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子供達
しおりを挟む数ヶ月後、いつも通りの朝だが。違う事が一つ。
アーシャが妊娠したのだ。
家族が増えるのは感慨深い。
「ヤト、いってらっしゃい」
「アーシャも気をつけてな?」
「分かってる」
と言って俺はエレベーターに乗ると、
『なんて名前つけるにゃ?テンがいいと思うにゃ』
「お前と一緒の名前をつけるわけないだろ」
8階で如月が乗ってくる。
「お互い大変だなぁ」
「そうですか?もう可愛くって仕方ありませんよ?」
如月もはじめと子供ができた。
出来たから結婚を急いでしたのだ、結婚式は盛大に行われた。
「如月はもう安定期だろ?」
「ですね、うちはあとははじめが頑張ってくれるだけです」
「俺んとこはまだ安定期に入ってないからな」
如月のほうが早く出来ちゃったからな。
「不安ですねー」
「不安だよ……本当に」
「青蘭様のところももうすぐじゃないですか?」
「あぁ、一番早かったからな」
城間夫妻、青蘭達とも子供ができた時期が被っている。
それから数ヶ月後、無事に男の子が産まれた。
ハーフだからか可愛くて仕方ない。
いや、そんなのは関係ない。
やはり我が子が一番可愛いな!
「夜叉!こっち向いてー」
と写真を撮る。
夜叉とは変な名前かもしれないが俺とアーシャの名をとっただけだ。
「どうです?うちの拓実は可愛いでしょ?」
如月がスマホを見せてくる。
「バカ言うな、俺の蘭真ちゃんが一番可愛いだろ?」
青蘭がスマホを見せてくるが、
「はぁ。親バカだなぁ。夜叉が一番に決まってるのに」
「「お前も親バカだ!!」」
俺たちがそんな話をしてる上の階ではジムで体を動かす3人の嫁。
ミライとメグミがその間子供達を見ている。
ミライとメグミも彼氏と住み出したしそろそろ結婚か?
カレンやシオンも最近こっちに越してきた。
ようやく踏ん切りがついたというので、ここの部屋が空いていると聞いて越してきた。
やはり3LDKの部屋は快適らしい。
「だぁ」
『にゃ!ダメにゃ!尻尾は』
「キャッキャ!」
『そこに絵を描いたらダメにゃ』
「だぅ」
『拓実は偉いにゃー』
「「ダァ」」
『にゃぶ!!?』
とテンも育児にてんてこ舞いだ。
この子達が若くして死ぬことはないと思うが、人生何があるかわからないからな。
きちんと見守っていこう。
俺は変装薬を飲んでどんどん老けて行くようにしているからカレンなんかは知っているが、如月や青蘭なんかにはバレてないだろう。
時は流れ夜叉達も中学を卒業、3人ともジョブを持った。
夜叉は剣士、拓実は槍師、蘭真は回復術師だ。
「お父さん、俺、冒険者になるよ!」
「……辛い道のりだぞ?」
「拓実達と一緒に、お父さん達みたいなS級を目指すんだ!」
「そうか、夜叉もそんな歳か……じゃあ、このバッグをやろう」
「いいの!?父さんのバッグでしょ?」
「その代わりダンジョンで死ぬなよ?」
とマジックバッグを渡す。
中にはポーション類が入っている。
「ありがとう!拓実と蘭真も一緒だから平気さ」
「武器と防具は最初だけ貸してやるからあとは自分たちでなんとかしなさい」
「ありがとう!」
普通の子として育てた。
そしてダンジョンのあるこの世界で冒険者と言う道を選んだんだ、なら応援してやらないとな。
それは如月や青蘭も一緒だ。
こんな世界だから強くなりたいと言われ、NOと言えなかった。
俺たちの世代は終わって夜叉達の世代に移り変わって行く。
それは寂しいことで、嬉しいことでもある。
だがまだ子供……気になる俺たちは少しでも生きて帰って来れるようにするために冒険者として教育した。
「ほら。モンスターは待ってくれないぞ!」
「はい!」
俺と青蘭は引退したがまだ動けるからな!
如月は『プライド』をネットショップにして新ヤトベースから発送している。
実質『プライド』は残っているが店舗はない状態だ。
「レベルはどうだ?」
「いま15です」
「私達も一緒です」
「なら10階層のボスを倒してきなさい」
「「「はい!」」」
過保護だがモクレンに頼んで見てもらった、
結果は良好、最初は否定していた如月の奥さん。はじめもようやく納得したようだ。
また、カレンやシオンにも伴侶ができて現在妊娠中だ。
ゼロとシオンがくっつくとは思ってなかったがな。
カレンのお相手は荒木だ。
カレンの年上好きは本当に困ったもんだな。
さて、日本に2人目の錬金術師が誕生した。
さっそく総理や上の官僚どもが囲ってポーションを作らせているようだが今回の錬金術師は何も言ってこないみたいだな。
まぁ、アメリカにエマがいるのでレシピは渡さないけどな。
いまは楽しくマンションの管理人+錬金術師としてゆっくり過ごしている。
アーシャとも一緒にいる時間が増えてるしな。
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