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第4章 元下僕
4-8 ベッドの上で
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気持ちよく寝ていた最中、どういうわけか体が重くて身動きが取れなかった。違和感があって目が覚めてから、誰かに背後から抱きしめられていると気づいた。
「え?」
窓のカーテン越しに朝日が差し込んでいる。でも、いつもの朝よりも薄暗いので、まだ起床には早い時間帯のようだ。
もぞもぞと動いて寝返りをうち、背後を向いて犯人の顔を確認すれば、やはり隣のベッドにいたはずのマルクだった。
彼は安らかな寝顔をこちらに向けている。
長い銀色のまつ毛は扇のようで、目元に淡く影を落としていた。
鼻筋が綺麗に通った顔つきは、まるで彫刻のように芸術品だ。
いつも一つに束ねている髪が解かれていて、長い銀髪が乱れて彼の顔と肩にかかる様は、妙に艶かしい。
「あう」
寝ているときですら、息をのむような美形だから、きっと多くの人間を無意識に魅了しているに違いない。
そんな彼とベッドの中で密着している状況は、ただ抱き合っているだけとは違い、すごく落ち着かない。
彼の腕が微かに私の胸に触れている気がするし、彼の足が私の足にもつれるように絡んでいる。
彼の寝息まで肌で感じて、身体の血流が沸騰したみたいに激しくなる。
霧がかった頭が一瞬で目が覚めてパニック状態に陥るが、騒いで疲れているマルクを起こしてはダメだとすぐに理性が働いたおかげで叫ばずに済んだ。
なぜ、こんな状況に陥っているのか分からない。
恐らく、彼は私を布団だと勘違いして抱き込んでいるかもしれない。
彼はスヤスヤ気持ちよさそうに寝ているけど、このままでは私の心臓にも悪いし、彼も私を抱きしめて寝ているなんて知ったら困るだろう。
彼が気づかないうちに彼の傍から少しずつ離れようと試みた。
でも、ちょっと動いただけなのに、阻止された!
マルクは寝ているくせに私が逃げないように体がすかさず反応していた。
しかも布団まで私の肩にしっかり掛け直す丁寧さぶりだ。
信じられない。全自動オカンだ。
確かに温かいけど、このまま諦めてスヤっと本能のままに二度寝したら、きっと起きたマルクにドン引きされてしまう。
「ふんぬー!」
今度はベリッと彼の手足を引き剥がすように脱出した。
成功したので、勢い余ってゴロゴロと隣のベッドに転がっていく。
すかさず彼の様子を窺うと、なんと薄目を開けているマルクと目が合った。
やばい、寝て! 寝るのよ!
だが、私の祈りは虚しく、マルクの目はパッチリと開いてしまった。
「おはようございます。今日は早起きですね」
マルクは寝起きですぐに動けないのか、ぼーとしたまま横たわったまま私に話しかけてきた。
「う、うん……おはよー。よく眠れた?」
さっきの、気づかれたかな? 気づいていないといいなー。
チラチラと見ていたら、彼に笑顔を向けられた。
「先ほどあなたが私の腕から抜け出すまでは、よく寝ていましたよ」
「あう」
どうやらバレバレだったようだ。気まずすぎる。
「起こして申し訳ないけど、一応言い訳をさせてもらうと、あなたが私に抱きついていたのよ」
あの状況は私に非はないと必死に説明したところ、彼に苦笑されてしまった。
「何を慌てているんですか? あなたにとって私は可愛い家族なんですよね? 抱きしめておはようの挨拶をしてくれてもいいんですよ?」
「あう」
彼は顔にかかった髪をかき上げ、気だるそうにしている。
そんな様子さえ、色気がダダ漏れだ。
無防備に近づく度胸は私にはなかった。プルプルと必死に首を横に振る。
「それによく見てください。私が寝ている場所を」
彼は寝ながら肘をついて頬杖をつき、自分の居場所を指差した。
「え? ベッドだけど?」
「そうです。私は寝たときから全然動いていないんですよ」
「はっ、まさか私が寝ながらマルクのベッドまで転がっていったの!?」
「そうです。しかも寒くなったのか私の掛け布団まで奪おうとしたんですよ。私も眠かったので、あなたを元の場所まで戻すのが面倒で、仕方なく私の布団を掛けてあげたんですよ」
「あう」
まさか、マルクの全自動オカンが、全部私のせいだった!
「ご、ごめんね! そんな真相があったなんて思いもしなくって。まだ早いなら、まだ寝ていたら? あまり寝れなかったでしょう?」
「あなたが添い寝してくれたら、寝れそうな気がします」
「いや、それはさすがに恥ずかしいでしょ」
昨日、マルクとなら大丈夫と笑った私のことを揶揄っているのかしら?
家族みたいな関係とはいえ、大人の男性とは一緒に寝られないと、今朝の出来事でしみじみと悟った。
マルクは平気かもしれないけどさー。
もじもじしながら拒否すると、なぜかマルクが慌てて起き上がった。
這うように私に近づいて、ぐいっと顔を寄せてくる。その目は、驚いたように見開いていた。
「あなたが、恥ずかしいんですか?」
「そ、そうよ。昨日はあんなことを言ったけど、やっぱりお互いにもう子供じゃないんだし」
「じゃあ、これもですか?」
いきなりマルクにベッドに押し倒された。なぜか私の両手が彼に押さえ込まれ、覆いかぶさるように体の上に乗られている。
さっきベッドで抱きしめられたときみたいに全身に緊張が走った。
「マ、マルク?」
「私のことを異性として意識しているんですよね?」
「そうよ、当たり前でしょう?」
すると、マルクは私の顔の目の前で花が咲いたように嬉しそうに笑みを浮かべた。
「あなたがそんな風に意識してくれるなんて、思いもしませんでした。前世では私の前でもはしたない格好をよくされていたので、恥じらいとは無縁の人だと思っていました」
「あう」
堂々と私のズボラさを貶されているけど、図星過ぎて否定できない。
確かに前世のとき、マルクは男とはいえまだ子供だからと、全く気にもしてなかった。
今でも同じ感覚でも大丈夫だろうと思っていたから、きっと彼の気に障ってしまったんだろう。
嫌味を言われても、仕方がなかった。
彼の手が私の首にそっと触れてくる。脈を診るように指先で。
思わず声が出そうになる。
そこ以外に感覚がなくなったみたいに、否応なしに彼の指の感触に全神経が集中していた。
「すごいドキドキしていますね」
「そりゃあ、こんな状況になっていたら、誰にだってドキドキするわよ」
「本当に?」
「本当に」
「なるほど。じゃあ他にも試してみましょうか?」
マルクが口角を上げて、とても腹黒そうな顔で笑う。
でも、そんな意地悪な様子でさえ妖艶だ。
「ええ!?」
追い詰められた子猫のような気持ちで、そんな間抜けな返事をした直後だ。
凄まじい殺意と、魔導の気配を感じて、私たちは咄嗟にベッドの上から退避した。
耳を突くような衝撃音と、猛烈な風圧が寝室を突如襲ってくる。
部屋の壁の一部が破損し、外が見えてしまっている。
今までいた場所に砲弾が落ちたような爆撃が起き、ベッドは真っ二つに粉砕していた。
周囲に細かい塵が舞い、早朝の冷たい風が直に吹き込んでくる。
誰かに襲撃されたのは明らかだった。
私たちはマルクの防御魔導で無事だった。
私の前に立つ彼の様子を窺う。
「師匠、大丈夫?」
「ミーナ、あなたは下がっていなさい」
建物の外から寝室に入ってきたのは、やはりカーズ先生だった。黒いスーツ姿で、窓際に悠然と立っていた。
「殺す」
ぶれない鋭い殺意を彼から向けられて、やはり私を深く憎んでいるのだと、思わずにいられなかった。
マルクがさらに一歩前に出て、堂々と侵入者と対峙する。
「カーズ先生、あなたがしていることはただの逆恨みだ。これ以上の乱暴は許しませんよ」
「はっ、逆恨みだと? お前こそどの口が物を言う。少し痛い目を見て反省したらどうだ?」
マルクの制止の声にカーズ先生はさらに逆上したように不機嫌になった。
二人の視線が激しく交わり、緊迫した空気が漂い始める。
「くらえ!」
魔導の攻撃が大軍の矢のように次から次へと襲ってくる。
それをお互いに迎え撃ち、凄まじい衝撃が部屋の中で巻き起こっていた。
前世でマルクと朝に喧嘩したみたいな懐かしい光景だけど、今回は互いに本気なので、全然安心していられない。
どんどん部屋の中が破壊されていく。
カーズ先生の俊敏な動きのせいで、私を庇いながら戦っているせいなのかマルクが苦戦気味だ。
やはり私が力づくで二人を止めないとダメなのかしら。
でも、そうすれば大魔導士だと一発でバレてしまう。
それでもマルクにこれ以上は迷惑をかけられない。
そう覚悟を決めたときだ。
マルクが急に相手への攻撃を突然止めた。
「カーズ先生。あなたの狙いは、やはり私だったんですね」
彼は相手の攻撃を障壁で受け止めたあと、一瞬の隙間を狙って相手に問いを投げかけていた。
一瞬、マルクが何を言っているのか理解できなかった。
カーズ先生も困惑した表情を浮かべながら攻撃の手を止めて、様子を窺うようにマルクを見ている。
「何を言っているの? カーズ先生の標的は私でしょう? あなたはカーズ先生に何も恨まれることをしていないじゃない」
思わず私が口を挟むと、マルクよりも先にカーズ先生が反応した。
「おい、どういうことだよ。俺の標的が大魔導士様だって。そんなわけないだろ! 命の恩人に」
「え?」
「……え?」
カーズ先生と私はお互い目を点にしながら、見つめ合った。
「え?」
窓のカーテン越しに朝日が差し込んでいる。でも、いつもの朝よりも薄暗いので、まだ起床には早い時間帯のようだ。
もぞもぞと動いて寝返りをうち、背後を向いて犯人の顔を確認すれば、やはり隣のベッドにいたはずのマルクだった。
彼は安らかな寝顔をこちらに向けている。
長い銀色のまつ毛は扇のようで、目元に淡く影を落としていた。
鼻筋が綺麗に通った顔つきは、まるで彫刻のように芸術品だ。
いつも一つに束ねている髪が解かれていて、長い銀髪が乱れて彼の顔と肩にかかる様は、妙に艶かしい。
「あう」
寝ているときですら、息をのむような美形だから、きっと多くの人間を無意識に魅了しているに違いない。
そんな彼とベッドの中で密着している状況は、ただ抱き合っているだけとは違い、すごく落ち着かない。
彼の腕が微かに私の胸に触れている気がするし、彼の足が私の足にもつれるように絡んでいる。
彼の寝息まで肌で感じて、身体の血流が沸騰したみたいに激しくなる。
霧がかった頭が一瞬で目が覚めてパニック状態に陥るが、騒いで疲れているマルクを起こしてはダメだとすぐに理性が働いたおかげで叫ばずに済んだ。
なぜ、こんな状況に陥っているのか分からない。
恐らく、彼は私を布団だと勘違いして抱き込んでいるかもしれない。
彼はスヤスヤ気持ちよさそうに寝ているけど、このままでは私の心臓にも悪いし、彼も私を抱きしめて寝ているなんて知ったら困るだろう。
彼が気づかないうちに彼の傍から少しずつ離れようと試みた。
でも、ちょっと動いただけなのに、阻止された!
マルクは寝ているくせに私が逃げないように体がすかさず反応していた。
しかも布団まで私の肩にしっかり掛け直す丁寧さぶりだ。
信じられない。全自動オカンだ。
確かに温かいけど、このまま諦めてスヤっと本能のままに二度寝したら、きっと起きたマルクにドン引きされてしまう。
「ふんぬー!」
今度はベリッと彼の手足を引き剥がすように脱出した。
成功したので、勢い余ってゴロゴロと隣のベッドに転がっていく。
すかさず彼の様子を窺うと、なんと薄目を開けているマルクと目が合った。
やばい、寝て! 寝るのよ!
だが、私の祈りは虚しく、マルクの目はパッチリと開いてしまった。
「おはようございます。今日は早起きですね」
マルクは寝起きですぐに動けないのか、ぼーとしたまま横たわったまま私に話しかけてきた。
「う、うん……おはよー。よく眠れた?」
さっきの、気づかれたかな? 気づいていないといいなー。
チラチラと見ていたら、彼に笑顔を向けられた。
「先ほどあなたが私の腕から抜け出すまでは、よく寝ていましたよ」
「あう」
どうやらバレバレだったようだ。気まずすぎる。
「起こして申し訳ないけど、一応言い訳をさせてもらうと、あなたが私に抱きついていたのよ」
あの状況は私に非はないと必死に説明したところ、彼に苦笑されてしまった。
「何を慌てているんですか? あなたにとって私は可愛い家族なんですよね? 抱きしめておはようの挨拶をしてくれてもいいんですよ?」
「あう」
彼は顔にかかった髪をかき上げ、気だるそうにしている。
そんな様子さえ、色気がダダ漏れだ。
無防備に近づく度胸は私にはなかった。プルプルと必死に首を横に振る。
「それによく見てください。私が寝ている場所を」
彼は寝ながら肘をついて頬杖をつき、自分の居場所を指差した。
「え? ベッドだけど?」
「そうです。私は寝たときから全然動いていないんですよ」
「はっ、まさか私が寝ながらマルクのベッドまで転がっていったの!?」
「そうです。しかも寒くなったのか私の掛け布団まで奪おうとしたんですよ。私も眠かったので、あなたを元の場所まで戻すのが面倒で、仕方なく私の布団を掛けてあげたんですよ」
「あう」
まさか、マルクの全自動オカンが、全部私のせいだった!
「ご、ごめんね! そんな真相があったなんて思いもしなくって。まだ早いなら、まだ寝ていたら? あまり寝れなかったでしょう?」
「あなたが添い寝してくれたら、寝れそうな気がします」
「いや、それはさすがに恥ずかしいでしょ」
昨日、マルクとなら大丈夫と笑った私のことを揶揄っているのかしら?
家族みたいな関係とはいえ、大人の男性とは一緒に寝られないと、今朝の出来事でしみじみと悟った。
マルクは平気かもしれないけどさー。
もじもじしながら拒否すると、なぜかマルクが慌てて起き上がった。
這うように私に近づいて、ぐいっと顔を寄せてくる。その目は、驚いたように見開いていた。
「あなたが、恥ずかしいんですか?」
「そ、そうよ。昨日はあんなことを言ったけど、やっぱりお互いにもう子供じゃないんだし」
「じゃあ、これもですか?」
いきなりマルクにベッドに押し倒された。なぜか私の両手が彼に押さえ込まれ、覆いかぶさるように体の上に乗られている。
さっきベッドで抱きしめられたときみたいに全身に緊張が走った。
「マ、マルク?」
「私のことを異性として意識しているんですよね?」
「そうよ、当たり前でしょう?」
すると、マルクは私の顔の目の前で花が咲いたように嬉しそうに笑みを浮かべた。
「あなたがそんな風に意識してくれるなんて、思いもしませんでした。前世では私の前でもはしたない格好をよくされていたので、恥じらいとは無縁の人だと思っていました」
「あう」
堂々と私のズボラさを貶されているけど、図星過ぎて否定できない。
確かに前世のとき、マルクは男とはいえまだ子供だからと、全く気にもしてなかった。
今でも同じ感覚でも大丈夫だろうと思っていたから、きっと彼の気に障ってしまったんだろう。
嫌味を言われても、仕方がなかった。
彼の手が私の首にそっと触れてくる。脈を診るように指先で。
思わず声が出そうになる。
そこ以外に感覚がなくなったみたいに、否応なしに彼の指の感触に全神経が集中していた。
「すごいドキドキしていますね」
「そりゃあ、こんな状況になっていたら、誰にだってドキドキするわよ」
「本当に?」
「本当に」
「なるほど。じゃあ他にも試してみましょうか?」
マルクが口角を上げて、とても腹黒そうな顔で笑う。
でも、そんな意地悪な様子でさえ妖艶だ。
「ええ!?」
追い詰められた子猫のような気持ちで、そんな間抜けな返事をした直後だ。
凄まじい殺意と、魔導の気配を感じて、私たちは咄嗟にベッドの上から退避した。
耳を突くような衝撃音と、猛烈な風圧が寝室を突如襲ってくる。
部屋の壁の一部が破損し、外が見えてしまっている。
今までいた場所に砲弾が落ちたような爆撃が起き、ベッドは真っ二つに粉砕していた。
周囲に細かい塵が舞い、早朝の冷たい風が直に吹き込んでくる。
誰かに襲撃されたのは明らかだった。
私たちはマルクの防御魔導で無事だった。
私の前に立つ彼の様子を窺う。
「師匠、大丈夫?」
「ミーナ、あなたは下がっていなさい」
建物の外から寝室に入ってきたのは、やはりカーズ先生だった。黒いスーツ姿で、窓際に悠然と立っていた。
「殺す」
ぶれない鋭い殺意を彼から向けられて、やはり私を深く憎んでいるのだと、思わずにいられなかった。
マルクがさらに一歩前に出て、堂々と侵入者と対峙する。
「カーズ先生、あなたがしていることはただの逆恨みだ。これ以上の乱暴は許しませんよ」
「はっ、逆恨みだと? お前こそどの口が物を言う。少し痛い目を見て反省したらどうだ?」
マルクの制止の声にカーズ先生はさらに逆上したように不機嫌になった。
二人の視線が激しく交わり、緊迫した空気が漂い始める。
「くらえ!」
魔導の攻撃が大軍の矢のように次から次へと襲ってくる。
それをお互いに迎え撃ち、凄まじい衝撃が部屋の中で巻き起こっていた。
前世でマルクと朝に喧嘩したみたいな懐かしい光景だけど、今回は互いに本気なので、全然安心していられない。
どんどん部屋の中が破壊されていく。
カーズ先生の俊敏な動きのせいで、私を庇いながら戦っているせいなのかマルクが苦戦気味だ。
やはり私が力づくで二人を止めないとダメなのかしら。
でも、そうすれば大魔導士だと一発でバレてしまう。
それでもマルクにこれ以上は迷惑をかけられない。
そう覚悟を決めたときだ。
マルクが急に相手への攻撃を突然止めた。
「カーズ先生。あなたの狙いは、やはり私だったんですね」
彼は相手の攻撃を障壁で受け止めたあと、一瞬の隙間を狙って相手に問いを投げかけていた。
一瞬、マルクが何を言っているのか理解できなかった。
カーズ先生も困惑した表情を浮かべながら攻撃の手を止めて、様子を窺うようにマルクを見ている。
「何を言っているの? カーズ先生の標的は私でしょう? あなたはカーズ先生に何も恨まれることをしていないじゃない」
思わず私が口を挟むと、マルクよりも先にカーズ先生が反応した。
「おい、どういうことだよ。俺の標的が大魔導士様だって。そんなわけないだろ! 命の恩人に」
「え?」
「……え?」
カーズ先生と私はお互い目を点にしながら、見つめ合った。
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