押して俺たちは帰る。
女性…お母さんはユウを抱きしめていた。
テンを肩に乗せると、
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
カエデが、俯きながら言う。
「ごめん、助けるって言ったんだ」
「うん」
「でも助けられなくて」
「うん」
「私に力はないのに助けるって言ってごめんなさい」
「うん、でも助けたかったんだろ?なら、仲間に頼ればいい」
「うん…ありがとう」
俺たちは川沿いを歩きながらのんびりと歩いて帰る。
助かる命は助けることができるやつがすればいい。
一つ伸びをして、
「飲みにでも行くか」
「昼間ですよ?」
とミライが言うが、
「いいね!寒いしおでん食べたい!」
「じゃあ、探すね」
「まだ昼だからなぁ、開いてる?」
「あー、無理だね」
「じゃあファミレスでいいんじゃない?」
とファミレスに向かい楽しく喋る。
そろそろ年末ということもあり、みんなソワソワしているのか、いろんな話が飛び交う。
ミライやメグミもその日は非番にしてもらう。
どうせどこにも出かけないからな。
と思えば、
「クリスマスはリーダーの家でパーティーしよう!」
「元リーダーね?いいわねそれ!」
「はい、決まり!」
「私達もご一緒していいですか?」
「あー、みんなくればいいよ!」
とクリスマスの予定も決まり、テンも入れて8人か。
とスマホが鳴り、出ると青蘭だ。
『よぉ、クリスマスパーティーやるから来ないか?』
「おぉ、その話を今してたんだ!みんなもいいか?」
『おう!何人でもいいぞ!貸切でやるからな!』
「おお!行く行く!」
『じゃあ、また『プライド』でな!」
「おう!また連絡してくれ!」
みんなに話すととても喜び、豪華なクリスマスになりそうだな!
199
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる