【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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3歳

17-教会

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「どうしました?サディス」

セリ様の部屋の前で、待機している姿に声をかける。

「魔力制御は魔道士並みに精緻です。人の子とはあんなに扱いが上手いものだったか。
エルフでもなく、辺境の教師もついていない幼い子供で…あの子供は、何でしょうか?」


私はシンプルに疑問に答える事にします。

「お仕えする家のお子様です。」
「あの子供は、“他の子にすれば良い”と考えているようです。」

(それは…)

私には考えられない。聡く、年齢では考えられない部分が時折り見える。魔導書への興味、魔導具の発見も。
(まるで知っていたかのように。)

普通の子供には、おかしいと思う節が多過ぎると屋敷の者は言う。しかし危険ではないのだ。きっと、二心もない。乗っ取り?それは親類と名乗り出ている方々の思惑でしょう。当主不在の貴族の家はなんと弱いのか。

このままヴェーネン家の貴族として消える道を、歩めと強制したくはない。彼女には選択肢がある。
私の考えを飲み込み、サディスに指示を出す。

「仕事に戻りなさい。」

無表情な子ですが、戸惑いを感じます。
仕えるべき主人が居ない状況で、忠誠を求めるのは難しい。特にサディスは当主様とに面識も少なく絵姿で姿を覚えているでしょう。ヴェーネン家に良く現れる紺色の髪。

私は、先々代から関わりのあるこの家に仕え続けるつもりだが。サディスをこの場所に縛りつけるのには迷いがある。要領に良く、執事として優秀だが心を開ける相手はいるだろうか?

腕っ節も能力もあるが故に、孤立しやすいのが心配だ。そして自らの主人を求める気持ちが強いのも視野を狭くする。
(セリ様に期待する気持ちもわかるのですが)

入室すると眠っていらっしゃったため、ベッドに抱いて移動した。私の腕に小さな身の重さを感じる。
この方が、ヴェーネン家の血を継ぐお子だと。

信じるしかない。養子にすることも家としては可能でも、この小さな子に全てを背負わせるには酷でしょう。
特別な子であろうとも、当主の連れて来た乳飲み子は両親が側におらず、育っている。

(当主様はどこに居られるのか。)

あの方の幼い頃の面影が重なる。セリ様に掛け布を肩まで上げ、部屋を辞した。
冬支度を計画しなければ。秋が終わればすぐ、冬ですね。商人との契約もあります食糧計画を見直しましょう。

「魔物を間引くのに冒険者を雇い、食事の提供もするとなると」
「街での購入が?」

「買い付けに行くのも手段のひとつかと。」

大まかな修正はできた。このキッカケをくれた功労者に褒賞が必要か。

「セリと話すか。」
しかし、セリと話すタイミングを逃してしまった。


兆候が魔導具で察知できたため、オジサマは対応に追われている。天気はカラッと晴れ、馬車の旅は順調。
そして外が見えないから暇。

(契約の詳細はわからないけど、無駄になる食糧計画は回避できたらしい。)

グラウルが、報告してくれてわかった。3歳児に丁寧な執事だ。

とりあえず、ここで借財が増える事はない。大きな利はないが安定した利が入る。もともと、とんでもなく高い魔導具のパーツを買わなければ、慎ましく生活できるのだ。

箱馬車に、物と人を乗せて街へ向かっている。私も非戦闘員なので、避難するよう言い渡された。
執事2人、メイド、庭師の師弟。あぶれている私に、コックは馬を操っている。

買い出し用で、魔物が出れば逃げる。魔物が出たようだけど、薬玉を投げつけ魔物を避けた。

無事に教会へ着いた。

人でごった返していて、冒険者の姿も見られる。
家族を一時的に預けにきたり、怪我人を診てもらう耐えられためか。

避難場所だった。

ここ預けられる形だ。ぼんやり記憶がある。寄進に来たりしているから、知っている。

集まって討伐場所に向かう。冒険者ギルドの仕切りだ。帰りは冒険者を雇う
草原は、魔物が出るため急いで駆け抜けた。護衛付きでグラウルが戻る。

怪我人の手当てに、水を出しに回った。
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