ガチャから始まる錬金ライフ

ジム

　如月が同棲する女の子と一緒に引っ越してきた。場所は802とガーナのお隣だ。
「は、初めまして！斉藤はじめといいます」
「お、じゃあ如月はじめになる人だね」
　顔を真っ赤にしながら俯く。
「河地様、あまりはじめを困らせないでください」
「悪い悪い。で？部屋の方は片付いたのか？」
「まだですね。とりあえず挨拶に来たんで」
「私はアーシャ、よろしくはじめ」
「よ、よろしくお願いします」
　とアーシャも友達になれるといいがな。
　如月達は片付けがあると部屋に帰ってしまったので俺はアーシャを置いて新ヤトベースに向かう。

　ヤトベースで特製練金釜を置いてある場所に向かうと、椅子に座り老化薬を探してみる。
　……やはりないようだな。
　じゃあ、やはり変装薬しかないようだな。
　変装薬…自分の好きなように顔を変える。
　これで少しづつ歳をとることにした。
　変装薬を大量に作ってインベントリにいれる。

　アーシャと共に歳をとって行こう。

　ガーナがやってきたがやはり老化は出来ないようで痒いところに手が届かない。
　錬金術ならなんでも出来ると思ったが、そうは行かないようだ。

　不老とはどれくらいまで持つのかな？

　まぁいい、とりあえず昨日気になったツクヨのところに行くか。

『転移』

「あ！ヤト！！」
「よう、ツクヨは元気そうだな」
「そんなことないのじゃ！ようやくエルフの森の街とドワーフの岩の街ができたところじゃ！」
「そうか、これで交流ができるならいいじゃないか？」
「そうじゃが、行商人があまりおらんからのぅ」
「増やすだけだろ？できるだろうに」
　行商人のジョブだってあるんだ。エルフやドワーフだってとってるはずだ。

「エルフのとる蜜や獲物、ドワーフの作る武器や防具なんかは値が張るから、行商人も困っておってな」
「ギルドを作ればいいだろ？人間の真似をすればいい」
「ほ、お、おぉ！そうじゃな！ギルドを通して物を納品させればいいか！」
「高く売りたいのはわかるが、値段を決めてしまえばいいだけだ」
　ギルドだってそうやって回しているのだからな。

　あまり安くは出来ないが高すぎるのは無理だ。ギルドで依頼にしてしまえばその金で満足するだろう。

　あとは値段を決めて行く作業だがな。

　早速、ギルドを作り主流となっているものの値段を決めて行く。
　エルフとドワーフ、あとツクヨが会議室で会議をしている。
　冒険者が納得するくらいの値段だ、どんどん決まって行くな。

　やはり特殊なものは高くなるが、平均していけばそれなりの値段で落ち着く。

　あとは行商人がやって行くだろ。

「ありがとうなのじゃ、ヤトが来て良かった」
「まぁ、色々決まってよかったな！」
「あとは、ほら、例のアレを」
「ん？アレ？」
「……菓子じゃ！我は菓子を所望する！」
「はいはい、買ってきたから喚くな」
　と菓子を出してやるとネオもきて奪い合いになっている。

「ツクヨ様は取りすぎですよ！」
「全部我のじゃ！」
「ダーメーでーす！！」
　ネオも秘書が板についてきたな。

「んじゃまたな！」
「あ、おい！」
「ヤト様ぁ！！」
　叫ぶツクヨとネオを置いて『転移』する。

「やぁ、ハク、こっちは変わりないか？」
「ヤトか、変わりない」
「そうか、庭に蟠桃の種を蒔いていいか？」
「お前の家でもある。好きにしろ」
　ということで庭に蟠桃の種を植える。
「よし、これで育ってくれればいいがな」
　クナイとシロナにも声をかけて、水をやってもらえるようにする。
「じゃあな！また来るよ」
「いつでも来な。土産もな」
「あはは、そうだな、食い物はこれしかないが置いて行くよ」
　とガチャ産の肉を置いて行く。
「言ってみるもんだね。クナイ、シロナ、保管しときな」
「「はーい」」
「今度こそじゃあな！」
　ヤトベースに戻ると、テンがカフェオレを飲んで寛いでいた。

『行くならニャーも連れてくにゃ！』
「悪いな、少しの用事だったからな」
『まぁいいにゃ、これからもあるにゃからにゃーも行くにゃ』
「おう、相棒だからな」
　そういうと機嫌が良くなる。
『ま、まぁ、今回は許してやるにゃ』

エレベーターが開くと、如月がやってきた。
「河地様、今後はここから持って行くんですね？」
「あぁ、新ヤトベースだからな」
「流石にこれだけ厳重なら物取りも諦めるでしょうね」
「だろ？1階の車庫はどうだ？」
「広すぎますね、1階丸々駐車場ですからね」
　まだ線も引いてない駐車場だからな。

「また、3階は何に使う予定ですか？」
「まだ決めていないな。錬金術もここで事足りるからなぁ」
「じゃあ、スポーツジムなんかどうですか？やっぱり体動かさないと…私もジムに通ってましたし」
「ジムか……まぁ、良いだろ。必要な道具を買ってきてくれるか？」
「まかせてください！はじめはジムトレーナーでしたから喜びます！」
「ハハッ、嫁のためか。まぁ、いいじゃないか！」
「ありがとうございます」
　と言って如月は帰って行った。
　アーシャも体が鈍るからジムに通えばいいな。

　これで3階も埋まったな。