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仕事
しおりを挟むそれから2日後、ようやく198個の『覚醒のモノリス』が出来上がった。全てインベントリに入れて保管する。
そうしてヤトベースでまったりしてるとチャイムが鳴る。
「どちら様で?」
「私だ、入れなさい」
総理が来ていた。
俺は外に出ると総理と相対する。
「『覚醒のモノリス』ができたみたいじゃないか!今度こそ日本に」
「それは無理ですね。日本にはもう二つもある」
「ふざけるな!今でも予算ギリギリでやってるんだぞ!」
「やれてるんだからいいだろ!お前が作ったものじゃない!!」
「…では買い取る」
「1000億だすんだな?」
「なぜそんなに渡したくないんだ!」
「いまでもスタンピートがある地域があるんだ!そんな地域にこそ『覚醒のモノリス』は必要だ!」
「話しても無駄だな、差し押さえろ」
総理は警察に差し押さえを命令する。
「…無駄なことを」
「ここを開けろ」
「はいよ」
と中に入っていくが、
「中には何もありません」
「お前が持ってるんだな?」
「さぁ?」
「こいつを逮捕しろ」
「逮捕状がありませんが」
と警察官は戸惑っている。
「あのな?前の総理もこれで終わったのに同じ轍を踏むのか?」
「クッ…もうお前のことを守るものはいないと思え!」
「自分のことは自分で守る!ありがとな!ミライ!メグミ!」
と後ろにいるミライとメグミに声をかける。
「すいません!盗聴器が」
「いい。気にするな仕事だからな、それにお前らのせいじゃないだろ」
「…はい」
いつかはこんな日が来るのは分かってた。カレン達はダンジョンに行っててよかったな。
「総理に一つ、今後も俺は世界に発信していく」
総理に向かって言い放つ。
「…日本が遅れるぞ?」
「ふん!そんなことは関係ない、日本なら今1番ダンジョンには近いだろ!」
「それを絶やすわけには行かないんだよ!日本は先進国としてやっていくんだ!」
顔を赤くして総理が怒鳴るが、
「そんなことは俺がやったことだ。お前のためじゃなく冒険者のためにな!」
「なら今まで通り日本のために動くようにしろ!」
「俺は俺の思ったようにやる!お前がどう思おうと関係ない」
日本の為?自分のためだろ?
「…熱くなった、すまない。だが、お前はそれでいいのか?今の日本が台無しになるぞ!」
「はぁ、日本はどっしり構えとけばいいだろ?それができなきゃ俺は海外に行く」
「クッ…お、お前だけが特別だと思うなよ?」
「さぁ、俺は特別だなんて思ってないさ?なんなら錬金術師が早く他に出てきて欲しいもんだ!」
「…帰るぞ!」
帰っていく総理達に残ったミライとメグミ。
「「すいませんでした」」
二人とも頭を下げる。
「気にするな、仕事のことを分かってなかった俺も悪かったよ」
仲間だと思うとつい口が滑る。
「私達にあんなによくしてくれたのに」
「私は裏切ってしまいました」
「仕事だろ?知られたものはしょうがないさ」
「すいません、私達も今日から戻らないといけなくなって」
「そうか、寂しくなるな」
泣いているミライとメグミ。
「いつでも戻ってきていいからな」
と言って慰める。
ネオは手伝って荷物を詰めている。
引っ越し屋がきて荷物を持っていくとがらんとしてしまったな。
カレン達が帰ってきたらなんで止めなかったって言われるんだろうな。
ネオとテンは泣いていたが、すぐに元気を出して、
『ニャーがいるから大丈夫にゃ!』
「私もいますから!」
と元気付けてくれた。
「ハハッ、心強いよ!」
如月が来たのは夜になってからだった。
「すいません。オークションが取りやめになってしまいました」
「そう来たか。総理だろ?」
「はい、『プライド』は守れましたが…」
「それでいい、まだ道はある」
「それは?」
「エマに連絡する!」
「あ、その手がありましたね!」
「あぁ、別に日本で開催しなくてもいいんだよ」
「分かりました、その時は私も行きます!一応英語はできますから!」
「頼むぞ!じゃあ、反撃だな!」
「はい!」
俺はエマに連絡を入れてオークション会場に出品したいと伝えると、『覚醒のモノリス』の素材を求められたのでそれを教える。
『わかったわ、私もそれくらい作れるようになるから!アメリカまで来れる?』
「あぁ、パスポート取らないとな」
『なら1ヶ月後にこっちで会いましょ!』
「わかった、ありがとな!」
電話を終えると、パスポートを取るために必要な物をスマホで確認する。
「戸籍謄本なんているんだな。まぁ、さっさとパスポート取りに行くか」
今じゃコンビニで戸籍なんかはとれるからな。
あと車でも買いたいな、足がないのは不便だな。
「今までミライ達がいたからな」
順調にことは進んでいき、俺はアメリカまで行くことが決まった。
テンとネオもはじめて返してみたが、召喚された同士繋がりがあるみたいでテンがネオを探して一緒に行動しているらしい。
またアメリカに着いたら召喚する予定だ。
「少しは勉強しましたか?」
「あはは、してないからそのつもりでお願いするよ」
「分かりました」
と如月ともう飛行機に乗っている。
「さぁ、アメリカだな」
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