82 / 170
秘密
しおりを挟む「よし!今日のうちに引っ越し済まそう!」
「俺たち手伝わないぞ?」
「いいわよ?すぐだしね」
と二人は出て行った。
「はぁ。これからが大変そうだ」
「だね、一緒のアパートだしね」
「3人の中から一人選べるの?」
「は?俺はもう32になるんだぞ?カレンもアーシャもまだ若いだろ!ネオは召喚したし」
こんなおっさんのなにがいいんだ?
「まぁ、考えときなさいよ?いざという時困るから」
「ふぅ」
とビール片手にピザを頬張る。
考えとくならネオ一択だな。二人はまだ若すぎるしアーシャにはゼロがいるだろう。
「その話はまぁいいじゃん、飯どこにいく?」
「だな、カレンはいないから決めとくか」
とスマホで探す。
「ここでいいんじゃない?」
「また焼肉か、まぁ、いいけどな」
「んじゃ予約するわよ?」
「あ、ミライとメグミも連れてくからな」
「はいはーい」
と喋ってるとキャッキャいいながら二人が降りてきた。
「どうだった?部屋は?」
「ミライ姉さんがよくしてくれました」
「そっか!よろしく頼むよ」
「はい!」
とヤトベースで飲み食いしてると、二人が帰ってくる。
「カレン、今日は焼肉な!」
「あ!いいね!予約は?」
「とってある」
「ナイス!んじゃ片付けてくる」
と二人で部屋に入って行った。
なんだかんだで仲良しで助かったわ。
「ネオは幾つなんだ?」
「えーと、53さいですかね?」
「「「「は?」」」」
『ニャーは132歳にゃよ』
「寿命幾つだよ?!それにしてもすごいな」
『あっちじゃ普通にゃ』
「そっか、あっちの世界はなんて言うんだ?」
『セラミーだにゃ、あっちは魔法が発展してるにゃ。にゃーは炭鉱で働いてたにゃ』
「炭鉱っていつの時代だよ」
そのセラミーってとこと繋がってるってことなのか?
「セラミーってとこは地球と似てるのか?」
『似てるけどにゃーみたいにゃ魔族はいないし、こっちは人間だけみたいにゃね』
俺は残りのビールを流し込む。
魔族に半魔神か、魔王ってのが出てきたら大変だな。
『魔王ってのはあっちにいるのか?」
『いるにゃ。魔王になれなかった卵が今日いたやつにゃね』
「こっちにも、魔王がいるのか?」
『それはにゃんとも言えにゃいかにゃ?』
だよな。いてもらっちゃ困るし。
「片付け終わり!」
カレンとアーシャがはいってくる。
「早かったな」
「二人とも荷物少なかったしね」
「そう、これから増やす予定」
「そっか、まぁ、楽しく住んでくれればいいさ」
「「了解」」
もうこれ以上は住人は増えないだろうしな。
「それにしてもよくこれだけ作ったわね?時間が足りないはずよ」
「作れるわけないわ!ヤトはまだ何か隠してる」
「うそっ!まだ何かあるの?」
「そう言うのは詮索しない方がいいぞ?」
俺は絶対言わないしな。
「そうね」
「え!気になる!」
「知らない方がいいこともある」
「でも」
カレンが食い下がる。
「カレン?聞かれたくないことくらい誰にでもあるわよ?」
「そうだぜ?そこは知らなくていいことだ」
「…うん、ごめんなさい」
納得言ってないようだが、これは教えるわけにはいかない。
「さ、そろそろ予約の時間だから歩いて行きましょう?」
「そうだな」
と歩いていく。
「いつか教えてくれる?」
「それはないかな」
「そう」
完全な拒絶、しょうがない。
誰にだって秘密はある。
それを知ったからどうにかなるわけでもない。
カレンはまだ若い。
だから知りたいのかもしれないが、知らなくていいことを学ばなければいけない。
「よし!飲むぞ!」
「「「おおー」」」
明らかにテンションダウンしたカレンはほっといて俺は久しぶりに浴びるように飲んだ。
ネオは肉を一心不乱に食っていた。初めて腹一杯飯を食べたので苦しいらしく寝ている。
あはは、また二日酔いかな?
「あなたまだ気にしてるの?」
「…だって」
「そう、私の一歩リードね」
「あなたは気にならないの?」
「逆にあなたは何を気にしているの?ヤトはヤトでしょ?秘密くらいあるわよ」
「…でも」
とカレンが食い下がろうとすると、
「カレン?あなた秘密をすべて言えるの?」
「え?」
「聞いて納得したいのはわかるけど、秘密なんて誰にでもあるわよ?」
「…うん」
「それでも聞きたいなら聞いてくればいい。でも私は軽蔑する」
「シオン」
「相手が喋りたくないことを無理やり聞くのはナンセンス。くだらないこと」
「あー。上手く言えないけど俺だって秘密はあるし、姉ちゃんの秘密だって俺は知ってるかもしれないけどそれは言わない」
「な!何を知ってるのよ!」
「例えだよ、姉ちゃんの秘密を知っても姉ちゃんだし、それは変わらないからね」
「納得いかないわ!何を知ってるのよ!」
とシオンとモクレンは言い合っている。
「…知らないこともあるわよね」
「なーに?あなたまだそんなところで引っかかってたの?馬鹿なの?」
「アーシャ!バカは余計よ!」
「ふん!大馬鹿ね」
と言ってアーシャもカレンも肉を食べる。
『ニャーが教えてやろうかにゃ?』
「悪魔に耳を貸しません!」
『にゃーんだ、つまんにゃいにゃ!にゃ!?』
カレンはテンを捕まえると、
「私、悪魔の肉ってどんなのか知りたいわ!」
『ニャーはまずいにゃ!や、やめるにゃ!!』
と逃げていくテンに少し気持ちが楽になる。
「ふん!後で聞いてくれって言っても聞かないんだから」
「おっ。いつものカレンに戻ったな!」
「悪かったわね!」
とモクレンにいうとジュースを一気に飲んで肉を取り食い出す。
「ほら早く焼きなさいよ!」
「んだよ!お前のせいでこうなってんだろ!」
シオンに組み敷かれているモクレンは災難だったが、ゼロは我関せずみたいだな。
シオンもやっと分かったみたいねと。組み敷いたモクレンを離して肉を並べる。
「はぁ、私もまだまだね」
「今頃?」
「うるさい!私は成長中なのよ!」
253
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる