96 / 170
遠征
しおりを挟む「錬金術師はどうなっている?」
ある男が尋ねる。
「はい、S級のグロモボーイが行ったので確実かと」
「そうか、日本とアメリカに一人づついる錬金術師…まずは日本の錬金術師は殺す他ないだろう。それとこちらの『覚醒のモノリス』ではどうだ?」
「まだ錬金術師は出ていません」
「年寄りも全て触らせろ!必ず錬金術師を出すんだ!」
「はい!」
そう言うと男は部屋から出ていく。
残った男は窓を見る。
「アーシャ…」
♢♦︎♢
「本当に行くのか?」
「当たり前でしょ?」
「もうチケット予約した」
とカレンとアーシャが言う。
「はぁ。行くなら北海道がよかったな」
「なんでよ!暑い中暑いところに行くでしょ!」
「寒いところはなれてるから」
とアーシャがじゃらんの九州を持っている。
そう、遠征にいくというのだ。
「みんなで行ってきたらいい」
「だめ!ヤトもいくの!」
「場所は?」
「鹿児島よ!」
鹿児島だとサツマイモ?桜島?
「黒豚のトンカツ食べるんだから!」
「あぁ、黒豚ね」
「あと鹿児島ラーメン」
「へぇ、ラーメンねぇ」
「とりあえずいくから明後日だからね!」
といってヤトベースからでていく二人。
「はぁ、如月に言わないとな」
「私達はここに残りますから!お土産お願いしますね」
「ん?ミライとメグミは来ないのか?」
「店を閉めるのは嫌ですからね!」
「私達一応店員ですよ?」
「そうか。ならポーション系をたんまり作っておかないとな!」
「はい!」
テンに協力してもらいながらポーションをつくる。
『もう入らにゃいにゃ!』
とテンがポーション部屋を指差す。
「いつ帰るかわからないからメグミに収納してもらうんだよ」
『はぁ、でも久しぶりのダンジョンにゃね!』
「だな、テン達の世界にもあるのか?」
「ありますよ?ダンジョン」
『冒険者もいるにゃ』
「へぇ、ランクもありそうだな」
「SからFまでありますよ」
とネオが言う。
なら一緒だな。
『まぁ。ギルドもあるしこっちと一緒だにゃ』
「そっか、テンは冒険者だったのか?」
『ニャーは炭鉱夫だったにゃ!最初に言ったにゃ』
そうだったな。一杯やるところで召喚したんだった。
「悪い悪い、思い出したよ」
『本当にもう、忘れないでほしいにゃ!』
と喋りながらポーションの在庫は溜まっていく。
「お待たせしました如月です」
「おう!悪いな」
「なにやら旅行に行くみたいな」
「そうだな、九州に行くんだよ。ミライ達はいるしポーションは作っていくから問題はないと思うけどな」
「そうですか、ありがとうございます」
「おう!土産買って来るからな!」
「はい!」
と如月にも話はしたから大丈夫か。
「飛行機だぁ!」
「はしゃぐなカエデ!」
「グフフ、だって久しぶりに乗るからね」
とはしゃいでるカエデ、シオンはあまり得意じゃないようで、
「なんで新幹線にしなかったのよ!」
「時間かかるでしょ!」
とぐうの音も出ない反撃を喰らって黙る。
いくのは俺とカエデ、シオン、カレン、アーシャ、モクレン、ゼロだ。
「よく休み取れたな」
「あはは。店長に行って来いって言われましたよ」
そうか、日本のいいところがわかればいいけどな。
全員で飛行機に乗って目指すわ鹿児島空港。
機内は至って普通でシオンが怖がっていたりしたが何とか無事に鹿児島に着いた。
駅までタクシーで行って、今回の目的地、薩摩川内市にいく。
薩摩川内市は原発があった場所で今じゃ使われていない。
魔石エネルギーがあるからな。
『ニャーは知らにゃいにゃ!』
「私もです!」
と言うのも着いたから召喚するとなんか一緒についてきたな。
「ほー、ここがにほんというところかや!でご主人様と」
とこちらを見るのは、ほとんど下着姿の羽の生えたツインテールの女の子?中学生くらいか?
「と、とりあえず着替えよっか!カレン!」
「はいはい。私の服貸したげるからちょっとこっちにきなさい」
「ん?我はこれでいいが?」
「こっちがダメなの!っとにもう」
とテントの中に入り着替えて出て来る。
ピンクの髪色に八重歯が光る。
「ちなみになに?」
『魔王にゃ』
「は?」
「だから魔王様です」
「…魔力は大丈夫なのか?」
ーーー
河地夜人 32歳3ヶ月
HP 15560/15560
MP 3870/21080
ーーー
「おいおい、俺のMPがだいぶなくなっているが?」
「我を召喚できるとは大したもんじゃ!」
『いや、ついてきたのにゃ!』
「そうですよ!私達のご主人様です!」
「我もおねがいしますのじゃ!何でもするから!」
と懇願される。
「まぁ、MPが大丈夫なら平気だろ?」
『にゃー!やっぱりヤトならそう言うとおもったにゃ』
「ダメですよ!魔王様は魔王城に帰ってください!」
「嫌なのじゃ!こっちにいるのじゃ!」
と揉めていてもしょうがないのでとりあえずホテルにチェックインしてから駅前のラーメン屋でラーメンを食べる。
「うめぇな!」
「でしょ!ガイドにも書いてあったし!」
ただイントネーションがひどいな。言葉が大体しかわからない。
「うまいのじゃ!おかわり」
『ニャーは知らないにゃ』
「おかわりしてもいいかのぉ?」
「好きなだけ食べればいいぞ?」
「やったのじゃ!ご主人大好きなのじゃ」
と旅の友が増えてしまったな。
235
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる