合成師

盾乃あに

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ミスリル

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「「「カンパーイ」」」
 生が来たので再度乾杯して、話は覚醒の話になる。
「お前ら、覚醒はなんで分かったんだ?」
「俺は定期検診の時に必ず見てるからな」
 とマー坊はステータスを確認してたようだ。
「俺は夜中、コンビニの帰りにゴブリンに会ったんだよ」
「は?野良かよ!それで?」
「腹をどつかれたからムカついてビールの入った袋でぶん殴ったら、魔石残して消えたんだわ」
 2人は大笑いする。
「ハハッ、それでか、ステータス確認したら」
「ん、覚醒してた」
 2人は驚きと笑いが半々だ。
「野良でもゴブリンだろ?覚醒してなかったら死ぬぞ?」
「な、後で思ったけど、そん時は酔ってたからな」
 2人ともビールを飲み干すので、俺も飲み干しておかわりを頼む。

「マー坊はジョブはなんだ?闘士とか?」
「ぶー!剣士だ」
「へぇ、いいな!俺の店で武器買ってくれよ」
「あはは、今の剣がダメになったらな」
 おかわりが来たので口をつけると、
「そう言えばルカがミスリルの武器を売りに来たんだよ!」
「へぇ、ルカが?ミスリルかぁ、凄いな」
「何が凄いってステータスアップの付与付きだぞ?」
「マジか!ルカ!俺にも売ってくれ」
「ん?剣士だから片手剣?大剣?」
「両手持ちの剣だな」
「じゃあ、普通のソードか」
 まぁ、普通の両手剣ももう少しでミスリルには『合成』できるな。
「高いぞ?」
「どんなもんなんだ?」
 マー坊はツネに聞く。
「まぁ、あのレベルのミスリルソードだとウチじゃあ買値で4000万、売値だと6000万はするな」
「「は?」」
「お前の店ぼったくったのか?」
 あれから+2000万も高く売るのか?
「あ?普通の値段だ!安く買って高く売るのは店の常識だ。片手剣は需要があるから高く買ったし、片手斧は需要があまり無いから安かっただろ?」
「まぁな」
 そこはわかるが、まぁ2000万も安く買われるのはなぁ。

「言っとくけど、買ってから刻印、まぁ俺んとこのブランドが価値になる。キチンとした保証だよな?だから高く売れるんだよ」
「んー、まぁ、そう言われればそうだが、2000万も差が出るのか」
「高級ブランド『tortie』だからな」
 そうか、まぁそこは目を瞑るか。

「いやいや、お前らなんの話してんだ?ミスリルソードだよな?2000万あれば釣りが来るぞ?」
 マー坊はそう言うが、
「付与されてるのが桁違いなんだよ。力、素早さ、防御、知力、幸運が付いてるミスリルソードだぞ?」
「……そんなのあるのか?」
 ツネがスマホを操作してこちらに見せる。
「は?ミスリルの片手剣?……力+15、素早さ+15、防御+3、知力+6、幸運+6?……あ、ありえねぇ」

「だろ?それを平気で持って来るルカだ、特殊なジョブなんだろ?」
「まぁな、まぁもうすぐミスリルソードなら手に入るから、んー、4000万で売ってやるよ」
「マジか?くぅ、もう一声」
「友人価格で3500万だな」
「買う!そんだけついてるなら買う価値はあるな!」
 とマー坊は言う。
「まぁ、ここは聞かなかった事にするけど、うちの店長もミスリルソードなんかは欲しがってたな」
「まぁ、そのうちな」
 この話から、マー坊のパーティーの話に変わる。
「うちのメンバー、中々エグいぞ?」
「どうエグいんだ?」
「俺、魔法使いの19の女、タンクの45のオッサン、斥候の25の女、回復術師の22の女」
「は?お前とオッサン以外、年下の女の子か?」
「そう、肩身が狭くてな」
 へぇ、よくパーティーが組めたな。

「どうやってそんなパーティーが出来たんだ?」
 ツネは唐揚げを食いながらそう聞く。
「ネットだな。パーティー募集したら集まったのがそのメンバーだ」
「へぇ、ネットね。レベルは同じくらいなのか?」
「ほぼ同じかな?今は星3のダンジョンを攻略中だ」
 と言うマー坊、星3って言ったら結構レベルが上だな。

「ルカもどうだ?入るか?」
「俺はまだ星1ダンジョンだよ」
「「は?」」
 大声でハモるなや!
「初心者ダンジョンだよ、ソロだし安全だからな?」
「おま、それでミスリル?生産職か?」
「まぁ、そんなとこだ」
「ってことは、レア職だろ?ソロで星1」
「当たりだ。これ以上は言わないぞ?」
 これ以上詮索されてもな。
「クソッ!レア職なんていいなぁ!ずりぃよ」
 ずりぃと言われても初心者ダンジョンから先に進んでないし、荷物は重いし、結構疲れるんだぞ?

「2人が探索者になってるのに俺は固定給か」
「だけど副店長だろ?俺はクビになってから覚醒に気づいたからな?どん底から這い上がってこれたから良かったけど、そうじゃなかったら今頃、面接で飲みにもいけなかったんだぞ?」
 そう、無職だったんだな。
「クビ?お前正社員だったろ?」
「しょうがないだろ?不景気なんだから」
 まぁ、ダンジョンに潜る探索者には関係ない話だけどな。

「まぁ、3人とも無事に職があるんだから良かったな」
 マー坊がしみじみとそう言う。
「マー坊はいくら稼いでるんだ?俺はダンジョンだと最高15くらいだが」
「んー、普通に6で割って1割はパーティーの財産、んで俺の最高が300万かな」
「夢があっていいねぇ」
 と目が座り始めるツネ。
「探索者は消耗品も高いからそれなりだぞ?」
 と言うマー坊もいい感じに酔って、ツネはもう酔い潰れる寸前のようだな。
 しょうがないから帰る事にして、割り勘して店を出る。
 
「俺んとこに売りに来いよ?」
 とツネが言う。
「分かったよ、そんかし高く買えよ?」
「ハハッ、善処する」
「あはは、まぁ無理は言わないけどな」
「ルカ!ミスリルソード忘れてないからな?」
「おう、手に入ったら連絡する」
 と言ってツネとマー坊はタクシーで、俺は電車で帰る。

 久しぶりの友人との飲みは楽しいな。
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