【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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6歳

22

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6歳の行動範囲に、冒険者ギルドが加わった。毎回お菓子がつくのか。気を使われている。

(美味しい)

「今日、この魔導具の調整ができた上がった。」
「できましたか?!」

虫の魔物は、魔石が小さいせいか魔導具の探知にかからない。その改造版ができたらしい。

「対象が飛ぶとなると難しいな。」
「振動と魔力で判断してるから、しょうがない。」

探知の魔力には土魔法と水魔法もある。水は探知が狭く、遮蔽物があると難しいらしい。
水魔法を優位にして、飛んでいる魔虫の数がわかるように。一匹程度じゃわからないけど、群れならわかるほど精度が上がった。

「魔物の居る範囲が、靄のように表示される。」
「試せる場所、ありますか?」

「中堅の冒険者チームに依頼を出そう。結果が気になる。」

お勧めの冒険者に、ダンジョンで試してもらうらしい。ギルド長の引き出しから書類で選んでいる様子だ。

「ドワーフが入っているのと、壊さない冒険者チームは…。」

冷めて飲み頃の紅茶を飲む。今日はあまり冒険者ギルドに長居できない。
そのかわり、教会のシスターから簡単なポーションの作り方を教わる。

6歳と言えば、下働きで働いている頃合いだ。
(そろそろ一人で火を使わせてくれても良いのに。)


紅茶を飲み終わり、お暇する。ギルド長は忙しいので顔を出しただけです。

「手紙を送る!」

と後ろからの声にひらりと手を振り、階下につくと依頼ボードを眺めてみる。

採取、討伐と“お手伝い依頼”。
受講のお知らせにヴェーネン家で宿泊、森か平原での実地訓練を受けられる。ちなみに貴族タイプマナーを受講してなければ、受理されない。

(それでも。冒険者のマナーってアレだよね)


冒険者の連れた犬が見えた。狩りの相棒で“まだ会ったことがない。”
(いいなあ。可愛がりたい。)

狩りの相棒に勝手にさわれないし、2度目でも叶わない事だった。


飼えないし、そもそも可愛がっていたら狩りの相棒にはできない。厳しくないと双方に危ないから。
(別棟に来てくれたら、触らせてもらおう。)

以前のように。ちょっと折り合いがついてるかなあ。
まあ、問題の先送りなんだけど。


教会で一泊して、迎えの馬車で帰る。それまでは平民として過ごせているけど、行動範囲は馴染みのところしか行けない。働くのも危ないだけだし、子供1人が働くなんて無理だ。
できて冒険者登録してからだ。食べるのに困れば、登録させてもらえて掃除や手伝いの仕事で食いつなげる。


この街は、その辺しっかりしているから治安も良い。
絡んでくる人はいるけど。


「どこの貴族様だって?」
「知らんだろう?ヴェーネン家の後継様だ!」


(こういうバカがいる。)

牧師様に対応してもらった。

「ああいうの、前にもいましたか?」
「貴族だと匂わす輩はいますが、この辺はヴェーネン家以外にはなかなかいらっしゃらないので。」

(いたんだな)

頭が痛くなった。ああいうのはどっから湧いてくるんだろう?

「消し去りたい。」

冒険者ギルドにお願いしてみようと思う。本当に貴族関係者だったら面倒だし、できれば潰して欲しい。
「物理で。」

「跡形もなく」
神父様のが物騒だった。

そんな騒動があっても、和やかに夕食が始まった。日が沈みかけのかなり早い時間だけど子供達は早寝だ。
湯浴みをしてすぐ寝る。

訂正、騒ぐ。
「やだああ!寝ないいっ」「うええええっ」



おはなしをしたら、やっと寝た。


子供ってどこにあんな体力あるんだろう。
12歳の記憶と、6歳を足すと成人している18歳。

そこまで単純計算じゃないだろうけど。子供ができてもおかしくない年齢か。


政略結婚とか、貴族の嗜みって言うし。辺境は生まれた時から決まってるか、お見合いがわりに交流会が催された。12歳だったかな?


思い出したり、忘れていたり。

(なんでかなあ。)


運命神の教会、そのマークを見上げながらつらつらと考え込んで、そのうち寝に部屋へ戻った。
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