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お試し
しおりを挟むとりあえず現状は大変めんどくさい事になっている。有名人とパーティーなんて組んだら俺までテレビなんかに映る事になるからな。
「ふぅ、俺は有名になる気なんかない」
「あら、力ある者は有名になりますが?」
「俺は有名じゃないだろ」
「それはギルドで止めてるからですわね。今若手No. 1の『精霊姫』、あとこの前のパーティー囮事件での功績。『エクストラポーション』、『帰還玉』と言う素晴らしい能力。しかも『帰還玉』は自分の為ではなく、他の魔道具師にも作らせて探索者の死亡率を下げる行い」
『精霊姫』ってのはナツメのことか?
「かいかぶりすぎだ。俺はたまたま出会っただけだし、『帰還玉』は俺が作るのが面倒くさいだけだ」
「では、これは公表しても」
「ダメに決まってんだろ」
何言ってんだこの女?
「はぁ、俺は俺のペースがあるだろ?」
「そうですね。でも私は決めたので」
「そんな勝手な」
「私は勝手な女ですので」
と笑いやがる。
「あー、面倒くさい」
「あはは、私はそんなこと言われたの初めてです」
なんなんだ?こいつは頭イカれてんのか?
「その顔、あはは、私が嫌みたいですね」
「当たり前だろ、こっちはお前の名前も知らないんだからな」
「あら、私結構有名だと思ってました。私の名前は氷室月姫です」
「で?ジョブは?」
「『氷戦姫』ですね」
「へぇ、他のパーティーに入れば?」
「んー、あまりピンとこないですね」
「『栄光』とか『閻魔』とかは?」
「お話は頂きましたが断りました」
おいおい、それならなんで俺なんだよ?
とにかくこの場から離れたいな。
「では、俺もお断りします」
「やだ!」
と子供のように頬を膨らませ、私怒ってますのポーズだな。
「と、とりあえず折衷案で、パーティーをお試しで組むとか?」
「いいですね!お試しで!」
「……はぁ、分かったよ」
ギルマスの言った事でとりあえずお試しだ。
そしてダンジョンへと向かう。
ざわつくギルド内で受付をサッサと済ませて中に入る。
ここのダンジョンには来たことがないらしく1階層からだ。
「さて、サッサと下の階に行くぞ」
「はい」
と言って俺は『瞬歩』を使い進んで行くと、
「やっぱり、私達パーティーに向いてますね」
「な!カグヤも『瞬歩』持ってるのか?」
「はい、ルカもそうなんですね?」
と『瞬歩』はやめて歩き出す。
「あれ、なんでやめちゃうんですか?」
「くそ、俺はまだ慣れてねえんだよ」
「あぁ、そうでしたか。それでは歩いていきましょう」
とルンルンでついてくる。
モンスターが出て来ても一瞬だ。
「ふっ!」
と見えない剣裁きで氷にしてドロップへと変わるモンスター。
俺はドロップを拾っていく。
「そ、それはマジックバッグですの?」
「そうだ。これがないと素材が勿体無いからな」
「さ、さすがです」
で、俺の方に来たモンスターは、
「雷」
「よっと」
と雷で動けない状態のモンスターを倒す。
「属性剣?しかも雷ですか?」
「そうだ、とりあえず先に進むぞ」
「はい!」
と笑いながら進むカグヤに呆れてものも言えない。
途中、少し休憩を挟む。
「ほら」
「あ、ありがとうございます」
流石に『収納』はないようで、今日は飲み物を忘れたようだった。仕方なく収納からお茶を渡す。
「冷たいですね」
「ん?『収納』は時間が止まってるからな」
お茶を飲んで喉を潤しているカグヤ、あの性格じゃなければモテる、いやモテてるのか。
「はい、持っていてください」
「あいよ」
と言ってまた先に進む。
10階層のボス部屋で、久しぶりの金扉だな。
「はぁ、イレギュラーだ。どうする?」
「行きましょう!私イレギュラーは初めてです」
「は?運がいいな」
「そうですか?イレギュラーの方が報酬はいいですよね?」
もう倒した気になっている。
「まぁ、10階層の普段のボスはキラーベアだ。多分、亜種か一段上のモンスターになってるな」
「そうなんですね!楽しみです」
「はぁ、とりあえず落ち着け、ほら」
カグヤの飲みかけのお茶を渡し、俺もコーラを飲む。
「ふぅ、で?どうしますか?」
「倒すしかないだろ?順調に来たが、もう17時だ。これから戻るのは面倒だし、別の探索者が危ないからな」
「やはりルカは常識のある善人ですね!」
「は?ただ倒せるのに倒さないなんてしないだろ」
「まぁ、そう言う事にしてあげます、では」
「行くか」
と金扉を開くと、
「ん?」
「宝箱ですね!開けましょう!」
「バカ!戻れ!」
「キャアァァァァ!」
宝箱はミミックと言う擬態したモンスターだ。
触手に捕まれてグッタリしているカグヤ。
「くそ!」
と剣を振り雷を飛ばすと痺れたようで触手の手が開き落ちてくるカグヤを『瞬歩』で抱き抱え、モンスターと距離を取る。
「ったく世話が焼ける」
と地面に寝かせると、もう一度剣を振る。
“バチィッ”と音がしてミミックは痺れるので、『瞬歩』で近付き剣を開いた蓋の中にいるミミックに突き刺すと、もう一度魔力を込めて雷を直接流す。
するとミミックは消えてドロップに変わる。
ドロップは召喚コインにバリアリング、大きな魔石だ。
宝箱も出ているが先にカグヤを起こす。
ポーションを飲ませると一飲みで目を開け、
「わ、私は」
「悪い、俺が鑑定でミミックと分かっていたのに」
「いいえ、私が無闇に前に出てしまったので」
「まぁ、宝箱が出たからサッサと開けて帰るか」
と言って2人で宝箱を開けるとスキルボールが2つ入っていた。
一つは『紫電一閃』、もう一つは『氷桜斬』。
「これはまぁ、カグヤはこっちか」
「ですね!」
とスキルボールを開ける。
「スキルは文字数が多いほど強いと言います」
「な!なら」
「いいえ、ルカが使うのが正解です。私はこれで十分です。しかも助けられてますしね!」
と笑顔で答える。
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