爆破スマシという女

時田総司(いぶさん)

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第十節 初めての×××

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季節は12月。再び冬がやって来た。色鮮やかなイルミネーションが光る街は、クリスマスムードを醸し出していた。



クリスマス一週間前――、

あの通学路にて爆破と杉田は会話していた。

「なあ、好実」

「何だい? スマシちゃん」

「今年のプレゼント、何が良い?」



「……」

「……」



「ズバリ」

「?」



「生まれたままの姿の君が欲しい!」



「!」

ズデッと腰を抜かす爆破。

「ふっ、ふざけているのか!? この変態!!」

「まあまあスマシちゃん。俺らは付き合っていて、歳ももうすぐ18歳と14歳。そういう事をしても、良い頃合いじゃないか? それとも、俺をそこまで好きではないとか?」

「馬鹿言え、好きに……決まっておるだろうが。た……確かに都会では普通にする頃合いかも知れんな、高校二年生と中学二年生、か……ここは一つ、一肌脱いでやろうか」

「その言葉通りだね、スマシちゃん。使い方間違ってそうだよ」

杉田はケタケタと笑った。



爆破の通う中学校にて――、

「おはよう! 爆破さん」

只野友人が爆破に話し掛けてきた。

「おは……よう」

「爆破さんって勉強の成績良いよね。昼休憩に、ちょっと勉強を教えて欲しいんだけど、いいかな?」

「別に……構わんが」



昼休憩――、

爆破が只野に勉強を教えている。『わぁああ!』とか、『凄ぉい!』だとか、只野はオーバーリアクション気味に反応する。気付けば昼休憩も終わり、遂には放課後となっていた。



通学路にて――、

「よっ」

「ああ」

杉田と爆破は出会った。

「ふーん、そんな事が、ねぇ……」

「確かに私は勉強を教えただけだ。なのに只野は妙に嬉しそうだったんだ」

「その子はただの友達だよね?」

「ああ、そう思っている」

「しかしだなぁ、スマシちゃん。男女間の友情は成立しないんだ。行き過ぎるとムフフな事になるからな」

ズデッとずっこける爆破。数秒懸けて立ち上がり、言う。

「何が言いたい?」

「そりゃあ、恋とは十人十色さ。どこからアプローチを掛けてくるか分からないよ?」

「そうか……なら、アイツがまた声を掛けてきたら、今、付き合っている人がいると、正直に伝えよう」

「よろしく」



翌日――、

「爆破さん!」

再び只野が勉強を教えて欲しいとせがんで来た。そこで爆破は言う。

「悪いな」

「?」

「私には、今付き合っている人がいるんだ。だからつまり、そういう事だからな」

「それがどうしたの? それにどういう事なの?」

「!」

爆破は驚愕した。

(こやつ、それ目的では無かったのか? そして、ド天然か!?)

そして爆破はあたふたしながら言うのであった。

「あ……、ああ。何でもない。今のは忘れてくれ」

この日もまた、爆破は只野に勉強を教えるのだった。



放課後、通学路にて――、

「あ!」

「よっ!」

今日あった事を、爆破は杉田に話す。

「だからぁ、只野にその気は無かったぞ? お前の言った通りでは無かったんだ」

「男は社会を作り、女は感情を知る」

ぶつぶつと独り言を言っている杉田。

「おい! 聞いているのか!?」

「ああ、悪い。考え事をしていたんだ」

「人が話をしている時に……! 只野にはこれからも勉強を教えてやる事にするぞ? いいな!」

「了解了解。しかしその只野って奴変わっているな。今まで聞いたことのない奴だ。よもや、ニュータイプ?」

「馬鹿なこと言ってないで帰るぞ!」

「あーハイハイ。こりゃ失礼」

二人はそれぞれの家路を辿った。



月日は流れ、クリスマスイヴの日――、

「ほ……本当に入るのか!?」

「大丈夫だって。ささ、入った入った」

爆破は杉田の二人は、ラブホテルの前に居た。

「お前は18くらいだけど、私はまだ14歳程なんだぞ!?」

「大丈夫だってー。スマシちゃん、背も160センチ超えてるし、私服にしたら大人っぽく見えるよ。バレやしないって」

「! ――」

「人生全てが勉強だ。ささ、入るよ」

杉田がドアを開け、二人はラブホテルに入った。

「いらっしゃいませ」

「ちーす、1時間くらい、で」

(何で常連の様に入って行けるんだ? まさか浮気している? コイツなら……やり兼ねん)

二人は個室に入った。ジトーっと爆破は杉田を見ていた。

「さて、始めますか? ん?」

杉田は爆破の表情を見てキョトンとする。

「何?」

「好実、お前……浮気しているな?」

「ブッ! ハハ。何それ?」

「とぼけても無駄だぞ! この店に入り慣れているということは、そういうコトなんだろう!?」

「待ってくれよスマシちゃん、俺は好きな人が居れば一筋だって。入り慣れている様に見えたのは、俺の心臓に毛が生えているからだろう」

「はぁー。お前には、つくづく煮え湯を飲まされる」

「じゃっ、脱いで」

「馬鹿者ォ!!」

バシッと杉田の頬をビンタする爆破。

「じゃっではなかろうが! 簡単に言いおって」

「いったいなぁー、じゃあここに来ておいて、何もせずに帰るのかい?」

「……いや、して……やろう。しかし、」

「?」

「良いと言うまで、むこうを向いていろ」

「はーい」

顔を赤くしながら、爆破は服を脱いでいく。

上着、シャツ、下着……。

ジーパン、下着……。

近くにあったタオルを手に取り、暫く、佇んでいた。そして、口を開く。



「良いぞ」



「はーい」

杉田は振り向く。杉田も服を脱ぎ、下着だけとなっていた。痩せ型だが、杉田の腹筋は割れていた。

「おっ、タオル」

「外すぞ」

爆破は、はらりと持っていたタオルを床に落とした。

傷一つない四肢――、

スレンダーで、且つ膨らみのある胸。

そんな身体を杉田は目にした。

「キレイだ、スマシちゃん」

「スマシちゃんじゃない。スマシだ」

杉田は首を縦に振り、言い直した。

「綺麗だ、スマシ」

そして杉田も裸となり――、

二人の体は重なった。



――。

こうして、二人は肉体関係を結ぶ。



一時間後――、

二人は街を歩いていた。爆破は杉田に問う。

「良かった……か?」

「ああ……良かった。スマシ……は?」

「痛かった……こういう事って、痛いんだなぁ」

「そりゃあ、初めてだったからじゃないかな?」



「そうか、初めてって、痛いんだなぁ」



街を歩き、帰路に立つ二人。とある十字路に差し掛かる所で二人は別れることとなる。先に口を開いたのは爆破。

「次は……」

「次、するときには、俺がスマシを開発させてやる!」

遮るように杉田は言い放った。

「――、馬鹿者……」

この“次”というのは結果的には来ない事となる。それは何故か? どういった経路であるかはこの物語の続きに綴っていきたいと思う。

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