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スタンピード
しおりを挟む「デカいの行くぞ!フレイムバースト!」
ガシャ髑髏は崩れるが核でもあるのか元通りになる。
「チッ!」
「こいつでどうだ!」
ゼロが手榴弾を投げる。
「おま。なんでそんなもん」
「まぁ、俺の持ってる最後のロシア土産だ」
ったく。
「まだだな、鑑定」
鑑定を使うと胸の真ん中にでかい核と、首元に小さな核があるみたいだな。
「ゼロ!胸の真ん中にあるでかいのを狙え、俺は首に行く!」
「おう!分かったぜ!」
俺は囮になってガシャ髑髏が攻撃できるくらいのスピードで走る。
「ウォオオオオオオオ!!」
ゼロが攻撃し出したので、
“ヒュッ”とガシャ髑髏の上に飛ぶと色の違う骨があった!
「サンダーストライク!!」
“ガッシャーン”とガシャ髑髏は粉々になる。
地中から、
「おい!引き上げてくれ」
とゼロの声が、
「おぅ。よっと!」
ダンジョン入り口は静かに蓋を閉める様に扉が閉まっていく。
「よし!あとは残りを片付けるだけだな!」
「後一踏ん張りだ」
俺は怪我人にポーションを配って周り、ゼロ達は残りの残党を倒して行った。
「「「ウォオオオオオオオ!!」」」
なんとか、全てを終えスタンピードは終わった。
テレビカメラが何台も入ってきているが、四ツ谷駅の被害は甚大だ。
そして俺たちは集まって、
「飲みにいくか!」
『ニャーもいくにゃ!』
「「「おおー!!」」」
と全員で居酒屋に繰り出す。
「「「「カンパーイ」」」」
と防具から着替えた俺らはおしぼりで顔を拭くと埃まみれだったのか黒く汚れてしまった。
みんなを見るとやはり汚れている。
「『クリーン』」
「おぉ!そんな魔法使えるんだ!?」
「一瞬で綺麗になったよ」
「まぁ、こう言う魔法も便利だな」
『旅人』の生活魔法だ。
「いやぁ。でも今回は被害が少なくて良かったな!」
「正月でダンジョン潜ってるやつが少なかったんだろ?」
正月はみんな休みたいもんだ。
「そうかもしれないな、あのダンジョンはいっとき使えないだろうし」
「まぁ、スタンピード食い止められて良かった!」
「だな、そう言えばもう潜ってたんだな」
まだ5日だが?
「ちょっとでもレベル上げしないとね。それに体が鈍っちゃうからさ」
「ってカエデがいうからね」
「んだよ?みんな来たじゃん!それに結構人いたぞ?」
そうか、まぁ、スタンピードが起こるほど放置されても困るしな。
「久しぶりに動いたけど結構動けたな」
『ニャーも頑張ったにゃ』
「うーん、ヤトはもうちょい自信持っていいと思うけど?」
自信と言ってもおれは錬金術師であって、戦闘の得意なジョブはシーフからしかないんだよな。
本来のも召喚士だしな。
「ちょっと頑張って敵を倒せるならそれでいいかな」
「そのちょっとが違うんだけどね」
「まぁ、ヤトは強い」
アーシャが言うから強いんだろうな。
「よし!俺は強い!なーんてことはないからな」
「ヤトはヤトだよ」
「ほら、注文しないと」
「そうだ腹減ったんだった!」
と注文していくみんな。
「やっぱりぃー、ヤトはぁー」
「ほら、シオンもちゃんとしろ!タクシー乗せるぞ」
「すいません」
モクレンが謝る。
「じゃあ」
「んじゃな!」
と最後の一人を送った。
『ニャンにゃ?一人になって寂しくにゃったか?』
「いや。出てこいよ?」
「チッ!バレてるとはな…」
『ニャンにゃ?人が出てきた』
夜道で街灯も少ないが、店の明かりに照らされた男は不機嫌な声で、
「死んでくれよ?じゃねーと、俺の仕事がおわらねぇ」
「死ぬつもりもないし、殺されるのもないな」
真ん中で火花が散る。
スピードは互角か?いや、まだいけるな!
「ほんと嫌だな」
電信柱に立つ男に向かって短刀を投げつける。
一瞬でそこから俺の前にくるが新しい短刀で一撃を喰らわせると、
「グアァァアァ!」
「そりゃ毒だぞ?どうする?」
「く、クソッ!」
と言って男は逃げた。
『お、追わなくていいのかにゃ?』
「あれは蠱毒だからちょっとやそっとの解毒剤は効かないよ」
あれはもう死ぬしかないだろうな。
「さぁ、帰ろうか」
『いいにゃ?』
「俺は忠告したからな。あとはあいつ次第だろ?」
『分かったにゃ』
と家まで帰る。
「あ!帰ってきましたね!」
「あ!」
ミライ達のことすっかり忘れてた。
「本当に危ないんですよ!ちょっとお説教です!」
「はい。わかりました」
この後軽く怒られ、今回はしょうがないと許してもらえた。
「はぁ、ようやく寝れるな」
『ニャーまでお説教だったにゃ…』
「俺が召喚してるからな」
『そうにゃった』
と二人で風呂に入ってゆっくり布団で寝る。
次の日、ロシア国籍の男の変死体がニュースになっていた。
やっぱりまたロシアなんだな。
「ゼロ達は大丈夫だと思うが、俺狙いで殺しに来てるんだな。何のために?」
俺がいなくなったら困るのはお互い様だろうに…アメリカはエマがいるけど、多分守られてるから大丈夫だろう。
さて、いつもの様に錬金はしとかないとな。
いざという時にないとこまるからなぁ。
「よし!やるか!」
『にゃ?手伝うかにゃ?』
「いや、いいよ。そんなに作るつもりもないしな」
多分だけど、
『分かったにゃ』
そう言えばカプセルで開けてないのがあったな。
赤は上級ポーション×3
金が、
・転移刀
と言うものだった。
・転移刀…自由に手元に戻すことができる刀。
へぇ、いいな!
練金釜に入れて毒の魔石を二つ入れる。
・転移蠱毒刀
よし、これなら投げても平気だな。
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