【完結済み】天罰って人の手を介している時点で方便ですよね<前・中・後編>

BBやっこ

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前編

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「~であるからして、私ゼノム・ファータリスは王家の人間として証言し、“神裁判”を行う!」

成人の祝福を受けるための集まりが、王子の演説になってしまったのに周りは従うしかない。
止められる人間が、教師の中にも居ないのだ。
“神裁判”を王家の人間として行う宣言なら尚更。


この場所は、学校内にある神殿。嘘偽りを嫌い、正道を説き導く場所。
私は複数の男女に睨まれているまま、王子の話を聞くをしている。

装飾後が多く、聞きづらいし、聞いてられないわ。

裁判にかけるのは、まだ名指しされていないけど
聖女との結婚を求められている王族と聖女の娘である私。
その婚約を破棄するための茶番だろう。

私達の仲は“関わりたくないもの同士の距離”と説明すればわかりますか?
王子の従者が煩く“仲を取り持つ”とか調子の良いことを言ってきてたので「ほっとけ」とひと言、バッサリ言ってからその後は来なかった。平和だったのに。

王子の方は側室が娶れる立場だ。学内でも浮名を流し、それらの噂もほぼ真実だろう。
勝手に結ばれた婚約に従いたくないのは、私の方だ。

聖女の娘と言えど、聖女にならない道を選んだのに。そんな私に圧力はあった。
苦言を呈する教育者がいたし、
お偉いさん(何が偉いの?ー態度?)な人に、馬鹿な長話に付き合わされたことも。しばしば。

今は亡き母を持ち出す輩に、惑わされはしない。

私の母は、自分の娘に「聖女の道を歩まなくても良い」と幼い私に手記として残した。
ついでに聖女の働きの黒さ、裏事情まで暴露してくれた。

お母さん。そこまでぶっちゃけなくてもよかったよ。
お陰で聖女様に夢を持てない。尊敬はしているけどね。


身の上を思い出す時間を使っても、まだ王子の話が続いてる。
話が長いのは高齢の王様に似たわね。遅くにできた男の子だから甘やかされたって?出来も残念だね。

演劇のように話しているけど、内容は有名な言い回しをコピペして繋げたような…
あの子煩い従者が作ったのかなあ。


「天に与えられなかったのは試練であると思われたが…」

“天の試練を受けて聖女への道に入る”神殿で教わる聖女への道の一節だ。
それを望んだことはなかった。私は聖女になりたいとも言っていない。

王族の方から、『聖女にならないのを明言、公言を控えてくれ。』と言われて口をつぐんでいたけど。

政治上、国に聖女候補が多いのが望ましいらしいから。
婚約をした時は抵抗できなかったけど。今は違う。
現状名前だけ婚約者としているし、学生の活動範囲で神殿の手伝いをしている。知人友人にも別の道を進むと周知しているんだけど。

“名目上、婚約者”の王子様は知らないのか。“聖女の娘が婚約者”は便利で箔がつきますものね?
私の方のがマイナス効果だ。そんな政治バランスを考えていない?
信じていない方なのかしら。

卒業後に婚約破棄して、今婚約候補の数人が花嫁修行や留学から帰ってきて王家に入る。
私の婚約は、政治上の見せかけの婚約者になった。“したハズ”だ。


まだ、私を王家に入れたい者がいるのかしら?


「まだ候補の身でありながら!聖女になるために、その人物に虐げられた人間がいる。」
チラチラこっち見んな。

未だに名指しない。名前を出さずとも、私が悪者か。

王子陣営の準備は万端。
タイミングがバッチリ計画的。

私の見方が遠ざけられ、今は分が悪い。


「ラーチェ・シルベスタを連れて行け!」


そうして私は成人の祝福を受けそびれ、退場させられたのだった。
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