【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。

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「リリスティーンも、困った子ね。」

馬車である方の屋敷へ赴いている道中は、私付きのメイドのラーナと一緒。
「招待状は態とですね。」
「それに、誰が関わっているかは調べてくれるけど。誰かしら？」

「使用人の私には、分かりません。」

「それ、分かってても言えませんよね。」

「お嬢様は、意地悪です。」

「ふふっ。貴女相手だとついね。」

執事長の孫で、私の幼馴染。仕える家は、違う。今から行く他国の貴い人に仕えている。


「もう、救い用がないのかしら。」
「国の方にも報告が行っていますので、難しいかと。」

使用人ネットワークでは、伯爵家の傾きを捉えていた。お金がないため。古参組の解雇も進んでいるが、それがお母様との契約違反に当たるらしい。

「私も契約書を見たいわ。」
私の教育費、お金関連の出し渋りがあるのは確かで。
「多分、お義母様が持ち出しているのね」
「盗人だけだけしい」

ただの語彙の確認ね。貴族を使用人が馬鹿にすることないもの？

「母の置いて行ったドレスもどうなったことやら。売られてしまったかしら。
私のはあの方にドレスの相談ができるけど。急だけど、大丈夫かしら？」

2週間でドレスは通常なら無茶過ぎる。

「お嬢様のサイズは控えております。専属の針子が頑張りますのでご心配なく。」
「労ってあげてね？」


応接間に通され、すぐに専属の針子の方を紹介されて、話をした。
「ドレス、楽しみだわ。」

「僕にも見せてくれるかい？」
「叔父様！」

母の弟に当たる人。

「隣国へ渡る準備の時期と聞いていたのに、申し訳ありません。」

とても急がしい時に、急に来てしまった。」
「可愛いレディの力になるなら、問題ないよ。頼ってくれて嬉しい。」


おもてになる叔父様らしい言い方で、申し訳なさを和らげてくれた。


「それにしても、急な誘いは無礼だね？」

あ、怒ってらっしゃる。
いつもの柔和な笑顔に見えるけど、分かった。


「詳しくは、皆んなが調べてくれています。」
「わかった。そこは任せよう。それで…

僕に、エスコートの栄誉を与えてくれるかな？」


私はそれに、お願いしますと答えました。