ガチャから始まる錬金ライフ

夏

　あれから1ヶ月、梅雨明けして暑い日が続いている。

　如月は相変わらずどこから持ってくるのかスクラップを大量に持ってきてくれる。
　大体が鉄なので、鍛治職の作ったものかもな。

「あぢーなー」
『あづいにゃー』
「何かないのか？」
「アイスでも買いに行くか？」
『にゃ！いくにゃ！』
　アイスを買いに召喚した3人を連れ、四人で行く。
　アスファルトが焼けて熱いのでテンは肩に乗っているがそれも暑い。
　夏の暑さは今年も厳しそうだ。

　スーパーに入ると空気が違う。

「うひょー！涼しいのじゃ！」
「ですね！ここは涼しいですねー！」
「うん、大型のエアコンを買おう！」
「その前にアイスじゃ！」
　アイスを選んでカゴに入れていく。
　山盛りのアイスを買って食いながら帰る。
　他はインベントリの中だから溶けることはない。
「あまーい、冷たーい！おいしーい！」
『ニャー！ミルク味こそ至高なりにゃ』
「ソーダも美味しいですよ？」
「俺はミルク金時だな。久しぶりに食うと美味いなぁ」
　と途中電気屋に寄って工場のエアコンのことを話する。ある程度密封性はあるからエアコンがあれば効くだろう。

　と言うことでエアコンをいれるのは確実なんでお願いしておく。
　各部屋にはエアコンが入っているためヤトベース側の話だな。

　アイスを持ち帰ってミライ達を呼ぶ。
「アイスですね！」
「やったー！暑いですからね」
「エアコンの話もしてきたからそのうち工事が始まるぞ？」
「やった！エアコン入るんですね！」
「このままだと溶けちゃいますからね」
　武器や防具も熱を持って熱くなる。
　まぁ、オリハルコン製だとかは熱くならないみたいで一部の鋼鉄で作られたような武器はあっついけどな！

　いっそのこと全部オリハルコンにしてしまおうかな？と考えるくらいだ。

　部屋に戻ってクーラーをガンガンに回してビールを飲む。
「クッハァー」
『ニャーも！』
　といって、冷蔵庫から出してクッハァーしている。

　今日は午後から休みにした。
　まぁ、毎日誰がくるとかはないし、半分遊びのようなものだ。

　ロシアも大人しくなったみたいだし、今の季節なら顔を出しに行ってもいいかな？

「よし！ロシアに行ってみようか！」
『ニャ？突然どうしたにゃ？』
「いや、俺ばっかり狙われて腹たってんだよね、大統領だっけ？狙いに行こうかな？」
『ニャーは賛成しないにゃ、波風立てると大きくなるにゃ』
　まぁ、テンの言うとおりだな。大人しくしてよう。

「あのあとマリアはどうしたのかな？」
『ニャーは知らないにゃ？まぁ、死んでることはないにゃ』
「まぁ、そうだけどな」
　マリアももっと普通になればいいのにな。
　まぁ、ロシアが悪いのは確かだ。

「よし、このままここで錬金していこうかな」
『ニャ！錬金する場所があるのにかにゃ？』
「だって暑いし」
『まぁそだにゃ』
　とテンの了承も得たところで、覚醒のモノリスを作っていく。
　流石に並べられないので作ってはインベントリに入れている。
　200個も作ると夜になっていた。

「はぁ、疲れたな」
『お疲れにゃ！ビールにゃ』
　と差し出されるビールを飲むと少しだけ元気が出る。

「よし、たまには二人で居酒屋にでも行くか？」
「いいにゃ！行くにゃ」
　と二人で着替えて歩いていく。

　最初は店の人もビックリしてたが、途中から慣れたようで楽しく飲んで笑っていた。
「へぇ悪魔なのか！」
『悪魔族にゃ！本当の悪魔は冥界にいるにゃ』
「ほぇー、初めて聞いたな」
『まぁ、言うことじゃないしにゃ？」
　とテンのこともよく知れたし、
「エルフはエルフ族なのか？」
『にゃ！知らない人間に初めてあったにゃ』
「いや、ふつうしらないから！」
『エルフはエルフ族、ドワーフはドワーフ族なのにゃ』
「へぇ、魔王は？」
『ツクヨは魔人族なのにゃ』
　あっちは色々いるんだな。

「さて200個の覚醒のモノリスだ。またネットオークションだな」
『にゃ？またアメリカかにゃ？』
「そうだな。またアメリカに行くことになるかもな」
『ニャー、日本じゃ無理なのかにゃ？』
「多分総理が出てくるな。出荷出来ないと思う」
『本当凝りないにゃ』
「だろ？」
　とくだらない話に花を咲かす。

「さて帰るか」
『にゃ！帰るにゃ』
　お会計をして外に出ると夏特有のムワッとした空気だな。
　汗が滲み出てくるが酔って気持ちよく帰る。
　夜空を見るとどこかで花火が上がっていた。
『にゃ！にゃんにゃ？』
　テンの尻尾は膨れ上がっている。
「花火だよ。あーやって日本は夏の風物詩にしてるんだ」
『そ、そうかにゃ！こ、怖くなんかないにゃ』
　その割には尻尾がピーンとなっているが、
「まあ。夏だなぁ」
『あ、暑いにゃ！帰るにゃ！』
　と急かすテンを無視してゆっくり帰る。
　こんな日が続けばいいがな。

　家に帰るとまた部屋をクーラーでガンガンに冷やしてビールを飲む！

　さすがに暑さで酔いは覚めてしまったな。

　テレビでも花火をやってるからそれにもビックリしたテンはチャンネルを変える。

　どんだけ怖いんだよ。