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『帰還玉』
しおりを挟む派出所の2階に行き、この前の部屋でまたコーヒーを頼む。
「で?」
「いや、そんな機嫌悪くしないで下さい」
「そんな事より本題に入ってくれ。でないとダンジョンに行くが?」
「わ、分かりましたよ。この前のエクストラポーション、使わせて頂きました」
「ふーん、俺に関係ないだろ?」
「そ、それが、『氷剣姫』はご存じでしょうか?」
あぁ、復活したって、エクストラポーションを使ったのか。
「ニュースで見た」
「そうですか、両手の神経をやられて再起不能だったのですが回復して探索者に戻られました」
「ふぅ、それと何か関係あるのか?」
「エクストラポーションをまた売って欲しいのです」
「はぁ、在庫はそんなに無いぞ?」
「はい、あるだけ買い取らせていただきたい」
「……10本だ」
「あ、ありがとうございます!これで私も急かされなくてすみます」
「一本100億だからな?」
「……はい」
と何か言いたげだが俺はそんなお人好しじゃ無いぞ?
それに頼むタイミングが最悪だ。
1000億が入金されたのを確認し、エクストラポーションを10本渡す。
「もういいな?」
「は、はい、お時間とらせてすいませんでした」
さすがに2回も止められると疲れた。
部屋を出て降りて行く。
もう一度受付を済ませダンジョンに入る。
11階層に下り、グレートブルを『瞬歩』を使いながら倒して行く。
結構慣れるのに時間がかかるな。
12階層の階段で一休み、
瞬歩を使うとまた違う筋肉を使うみたいで身体がちょっと痛いな。
「慣れるまで特訓だな」
12階層に下り、今度はオーガを倒して行く。
意外と素早いが『瞬歩』と雷の属性剣で余裕があるな?
ポーションを飲む、やはり『瞬歩」を自在に使いこなすには練習あるのみだな。
そして早くも13階層の階段を見つけ、また小休憩を挟んで下りて行く。
13階層、デッドスコーピオン。
デカい蠍だが、『瞬歩』のスピードにはついて来れないので倒すのに時間はかからないが、今日はここまでにする。やはり身体が悲鳴をあげているようであちこちが痛い。
もう歩くのも疲れるので『帰還玉』を使って見る。
魔力を込めて下に投げつけると魔法陣が地面に浮かび上がり、気付くとダンジョンの出口付近にいた。
「いたた、でもこれは成功だな!」
『帰還玉』は、上手い事いったのでこれから探索者の攻略に役にたつだろう。
ダンジョンから出て更衣室で着替えると、車に乗ってマンションに帰る。
ようやく部屋でビールを取り出しソファーに座る。
「いつつ、ハイポーションでも飲むかな?」
ハイポーションを取り出して飲むと痛みがなくなる。
最初からハイポーションを飲んでればよかった。
これでゆっくりと飲めるな!
テレビをつけると『氷剣姫』がテレビに映っており、話をしていたがポーションの話になると、
『私のことを治した、ポーションを作ってくれた人に直接お礼が言いたい』
と言っているが、もちろん答えはNOだ。
そんなめんどくさい。
「俺はただ売っただけだ」
そう独り言を言い、ビールを飲み干す。
それにしてもどうしようかな?『帰還玉』を売りたいのだが、いい方法は……やっぱりギルド本部に直接売りに行くのがいいか。
ここから1番近いギルド本部は新宿ギルド本部か、まぁ、『tortie』にも行くか。
翌日、朝はウダウダとしてようやく起きると顔を洗いコーヒーを入れる。
ソファーに座りテレビをつけると、もう10時だな。ニュースを見ながら『収納』からダブルチーズバーガーを出して食べる。
やはり『収納』は時間経過がないから便利だ。
「あぁ、今日はもう出歩くのやめようかな」
とインドア派の俺が顔を出しているが、そこをねじ伏せて着替える。Tシャツにジーンズとラフな格好だが、別に構わないだろ。
車に乗り込み音楽をテンションの上がる曲に変え、走らせると新宿まではあっという間だ。
まずはギルド本部の地下駐車場に車を駐めて、中に入っていく。
人はそれなりにいるな、番号を取り呼ばれるまで椅子に座って待つ。
呼ばれたので5番窓口に座ると、
「今日はどう言ったご用件でしょうか?」
「あー、生産職なんですが、便利な道具を作ったので見てもらえますか?」
「えーと、それでは担当のものを呼んで参ります」
と担当者が来ると、
「はい、担当の吉田と申します。なんでも道具を見てもらいたいと?」
「はい、これなんですが」
と『帰還玉』を出す。
「では失礼します」
と鑑定のモノクルで『鑑定』すると、
「こ、これは!えー、『帰還玉』ですね!実際に使ったことは?」
「星3の13階層から出口付近までいけましたね」
「そ、そうですか!少々お待ちください」
んー、待たせるねぇ。
「お待たせして申し訳ない、私は内田というものですが、こちらを売る予定は?」
「はい、200個持って来てます」
「ありがとうございます!これは革命的な魔道具ですね!一個100万でいかがでしょうか?」
「はい、いいですよ」
と言うことで売ると、
「このアイデアは他の魔道具師にも共有して貰えますか?」
「いいんですか?」
「はい、安くなればいいですし、俺1人じゃ作れる量に限りがあるので」
「わ、分かりました!魔道具師にあたってみます」
「よろしくお願いします」
と言って外に出る。
駐車場で車に乗り込むと、
「あれだけで2億か、まぁギルドは金待ってるし、いいかな」
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