ガチャから始まる錬金ライフ

あに

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白夜叉

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 ♢♦︎♢
「おい、白夜叉!ポーションもうちょっと安くならないのか?」
 同じA級の知り合いが言ってくる。
「なるわけないだろ?今でも低級ポーションの転売をされてるんだから」
 夜叉は俺の名前だ、俺は母さんの血を受け継いだこの銀髪で、白夜叉と言われている。
 もちろん父さんの血も入っているから性格に出てるんだろうな。

 白夜叉と言われることに抵抗は無い。

 父さんに作ってもらったこの刀で今はダンジョンを攻略して出て来たところだ。
「いいよなぁ、ポーション使いたい放題じゃ無いか?」
「なんだと!俺はちゃんと金払って買ってるんだ!親父はそこまで優しく無い!」
 いや、優しいからこそポーションの大事さを分からせてくれてるんだ。

「チッ!行くぞ!白夜叉、親父に聞いとけよ!」
「じゃあな、白夜叉」
「クソッ!」
「夜叉、気にするな」
「そうよ、叔父さんのこと言われて怒るのもわかるけど」
「あいつら、そのうち潰す」
「勝手に潰れるさ」
「そうそう、だから帰ろう!」
 と拓実と蘭真に言われてギルドにほうこくしてから家に帰る。

「おっ!ちゃんと帰ってこれたな!」
「ただいま」
 父さんが喜び、ビールを開けている。
「おかえりなさい。お風呂沸いてるからね」
 母さんが風呂へと促す。
『夜叉にゃ!お土産は?』
「ほい、あんこ餅だ」
『やったにゃ!愛してるにゃ』
 と父さんの召喚獣のテンが喜ぶ。

 俺はこの空間が好きだ。
「ごはんよー」
「はい!今行くー」
 母さんから呼ばれて行くと、テンと父さんはもう酒盛りを始めていた。
「早く座れ、じゃ無いと母さんの手料理が食べられないじゃ無いか!」
『そうにゃ!』
「はいはい、分かったよ」
 いつもの光景でホッとする。

 俺もビールをもらい父さんとテンの飲みに付き合う。
「ってことがあったんだよ」
『ニャハハハハ、人間は強欲だにゃぁ』
「そいつらも金がないのか?」
「あるはずだけど」
「なら無視しろ。人間使うところに使えなかったら死ぬだけだからな」
「分かった」
 父さんの言うことは正しい。
 使えないのなら死んでしまっても文句は言えないからな。

「スッキリしたから寝るわ」
「おう!おやすみ」
『おやすみにゃ』
  
 翌日もまたあいつらだ。
「よぉ、白夜叉!親父には言ったのか?」
「それ以上言うなら斬る」
「は、え、そ、それはないだろ?安く仕入れてくれって言っただけだろ?」
「材料と錬金料も払えないやつに売るポーションはない!」
「は、お前も守銭奴なんだな!」
「斬る!」
「辞めなさい!あんたらもしつこいよ?私が相手になってやってもいいけど?」
「俺も仲間に入れてくれ」
 拓実と蘭真が仲裁に入ってくれる。
 じゃなきゃ斬っているところだ。

「わ、わかったよ!もう頼まねえ!」
「け!頼むんじゃなかったな!」
 と悪口を言いながら帰って行く。
 本当に斬ってやろうか?

「馬鹿!ギルドで揉め事起こしてどうするの!」
「そうだぞ?俺たちももうすぐS級になるんだからな?」
 と言う二人に謝りながらギルドに昨日の報告をして、あと一つダンジョンを攻略すればS級だ。

「これでようやく父さん達に追いつけるな!」
「「うん!」」
 俺たちはダンジョンに来ていて、これからダンジョンに潜って攻略する。

 25階層、マジックテントで休憩してもう一踏ん張り。
「左4!くるぞ!」
「だぁ!マジックナイトかよ!」
「任せて、『ブリザード!』」

 蘭真の氷魔法でマジックナイトナイトの動きが遅くなるので俺と拓実でトドメを刺す。
「やった!やっぱり夜叉のお父さんにもらったスキルボールは強いね!」
「いいなぁ。誕生日に貰ったんだろ?」
「ずりぃって、回復魔法も使えて、強力な攻撃魔法まで!」
 氷魔法は父さんが蘭真が攻撃手段を持ってないからあげたようだが、いいのをあげすぎだ!

 それから二日後、どうにか最下層に来ていたが、相手はドラゴンだった。
「『ブリザード』!」
「おらっ!『千空斬』!」
「『真空乱破』」
 こちらもジリ貧だが、ポーションがあるので長期戦ではこちらが有利だ。
「ブレスくるわよ!!」
「「おう!」」
 ブレスを避けまた攻撃を再開する。

“ドドォン”
 とようやく倒したドラゴンはドロップに変わる。
 肉と魔石と聖槍ドラグニルだ。
 宝箱には最上級ポーションが五つにスキルボールが一つ。

 槍は拓実が使うことになり、スキルボールは父さんに鑑定してもらう。

 なんとかギルドに報告してS級冒険者になると、沸々と湧き上がるこの感情は達成感だな!

 3人ともマンションに直行して親に報告する!
 今夜は焼肉をしてくれるそうだ。

「3人のS級昇格に乾杯!」
「「「「カンパーイ」」」」
「やはり俺の蘭真ちゃんが活躍したんだろ?」
「ばかですね、拓実の槍がいい仕事をしたんですよ」
「如月?言うようになったなぁ?」
「息子のためですからね!」
 と険悪なムードになるが、すぐに二人とも笑って肩を組み飲み出す。

「3人とも頑張ったな」
「父さん、これを鑑定してくれないか?」
「スキルボール……『鑑定』だな」
「うそっ!拓実よかったわね!」
「い、いいのか?俺が使っても?」
「いいに決まってるだろ?」
 拓実は親の仕事を継ぎたくて『鑑定』を探していた。

「お前たちも楽しめよ?」
「「「はい!」」」
 やっぱり父さんは俺らのことを分かってるな!
「飲むぞぉ!」
「当たり前でしょ!」
「竜の肉だぁ!」


 S級に上がった俺たちは敵なしの『白夜叉』と呼ばれる様になった。
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