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第2章 ヘブンスの回想
2-2 パンツ
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師匠にムスカドラゴンの逆鱗採取の依頼を受けてから一ヶ月も経っていた。
あの魔物に近づくためには念入りな準備が必要だった。
現地では有毒ガスのせいで、満足に活動できない。
失敗の連続で、少し離れた安全地帯との往復の日々だった。
それでも苦労の末にやっと逆鱗を得て、師匠のもとへと戻れる日が来た。
これで彼女は私を弟子として認めてくれるはず。
疲労困憊だったが、ようやく彼女の鼻をあかせると、意気揚々と彼女の屋敷に戻っていった。
「師匠、ただいま戻りました」
使用人から師匠は自室にいると聞き、彼女の部屋を初めて訪れたのだが――。
扉を開いた直後、目を疑うような光景が広がっていた。
物だらけだった。
奥に机があり、そこに向かう細い道が辛うじてある以外、床の上に物が雑然と積み重なって置かれていた。それこそ部屋中に。
ゴミとしか思えないような物まであちこち床に落ちている。
その汚部屋の中に師匠がいたのだが、その彼女の格好も異様だった。
タオル一枚身体に巻いただけの姿だったからだ。
風呂上りなのか、濡れた黒い艶のある長い髪から雫がしたたり落ちている。
火照った肌は張りがあり、瑞々しい女性の柔らかな肉体の曲線に視線が強く吸い寄せられる。
思わず息をのんだ。
彼女は私に気づかず、散乱した物の中から探し物をしていた。
「師匠、何をされているのですか?」
「え?」
間の抜けた声と顔で彼女が振り向く。
「誰? 私は今、パンツを探すのに忙しいのよ。子どもに構っている暇はないの」
虫を追い払うみたいにシッシッと邪険に手を振られた。すごく面倒くさそうに。
「もう、パンツどこよ? 確かここに買っておいたパンツがあるはずなのに」
苛々とパンツを連呼した師匠は、確かにまだ下着すら着用していないようだ。
タオルの生地は、股下を辛うじて隠す程度の丈しかない。
大事なところが見えそうで見えない。いや、見るつもりはないが。
私は師匠に報告という大事な使命のために滞在しているだけだ。
当時私は八歳の子ども。決してやましい気持ちは持ち合わせていなかった。
彼女の豊かな胸がタオルの中で窮屈そうに収まっているが、彼女が動くたびに胸がたゆんたゆんと弾むように揺れる。
タオルの巻き目が少しずつズレている気がした。
「もしかして、ここかしら?」
師匠が一番上に乗っていた箱を持ち上げたとき、ついに胸を支えきれなくなったタオルがハラリと床に落ちていった。
「し、師匠!」
私は下を向き、目を隠しながら叫んだ。
決して見ていないと、相手に分かるように。
「師匠って、ああああっ!」
向かいから彼女の驚く声が聞こえてきた。
それから近づいてくる軽やかな気配も。
「すっかり忘れてたー! そういえば弟子がいたわね。今まで見かけなかったから辞めたと思ってたわ。そっかー、まだ辞めてなかったんだーチッ。ところで、どうしてそんな汚い格好をしているの? まぁ、ちょうど良かった。パンツが見つからないから、買ってきてくれない? 今度はなるべく早く。百数えるうちに」
あまりに情け容赦ない発言につい苛立ってしまった。
「私が長く不在だったのは、師匠が無理難題な命令を下したからです。それをすっかり忘れて、しかも弟子ごと存在まで忘れるなんて信じられません!」
師匠に吠え面をかかせる——いや、認めてもらいたい一心で、心が折れそうになりながらも、命の危険に晒されながらも頑張ったのに。当の本人に忘れさられていたなんて。
うつむきながら、悔しさのあまりに涙が出そうになった。
視界の先に彼女のサンダルを履いた足元だけが見える。
「ドラゴンと過酷な環境にどれだけ私が苦労したのか想像もできないのでしょうか」
「できないわよ」
目の前に立つ相手が吐き捨てるように答えたせいで、我慢の限界が来た。
思わず顔を上げて相手を睨みつける。
目が合った瞬間、驚くことに師匠の姿が一瞬で消えた。
「——え?」
突然の異変に間抜けな声しか出せなかった。ありえない。いきなり人が消えるなんて。
初めて常識を超えた現象が起きたせいで、頭が真っ白になっていた。
「おまたせー」
何事もなかったように再び師匠が目の前に現れたとき、私は驚愕のあまり後退り、もつれた自分の足でよろめいて尻もちをついた。
私は自分がおかしくなったのかと半ばパニックになりながら感じていた。
「ほら、とってきたよ。見てよ」
師匠は真っ裸のまま、堂々と私の前に立ち、何か投げて寄越してきた。
私の服の上に落ちてきたのは、薄っぺらい手のひらサイズのもの。
わずかに異臭まで感じて、一ヶ月ほど滞在した過酷な場所を思い出す。
手に取って詳しく確認すれば、それは鱗だった。赤い色をした魔力を帯びた貴重な素材。私が師匠から命じられたムスカドラゴンの鱗と同じに見えた。
「あの、これは」
「だから、とってきたって言ったでしょ? あなたが一ヶ月かけたものが、私には一瞬で手に入れられるの」
「は――?」
「だから、できない人の気持ちなんて私には分からないし、人に教えるのに究極的に向いてないの。私の弟子になっても不幸なだけよ」
彼女は存在感のある胸の前で腕を組み、言葉を失くしている私を冷たく睥睨する。
何度目かになるか分からない拒絶の態度に言葉を失う。けど、回らない頭の状態でも、答えはすでに決まっていた。
「弟子を辞める気はありません」
「――ちょっと!」
師匠が何か反論しようとした気配を察して私は続けて言葉を続ける。
「あなたが想像できないのは、よく理解しました。パンツですね、パンツを買ってくればいいんですね。それより早く服を着てください。痴女ですよ。では、失礼します」
まくし立てるように言って素早く立ち上がると、相手から逃げるように彼女の部屋から飛び出した。
背後から「痴漢はお前でしょ! 勝手に部屋に入ってきて!」と罵声が延々と迫ってきたが、全て聞こえないふりをした。
廊下を歩きながら、胸の中は様々な感情で渦巻いていた。
もう笑うしかない。
彼女から見れば、私もその他大勢の無力な人間の一人に過ぎなかったのだから。
実力差がありすぎた。私なんて地面を歩く小さなアリみたいなものだった。
恐らく、「そんな簡単なこと、どうしてできないの?」と彼女は常々感じているに違いない。
でも、不思議と弟子を辞めようとは思えなかった。
彼女が私の気持ちが分からないように私も彼女の気持ちを全く分かろうとしていなかった。
非凡な彼女の気持ちを。
ただ一方的に私は自分の都合で彼女の弟子になった。
彼女に恨まれるのも仕方がなかった。
だから、彼女のぞんざいな態度に恨みを抱く資格すらなかった。
私の胸は、騒がしく高鳴っていた。
脳裏に焼きついて離れない。先ほど一瞬で鱗を手に入れた恐ろしいほどの魔導の技術。
それを彼女の間近で観察し続けたいと願ってしまった。自分には彼女ほどの才能はないが、側にいることならできるはずだと。
彼女への弟子入りは、初めは生き延びるはずの手段だった。でも、私は彼女の優れた技に強く魅入られていた。
自分の矜持は、既に修復不能なくらいにぼろぼろになっていたが。
正直、悔しく妬ましかった。あんなに魔導の才能に恵まれた彼女を。
「それにしても、鱗は一瞬で手に入るくせにパンツはどうして人任せなんでしょうね」
廊下を歩いている最中、使用人がいたのにもかかわらず、彼女の慎みのなさを思い出して、思わず失笑していた。
あの魔物に近づくためには念入りな準備が必要だった。
現地では有毒ガスのせいで、満足に活動できない。
失敗の連続で、少し離れた安全地帯との往復の日々だった。
それでも苦労の末にやっと逆鱗を得て、師匠のもとへと戻れる日が来た。
これで彼女は私を弟子として認めてくれるはず。
疲労困憊だったが、ようやく彼女の鼻をあかせると、意気揚々と彼女の屋敷に戻っていった。
「師匠、ただいま戻りました」
使用人から師匠は自室にいると聞き、彼女の部屋を初めて訪れたのだが――。
扉を開いた直後、目を疑うような光景が広がっていた。
物だらけだった。
奥に机があり、そこに向かう細い道が辛うじてある以外、床の上に物が雑然と積み重なって置かれていた。それこそ部屋中に。
ゴミとしか思えないような物まであちこち床に落ちている。
その汚部屋の中に師匠がいたのだが、その彼女の格好も異様だった。
タオル一枚身体に巻いただけの姿だったからだ。
風呂上りなのか、濡れた黒い艶のある長い髪から雫がしたたり落ちている。
火照った肌は張りがあり、瑞々しい女性の柔らかな肉体の曲線に視線が強く吸い寄せられる。
思わず息をのんだ。
彼女は私に気づかず、散乱した物の中から探し物をしていた。
「師匠、何をされているのですか?」
「え?」
間の抜けた声と顔で彼女が振り向く。
「誰? 私は今、パンツを探すのに忙しいのよ。子どもに構っている暇はないの」
虫を追い払うみたいにシッシッと邪険に手を振られた。すごく面倒くさそうに。
「もう、パンツどこよ? 確かここに買っておいたパンツがあるはずなのに」
苛々とパンツを連呼した師匠は、確かにまだ下着すら着用していないようだ。
タオルの生地は、股下を辛うじて隠す程度の丈しかない。
大事なところが見えそうで見えない。いや、見るつもりはないが。
私は師匠に報告という大事な使命のために滞在しているだけだ。
当時私は八歳の子ども。決してやましい気持ちは持ち合わせていなかった。
彼女の豊かな胸がタオルの中で窮屈そうに収まっているが、彼女が動くたびに胸がたゆんたゆんと弾むように揺れる。
タオルの巻き目が少しずつズレている気がした。
「もしかして、ここかしら?」
師匠が一番上に乗っていた箱を持ち上げたとき、ついに胸を支えきれなくなったタオルがハラリと床に落ちていった。
「し、師匠!」
私は下を向き、目を隠しながら叫んだ。
決して見ていないと、相手に分かるように。
「師匠って、ああああっ!」
向かいから彼女の驚く声が聞こえてきた。
それから近づいてくる軽やかな気配も。
「すっかり忘れてたー! そういえば弟子がいたわね。今まで見かけなかったから辞めたと思ってたわ。そっかー、まだ辞めてなかったんだーチッ。ところで、どうしてそんな汚い格好をしているの? まぁ、ちょうど良かった。パンツが見つからないから、買ってきてくれない? 今度はなるべく早く。百数えるうちに」
あまりに情け容赦ない発言につい苛立ってしまった。
「私が長く不在だったのは、師匠が無理難題な命令を下したからです。それをすっかり忘れて、しかも弟子ごと存在まで忘れるなんて信じられません!」
師匠に吠え面をかかせる——いや、認めてもらいたい一心で、心が折れそうになりながらも、命の危険に晒されながらも頑張ったのに。当の本人に忘れさられていたなんて。
うつむきながら、悔しさのあまりに涙が出そうになった。
視界の先に彼女のサンダルを履いた足元だけが見える。
「ドラゴンと過酷な環境にどれだけ私が苦労したのか想像もできないのでしょうか」
「できないわよ」
目の前に立つ相手が吐き捨てるように答えたせいで、我慢の限界が来た。
思わず顔を上げて相手を睨みつける。
目が合った瞬間、驚くことに師匠の姿が一瞬で消えた。
「——え?」
突然の異変に間抜けな声しか出せなかった。ありえない。いきなり人が消えるなんて。
初めて常識を超えた現象が起きたせいで、頭が真っ白になっていた。
「おまたせー」
何事もなかったように再び師匠が目の前に現れたとき、私は驚愕のあまり後退り、もつれた自分の足でよろめいて尻もちをついた。
私は自分がおかしくなったのかと半ばパニックになりながら感じていた。
「ほら、とってきたよ。見てよ」
師匠は真っ裸のまま、堂々と私の前に立ち、何か投げて寄越してきた。
私の服の上に落ちてきたのは、薄っぺらい手のひらサイズのもの。
わずかに異臭まで感じて、一ヶ月ほど滞在した過酷な場所を思い出す。
手に取って詳しく確認すれば、それは鱗だった。赤い色をした魔力を帯びた貴重な素材。私が師匠から命じられたムスカドラゴンの鱗と同じに見えた。
「あの、これは」
「だから、とってきたって言ったでしょ? あなたが一ヶ月かけたものが、私には一瞬で手に入れられるの」
「は――?」
「だから、できない人の気持ちなんて私には分からないし、人に教えるのに究極的に向いてないの。私の弟子になっても不幸なだけよ」
彼女は存在感のある胸の前で腕を組み、言葉を失くしている私を冷たく睥睨する。
何度目かになるか分からない拒絶の態度に言葉を失う。けど、回らない頭の状態でも、答えはすでに決まっていた。
「弟子を辞める気はありません」
「――ちょっと!」
師匠が何か反論しようとした気配を察して私は続けて言葉を続ける。
「あなたが想像できないのは、よく理解しました。パンツですね、パンツを買ってくればいいんですね。それより早く服を着てください。痴女ですよ。では、失礼します」
まくし立てるように言って素早く立ち上がると、相手から逃げるように彼女の部屋から飛び出した。
背後から「痴漢はお前でしょ! 勝手に部屋に入ってきて!」と罵声が延々と迫ってきたが、全て聞こえないふりをした。
廊下を歩きながら、胸の中は様々な感情で渦巻いていた。
もう笑うしかない。
彼女から見れば、私もその他大勢の無力な人間の一人に過ぎなかったのだから。
実力差がありすぎた。私なんて地面を歩く小さなアリみたいなものだった。
恐らく、「そんな簡単なこと、どうしてできないの?」と彼女は常々感じているに違いない。
でも、不思議と弟子を辞めようとは思えなかった。
彼女が私の気持ちが分からないように私も彼女の気持ちを全く分かろうとしていなかった。
非凡な彼女の気持ちを。
ただ一方的に私は自分の都合で彼女の弟子になった。
彼女に恨まれるのも仕方がなかった。
だから、彼女のぞんざいな態度に恨みを抱く資格すらなかった。
私の胸は、騒がしく高鳴っていた。
脳裏に焼きついて離れない。先ほど一瞬で鱗を手に入れた恐ろしいほどの魔導の技術。
それを彼女の間近で観察し続けたいと願ってしまった。自分には彼女ほどの才能はないが、側にいることならできるはずだと。
彼女への弟子入りは、初めは生き延びるはずの手段だった。でも、私は彼女の優れた技に強く魅入られていた。
自分の矜持は、既に修復不能なくらいにぼろぼろになっていたが。
正直、悔しく妬ましかった。あんなに魔導の才能に恵まれた彼女を。
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