ガチャから始まる錬金ライフ

あに

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レベル上限上昇薬

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 ガーナに話を聞くためにヤトベースに降りると、
「あれ?『黄金騎士』じゃないか」
 そこにはS級パーティーの『黄金騎士』が普段着でいた。
「もうできたか?新しいクロスは?」
「あ…忘れてたよ」
「なんだよー!忘れないでくれよー!」
「悪いな、結構忙しかったんだ」
「あぁ、大暴走もあったしな。ここは大丈夫だったんだろ?」
「まぁな」
 あの時は辛かったなぁ。

「そうだな、北海道も酷かったか?」
「まあな、なんとかなって良かったがな」
 あの時の魔王はツクヨ達と倒したし、ダンジョンリングも持ってるしな!

「で?いまのアーマーじゃダメなのか?」
「いや、予備が欲しい!今度は飾れる予備がいいな!」
「漫画の見過ぎだろ?そんなの作れる気がしないよ」
「設計図も書いてもらったんだ!これでいいだろ?」
 設計図を見るとやはりあの漫画だな。
「この通り作るぞ?いいんだな?」
「やった!ありがとう!」
 ヤトベースに入るとストーブの前にミライとメグミとガーナがいた。
「あ、ヤトさん。あったかいですよ?」
「みかんが美味しいねぇ」
 と和んでいる。

「『黄金騎士』のみんなは一旦帰ってくれるか?この通り作っておくから」
「わかった!よろしく頼む!」
 とタクシーに乗って帰って行った。

「ガーナ、ちょっといいか?」
「はいよ、なんだい?」
「レベルを上げるのに限界突破薬を使ったんだが」
「は?レベル上限上昇薬じゃなくてかい?だから仙人クラスに上がったのかい」
 ガーナが言うにはあれは人間の限界を突破するから普通は使わないらしい。

「またやっちまったな」
「レベル上限上昇薬ならあげた本に書いてあるだろ?」
「見てなかった。はぁ、まぁしょうがないか」
 人間辞めたことは諦めよう。

 諦めて魔法鍛治で『黄金騎士』が置いてった設計図通りに作っていくが、フィットの魔法は必ずいるなぁ。あとは消音と防寒か。

 オリハルコンも作りながらだから時間はかかったがなんとかできた5体をみると、箱も作らなきゃならない気がするがそれはいいだろ。
 あいつらは第七感でも目覚めたのか?

 『黄金騎士』の金丸に連絡して取りに来させる。
 と、レベル上限上昇薬も作っておくか。
・レベル上限上昇薬…レーベの葉×2+紫貨+新聖水
 とまぁ、今のS級冒険者分を作って置く。

「で、できたのか!ふおぉぉぉぉぉ!!」
「あのな、これ結構ガバガバな設計図だぞ?」
「わ、わたしのクロス!」
「俺のユニコォォォン!!」
 と話を聞いてないな。
 みんなスマホを構えて撮っているが、
「支払いよろしくな!」
「あぁ!如月を呼んであるから!」
「ん?」
 あ、いた?
 黄金鎧をスマホで舐めるように撮っている。
「い、いやぁ、童心に帰りますね」
「お前の店にも置くか?」
「いいんですか?!」
「いや、やめておこう。これは『黄金騎士』のものだしな」
「…ですね」
 喜んでいるみんなから金を受け取ると。
「みんなレベルを教えてくれるか?」
「ん?99だが?」
「やっぱりな、これやるから飲んでみな」
「なんだこれ?錠剤?」
「まぁいいからと飲めよ」
 と飲ませると。
「ん?おぉ、なんか体が軽いぞ!」
「あ!レベルが100超えてる!」
 とみんな溜まった経験値でレベルが上がったらしい。

・金丸 Lv115
・七沢 Lv118
・山岡 Lv120
・池沼 Lv111
・窪地 Lv112
 となったみたいだ。

「また上がらなくなったらきてくれよな」
「わかった!この薬の値段は?」
「いいよ、お試しだったからな」
「俺らで試すなよ!?」
「あはは、レベルが上がったんだいいじゃないか!」
 と戯れていると、ガーナがやってくると、
「レベル上限上昇薬は一回だよ?それ以上飲んでも効きゃしない」
「え、そうなのか。だってさ、レベルが止まったらそこが上限だな」
 残念だったな。
「分かったよ」
 と収納の腕輪に鎧を入れると、
「いい買い物ができたよ!」
「本当にもう作んないからな?」
「また作ってくれよ!んじゃ」
 と帰って行った。
『にゃんだか、テンも欲しくなって来たにゃ』
「変なのに影響されるなよ?」
『テンにゃら、猫型のクロス…」
「作らないっての!」

 ほんとに悪影響だな。

 翌日、如月に言って他のS級パーティーにもレベル上限上昇薬を送ってもらった。
 もちろんカレン達にもやってある。
 人のレベルは何故99なのだろうか?

 魔人…ツクヨ達はたぶんまだ高いと思う。

 それが何を基準に作られたのかわからないが、神の知る所…錬金術は神を超えるか。

『ニャーに考えテンにゃ?』
「べつに、テンも悩みくらいあるだろ?」
『うーん、今日のおやつはカツオにするかササミにするかにゃ?』
「そうだな、そう言うことだ」

 ヤトベースの椅子に座ってコーヒーを飲む。
 ガーナがやって来てコーヒーを淹れてやる。
「なんだい?何か言いたそうだねぇ?」
「仙人クラスのレベル上限は?」
「あはは、わからないねぇ」
「わからない?」
「私のレベルは239さね、そこから上がるかもしれないしねぇ」
「…そうか、人間辞めてんな?」
「そうさねぇ、死ぬ時は死ぬけど生きたいだけ生きればいいさね」
 コーヒーを一口飲んで、
「そうだな」
 限界突破薬を飲んでしまったものは仕方がないか。
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