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レアル2
しおりを挟む「やっ!はぁ!」
ホブゴブリンが斬り裂かれ魔石を残して消える。
「だいぶ様になってきたな!」
「はい!ようやくクルセイダーになりましたし、もう50階層ですからね」
俺たちはレアルのレベル上げにダンジョンの52階層にいた。
レアルはやはり戦い慣れてきたのか余裕があるな。
「配信も順調にだし、セーフティーゾーンで休もうか」
「はい!では探しますね」
『ニャーも探すにゃ』
テンも俺も裏方に回っているが、戦闘に参加はしている。
テンは催眠をかけたり槍で突撃したり、俺は魔法で援護している。
まぁ、テンとレアルがメインで戦っているから俺は出ていかないしカメラを持っているからな。
いまはそこらの雑魚はレベル上げ、魔石補充にちょうどいい。
「ヤト様、セーフティーゾーンです」
「おし、マジックテントを出して夜営の準備だな」
「はい!」
マジックテントなども渡してあるのでその様子をカメラに映す。
レアルの人気はそれなりに高い。
まぁ、順調に同じ装備のやつがそこらじゅうにいるからな。
『プライド』のいまの初心者装備の売れ筋だな。
マジックテントが設置されると中を案内して一時中断。
「さて飯でも食うか」
「はい!」
『ニャーも腹減ったにゃ』
出来合いの物で飯を済ませる。
レアルのインベントリにも沢山の物資が入っている。魔力で動いている為食べなくても平気だが、何かの時のために入れてあるし、レアルにも美味しいを分かってもらう。
『はぁ、満腹にゃ」
「はい!美味しかったです」
「そうか、それは良かった」
夜はまったりして朝からまたダンジョンの攻略だ。
「レアル!右!」
「はい!らぁぁ!」
『ニャー!』
ガイアウルフの群れにあたり、魔法で蹴散らすが避けた魔物はレアルとテンが処理する。
どうやらテンとの連携で倒せているようだが、まだまだだな。
「ちょっと休憩するか?」
「はい、まだまだですね」
『ニャーも疲れたにゃ』
肩に乗ってくるテン。
休憩しているとガイアウルフがまた出てきた。
「くっ!今度こそ!」
「俺がやるよ、休んでろ」
「は、はい」
俺は氷魔法のアイスニードルを飛ばしてガイアウルフ達を倒す。
「レアルも魔法を覚えるか?」
「ま、まだ、剣術で頑張ってみたいです!」
「そうか、なら頑張れよ」
少しずつ自我が芽生えているようで嬉しく思う。
60階層のボスを倒して10階層に戻ると、レアルと同じ装備の冒険者がこちらを向いて声をかけてくる。
「あ、あの!レアルさんですよね!俺、レアルさんのおかげで冒険者になりました!」
それはレアルのおかげなのか?
「私達も!」
冒険者が多くなることはいいことだが、なんだかなぁ。
「今日の配信も楽しみにしてます!」
と言って去っていったところを見ると礼儀はしっかりしてるみたいだ。
ギルドに戻り、着替えて外に出る。
「たまにはガーナも連れて外食するか?」
『やったにゃ!居酒屋にゃ』
「やった!お店はどうしますか?」
「レアルの好きな店でいいぞ?」
「はい!じゃあ探しますね!」
とスマホで探している。
「ここなんてどうでしょうか?」
「ん?じゃあ予約とってくれるか?とりあえず4人で増えるかもしれないって言っておいてくれ」
「はい!」
と言って予約してもらい、ヤトベースに帰ると、
「居酒屋に行くけどいくか?」
「「いきまーす!」」
とミライとメグミ、早速追加2名だな。
とりあえずレアルの動画を編集してくれるミライが終わるまで待って、居酒屋にも追加の予約をする。
「よし!できました。アップしますね」
「おう、よろしく頼む」
動画をアップしてもらいタクシーで居酒屋に行く。
そこまで混んでおらず、座敷で乾杯する。
「それにしてもレアルは人気ですね」
「だな、評判よさそうだよな」
「いえ、あれはヤト様が動画を撮ってくれるので」
「あはは、謙遜するなよ。ちゃんと撮りやすい速さで動いてるじゃないか」
レアルだったらもっと早く動けるはずだからな。
「えへへ、バレてましたか」
「そりゃな」
「防具も剣も人気ですよね、ミスリルソードは高くて買えない人でも鋼鉄製が出てるのはいいですね」
ミライはよく分かってるな。
「まぁ、如月からの注文だからな」
如月がまだ作ってくれと頼みにくるほどに売れているみたいだし、レアルは人気者だからな。
座敷で飲んでいると、レアルがいると分かった店員が色紙を持ってきた。レアルはサインなんかないから『レアル』と書いて渡していた。
「あ、ありがとうございます!ダンジョン頑張って下さい!」
店員はそれから一品持ってきて、お礼らしいのでお礼を言ってみんなで食べる。
「こんなこともあるんだな」
「まぁ、レアルですしね」
『ニャーも有名になりたいにゃ』
テンは動画に出てるから有名だと思うけど、その辺はどうなんだろう?
「テンちゃんはもうちょっと遅く動かないと黒いのが飛んでるくらいしかわからないよ?」
『ニャー!そ、そうだったのかにゃ』
まあ落ち込んでいる相棒にビールを渡して慰める。
『今度からニャーも少し遅くやるにゃね』
「だが、もう60階層だぞ?本気出してないと無理だろ?」
『ニャー、それはそうかも』
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