【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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9歳

嫌なの?

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「王都で学びを深めるのがよろしいかと。」

メイド主張が強い。マリーの教育を受け、ステラの振る舞いは『お客様に見せられるくらいにはなったわ』と言われている。そのマリーが引退して、繁忙時期には手伝いに来てくれる。ご家族は心配だろうけど。助かっています。

そして、ステラがこの主張を混ぜてくるのはもう習慣のようになっていた。セリが行けば、専属のメイドとして連れて行ってもらえると覚えている。

女1人が気楽に行く道行きでもなく、護衛と馬車があって急いで3日はかかる。そして王都に行けば確実に騙されそうなのは、未だに地が出て隙のある性格からだ。
「なんで躊躇うのよ!王都よ?華やかな世界に足を踏み入れるべきよっ」

この主張は的外れだ。家として、社交には出ていないし、どちらかと言うと陰謀渦巻く世界だ。それに、ステラの浮かれ具合にも不安を覚える。

「浮かれて、王都に慣れていないのが丸わかりなメイド。」
「目をつけられて、売られるな。」

「浮かれて仕事にならないでしょうね?」

キッチンでの片付けに参加できないセリに、合わせたバリス。それに加えてサディスがひと言。
疑問系で語尾は上がったけど、“仕事しない”と確信していそうだ。

サディスは人事権があり、ステラの上司でもあるから評価を無視できない。

「逃げられないんだからね!」

「王都へ行きたいってのが再燃した?」
「今いるのが王都から来た冒険者だからな。」

そこから話を聞いて行きたいらしい。

「何をそんなに行きたいんだか。」
「俺は、そこまでセリが行きたいくない方が疑問だが。」

「親類っていう、面倒事が待ち受けてるのに?」

この辺境までは嫌がらせは届いていないものの、噂話や王都の屋敷には何かと問い合わせがあるそうで。
ガイサス宛に手紙で報告に入っている。私にも見せてもらったのは、以前は聞かなかったから。

「あー、貴族だからなあ。搦手か粘着質でな~。」

冒険者の時に、面倒だった相手が貴族だというがセリも貴族だ。

「セリュート・ヴェーネンも貴族だよ。社交に出ない病弱な後継者らしいよ。」
「そうか?辺境で冒険者とともにいる後継者様って話も聞くぞ!」

噂が両極端で、どこから流れているのだろうと思っているところだ。

「真面目な話、王都に行きたくねーの?」
「いや、そこまで。魔導具の部品を見たいとか書店で本を見たいっていうのはある。」

コツコツと冒険者に真似事をしたおかげで、高価な物も手が出せる。もちろん思うままに買うって事はないけど。
屋敷を離れる理由としては、弱いなと思った。

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