【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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<竜の翼 編>

最強の警護

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「この子の引き取る条件の話になる?」
「ソウネ、本人の意思と保護者、依頼の話を詰めるってかんじヨ。」

(何かは達成できたらしい。)
また、変わった。以前にはかけらもなかった変化の兆し。動き出している予感は、良い方だと告げている。

「拠点に連れて帰る?」
「一緒だ!」

『竜の翼』内での意見は纏まったらしい。

「待ってくれ、ヴェーネン家の後継だ。連れていっては困る!」

ガイサスが待ったをかけた。セリが説得しようと動きかけたがやんわり止められる。

「そこは、しっかり話そうか?」

大人の話が始まるのに、自身は不参加らしい。シュルトとお話しだ。
「竜人って種族は、聞いたことあるカシラ?」

「こわーい、種族!」

カナンが高い声を作ってふざけて言う。
ロードとバチバチ火花が飛んでいるけど、シュルトとの話は続いている。

「できれば『竜の翼』王都の拠点に招待したいのだケド、どう?」

「行ってみたい、以前の記憶にない事をしてみたい。」

本心だが、変化がありすぎて勢い任せ過ぎるかとは思っている。
ガイサスの方の話が気にする

「何が気になる?安全性、依頼料に信用?」

「確かに急な話で、セリの意思もですが安全面も万全にしたいのです。」

「狙われてるって事だね。尚更、居場所をくらませるのと護衛が増えるのは歓迎じゃない?」


(やっぱり親類が強硬な手段を取ってくるんだ。)

暗殺。以前は達成されなかった方法で、死。

バキッ!
「氷だな。」

カナンの説明通り、ロードの手元に氷が生えている。

「『氷の竜人』は凍てつくような対応で、刺客もいっちょ上がりになるには見ものだからな!」

甘い表情しか向けられていないセリは混乱した。
「誰が?同じ種族の人?」

「ロード。」

「泣いたけど?」

ちょっと沈黙しているのが、怒る一歩手前みたいで緊張する。
少し落ち着いたのか、抱きしめられたままだ。

「12歳で死ぬ可能性とか。他の手段を取られるって事もある、う“?」
ロードに再び、ぎゅっとされた。

「そういえば、死因は?」

「毒殺。」
「貴族で?」

毒の耐性をつけるのが嗜みとされているからだろう。

「相手も貴族だから。」

珍しいものを使われたと予想される。

「犯人わかってるの?」
「以前は屋敷に乗り込んできた人達。」

微妙な表情のガイサスに、部屋の隅で佇んでいたグラウルも気配が揺れる。


「ソウネ、大事なお嬢さんを一時的に預かるんですもの。ロードからも守るワ。」

「依頼料はそのハンカチで良いよ?」

セリの持つ、シンプルな白いハンカチを指す。

「竜人の涙って手に入らないんだよ?」

値段のつかないが、希少価値らしい。


色々躱された感じもするが、そういえば初めてのお泊まりだなと雰囲気からズレて楽しみなセリだった。
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