1 / 3
前編
しおりを挟む
「~であるからして、私ゼノム・ファータリスは王家の人間として証言し、“神裁判”を行う!」
成人の祝福を受けるための集まりが、王子の演説になってしまったのに周りは従うしかない。
止められる人間が、教師の中にも居ないのだ。
“神裁判”を王家の人間として行う宣言なら尚更。
この場所は、学校内にある神殿。嘘偽りを嫌い、正道を説き導く場所。
私は複数の男女に睨まれているまま、王子の話を聞くフリをしている。
装飾後が多く、聞きづらいし、聞いてられないわ。
裁判にかけるのは、まだ名指しされていないけど
聖女との結婚を求められている王族と聖女の娘である私。
その婚約を破棄するための茶番だろう。
私達の仲は“関わりたくないもの同士の距離”と説明すればわかりますか?
王子の従者が煩く“仲を取り持つ”とか調子の良いことを言ってきてたので「ほっとけ」とひと言、バッサリ言ってからその後は来なかった。平和だったのに。
王子の方は側室が娶れる立場だ。学内でも浮名を流し、それらの噂もほぼ真実だろう。
勝手に結ばれた婚約に従いたくないのは、私の方だ。
聖女の娘と言えど、聖女にならない道を選んだのに。そんな私に圧力はあった。
苦言を呈する教育者がいたし、
お偉いさん(何が偉いの?ー態度?)な人に、馬鹿な長話に付き合わされたことも。しばしば。
今は亡き母を持ち出す輩に、惑わされはしない。
私の母は、自分の娘に「聖女の道を歩まなくても良い」と幼い私に手記として残した。
ついでに聖女の働きの黒さ、裏事情まで暴露してくれた。
お母さん。そこまでぶっちゃけなくてもよかったよ。
お陰で聖女様に夢を持てない。尊敬はしているけどね。
身の上を思い出す時間を使っても、まだ王子の話が続いてる。
話が長いのは高齢の王様に似たわね。遅くにできた男の子だから甘やかされたって?出来も残念だね。
演劇のように話しているけど、内容は有名な言い回しをコピペして繋げたような…
あの子煩い従者が作ったのかなあ。
「天に与えられなかったのは試練であると思われたが…」
“天の試練を受けて聖女への道に入る”神殿で教わる聖女への道の一節だ。
それを望んだことはなかった。私は聖女になりたいとも言っていない。
王族の方から、『聖女にならないのを明言、公言を控えてくれ。』と言われて口をつぐんでいたけど。
政治上、国に聖女候補が多いのが望ましいらしいから。
婚約をした時は抵抗できなかったけど。今は違う。
現状名前だけ婚約者としているし、学生の活動範囲で神殿の手伝いをしている。知人友人にも別の道を進むと周知しているんだけど。
“名目上、婚約者”の王子様は知らないのか。“聖女の娘が婚約者”は便利で箔がつきますものね?
私の方のがマイナス効果だ。そんな政治バランスを考えていない?
信じていない方なのかしら。
卒業後に婚約破棄して、今婚約候補の数人が花嫁修行や留学から帰ってきて王家に入る。
私の婚約は、政治上の見せかけの婚約者になった。“したハズ”だ。
まだ、私を王家に入れたい者がいるのかしら?
「まだ候補の身でありながら!聖女になるために、その人物に虐げられた人間がいる。」
チラチラこっち見んな。
未だに名指しない。名前を出さずとも、私が悪者か。
王子陣営の準備は万端。
タイミングがバッチリ計画的。
私の見方が遠ざけられ、今は分が悪い。
「ラーチェ・シルベスタを連れて行け!」
そうして私は成人の祝福を受けそびれ、退場させられたのだった。
成人の祝福を受けるための集まりが、王子の演説になってしまったのに周りは従うしかない。
止められる人間が、教師の中にも居ないのだ。
“神裁判”を王家の人間として行う宣言なら尚更。
この場所は、学校内にある神殿。嘘偽りを嫌い、正道を説き導く場所。
私は複数の男女に睨まれているまま、王子の話を聞くフリをしている。
装飾後が多く、聞きづらいし、聞いてられないわ。
裁判にかけるのは、まだ名指しされていないけど
聖女との結婚を求められている王族と聖女の娘である私。
その婚約を破棄するための茶番だろう。
私達の仲は“関わりたくないもの同士の距離”と説明すればわかりますか?
王子の従者が煩く“仲を取り持つ”とか調子の良いことを言ってきてたので「ほっとけ」とひと言、バッサリ言ってからその後は来なかった。平和だったのに。
王子の方は側室が娶れる立場だ。学内でも浮名を流し、それらの噂もほぼ真実だろう。
勝手に結ばれた婚約に従いたくないのは、私の方だ。
聖女の娘と言えど、聖女にならない道を選んだのに。そんな私に圧力はあった。
苦言を呈する教育者がいたし、
お偉いさん(何が偉いの?ー態度?)な人に、馬鹿な長話に付き合わされたことも。しばしば。
今は亡き母を持ち出す輩に、惑わされはしない。
私の母は、自分の娘に「聖女の道を歩まなくても良い」と幼い私に手記として残した。
ついでに聖女の働きの黒さ、裏事情まで暴露してくれた。
お母さん。そこまでぶっちゃけなくてもよかったよ。
お陰で聖女様に夢を持てない。尊敬はしているけどね。
身の上を思い出す時間を使っても、まだ王子の話が続いてる。
話が長いのは高齢の王様に似たわね。遅くにできた男の子だから甘やかされたって?出来も残念だね。
演劇のように話しているけど、内容は有名な言い回しをコピペして繋げたような…
あの子煩い従者が作ったのかなあ。
「天に与えられなかったのは試練であると思われたが…」
“天の試練を受けて聖女への道に入る”神殿で教わる聖女への道の一節だ。
それを望んだことはなかった。私は聖女になりたいとも言っていない。
王族の方から、『聖女にならないのを明言、公言を控えてくれ。』と言われて口をつぐんでいたけど。
政治上、国に聖女候補が多いのが望ましいらしいから。
婚約をした時は抵抗できなかったけど。今は違う。
現状名前だけ婚約者としているし、学生の活動範囲で神殿の手伝いをしている。知人友人にも別の道を進むと周知しているんだけど。
“名目上、婚約者”の王子様は知らないのか。“聖女の娘が婚約者”は便利で箔がつきますものね?
私の方のがマイナス効果だ。そんな政治バランスを考えていない?
信じていない方なのかしら。
卒業後に婚約破棄して、今婚約候補の数人が花嫁修行や留学から帰ってきて王家に入る。
私の婚約は、政治上の見せかけの婚約者になった。“したハズ”だ。
まだ、私を王家に入れたい者がいるのかしら?
「まだ候補の身でありながら!聖女になるために、その人物に虐げられた人間がいる。」
チラチラこっち見んな。
未だに名指しない。名前を出さずとも、私が悪者か。
王子陣営の準備は万端。
タイミングがバッチリ計画的。
私の見方が遠ざけられ、今は分が悪い。
「ラーチェ・シルベスタを連れて行け!」
そうして私は成人の祝福を受けそびれ、退場させられたのだった。
104
あなたにおすすめの小説
リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します
青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。
キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。
結界が消えた王国はいかに?
何でも欲しがる妹を持つ姉が3人寄れば文殊の知恵~姉を辞めます。侯爵令嬢3大美女が国を捨て聖女になり、幸せを掴む
青の雀
恋愛
婚約破棄から玉の輿39話、40話、71話スピンオフ
王宮でのパーティがあった時のこと、今宵もあちらこちらで婚約破棄宣言が行われているが、同じ日に同じような状況で、何でも欲しがる妹が原因で婚約破棄にあった令嬢が3人いたのである。その3人は国内三大美女と呼ばわれる令嬢だったことから、物語は始まる。
聖女アマリア ~喜んで、婚約破棄を承ります。
青の雀
恋愛
公爵令嬢アマリアは、15歳の誕生日の翌日、前世の記憶を思い出す。
婚約者である王太子エドモンドから、18歳の学園の卒業パーティで王太子妃の座を狙った男爵令嬢リリカからの告発を真に受け、冤罪で断罪、婚約破棄され公開処刑されてしまう記憶であった。
王太子エドモンドと学園から逃げるため、留学することに。隣国へ留学したアマリアは、聖女に認定され、覚醒する。そこで隣国の皇太子から求婚されるが、アマリアには、エドモンドという婚約者がいるため、返事に窮す。
身分違いの恋
青の雀
恋愛
美しい月夜の晩に生まれた第1王女ベルーナは、国王と正妃の間に生まれた初めての娘。
権力闘争に巻き込まれ、誘拐されてしまう。
王子だったら、殺されていたところだが、女の子なので、攫ったはいいものの、処理に困って、置き去りにされる。
たまたま通りすがりの冒険者家族に拾われ、そのまま王国から出る。
長じて、ベルーナの容姿は、すっかり美貌と品位に包まれ、一目惚れ冒険者が続出するほどに
養父は功績を讃えられ、男爵の地位になる。
叙勲パーティが王宮で開かれ、ベルーナに王子は一目ぼれするが、周囲は身分違いで猛反対される。
父が転勤中に突如現れた継母子に婚約者も家も王家!?も乗っ取られそうになったので、屋敷ごとさよならすることにしました。どうぞご勝手に。
青の雀
恋愛
何でも欲しがり屋の自称病弱な義妹は、公爵家当主の座も王子様の婚約者も狙う。と似たような話になる予定。ちょっと、違うけど、発想は同じ。
公爵令嬢のジュリアスティは、幼い時から精霊の申し子で、聖女様ではないか?と噂があった令嬢。
父が長期出張中に、なぜか新しい後妻と連れ子の娘が転がり込んできたのだ。
そして、継母と義姉妹はやりたい放題をして、王子様からも婚約破棄されてしまいます。
3人がお出かけした隙に、屋根裏部屋に閉じ込められたジュリアスティは、精霊の手を借り、使用人と屋敷ごと家出を試みます。
長期出張中の父の赴任先に、無事着くと聖女覚醒して、他国の王子様と幸せになるという話ができれば、イイなぁと思って書き始めます。
置き去りにされた聖女様
青の雀
恋愛
置き去り作品第5弾
孤児のミカエルは、教会に下男として雇われているうちに、子供のいない公爵夫妻に引き取られてしまう
公爵がミカエルの美しい姿に心を奪われ、ミカエルなら良き婿殿を迎えることができるかもしれないという一縷の望みを託したからだ
ある日、お屋敷見物をしているとき、公爵夫人と庭師が乳くりあっているところに偶然、通りがかってしまう
ミカエルは、二人に気づかなかったが、二人は違う!見られたと勘違いしてしまい、ミカエルを連れ去り、どこかの廃屋に置き去りにする
最近、体調が悪くて、インフルの予防注射もまだ予約だけで……
それで昔、書いた作品を手直しして、短編を書いています。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
早く恋人関係になりたい ~もう二度と婚約破棄はしない
青の雀
恋愛
学園の卒業パーティで、生まれた時から決まっていた公爵令嬢サファイヤ嬢との婚約を破棄してしまった。そして、俺は、男爵令嬢オパールと婚約したが、浪費家で妃教育も投げ出すアホ女だった。国政や外交に支障をきたしていた時、サファイヤ嬢は、従兄弟マクロスと婚約し、支え、やがて従兄弟マクロスに王太子の座を奪われてしまう。俺は、廃嫡されアホ女は逃げ、平民落ちになった。
立太子の礼が終わり、剣の模範試合で、相手の剣が鳩尾に刺さった時、気を失って倒れてしまった。その時に前世の記憶を思い出してしまった。
アホ女のデマに惑わされず、今度こそ婚約者を守り抜く王太子のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる