恋と愛とで抱きしめて

鏡野ゆう

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本編

第二十七話 バカ連呼みゅうさん

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「なおっち、もしかしてさっきのが最後の講義?」

 図書館に借りていた本を返却しに行った時にみゅうさんに声をかけられた。

「はい、明日から夏休みです。みゅうさんは?」
「私は明日から二週間ほど研修で大学の法医学の教授のところなのよね」
「ってことは、やっぱりそのう……」
「うん。当然ご遺体が運び込まれた場合は解剖に立ち会うのよ?」
「ひぃぃぃ」

 そんな私の反応にみゅうさんは呆れたように笑った。分かってるんだよ? みゅうさんがしている検死が死因が不明な人を一人でも少なくする為のお仕事だっていうのも充分に理解してるんだ。別に亡くなっている人だからってわけじゃなくて、とにかく切られて血が出るっていうのが無理ぃ。

「何なのよ、医者の卵がそれでいいの? ほんと、なおっちは絶対に愁訴外来向きな感じよね」
「え……やっぱりそう思います? 私もこんなに血を見るのがダメだって思わなかったんですよ、自分も他人も痛いのイヤ……それが死んでる人でも」
「ま、考えようによっては患者さんの辛さが一番分かるってことなんだろうけど?」

 あんまり慰めになってないです……。

「んで、夏休みはどうすんの? 旦那と何処か行ったりするの?」
「んー……信吾さんのお休みは正直言って予定は未定なので何も計画立ててないんですよ。お父さんの遺産の処分の件で弁護士さんと会ったりしなきゃいけないのも残ってるし。今のところはゼミの子達と泳ぎに行く予定が一日だけ、かな」
「相変わらず引き籠っちゃいそうな雰囲気ね、ちゃんと出掛けるのよ?」
「分かってますよー」
「それからオジサンにも言っておくのよ? 夏休みだからってなおっちをベッドに縛りつけるようなことはしないようにって」

 思わず誰か聞いている人はいないかと周りを見回しちゃったよ。みゅうさんもそんなあからさまに言うのはやめて下さ~い!

「そ、そんなことないですよ、信吾さんは普通に仕事なんだから」
「いやいや、分かんないわ。なんせ体育会系なノリだから」
「怪我もしてるし」
「そのせいで前より控え目になってる?」
「……いえ、大差無いと思います」
「でしょ?」

 図書館のある教育棟から出て構内のカフェに行こうかって話しながら歩いていた時、誰かがこちらに近付いてきたのが視界の隅に入った。その人は周りの学生さんが何事かと振り返っちゃうぐらい只ならぬ雰囲気を周囲に撒き散らしている。

「ん? なんかお客さんが来たわよ、なおっち」
「え、私にですか?」
「私の知り合いにあんな厚化粧の親戚はいないもの」
「さりげなく酷いですね」
「事実を言ったまでだから」

 みゅうさんの言葉に誰かな?と首を傾げながら改めて自分に近付いてきているらしい人物に視線を向けた。あ……お父さんの元奥さん。

「お久し振りね、奈緒さん」

 日差しを避ける為の日傘や清楚な服は夫である国会議員を陰から支える賢夫人のイメージそのもの。パッと見はテレビで見た通りだけど、今はその顔にいつも浮かべている笑みはない。何て言うか能面みたいなお化粧をした顔が上に貼りついているって感じ。

「なおっち、この人、誰?」
「えっと、お父さんの……」
「ああ思い出した! 旦那が逮捕された途端に離婚届をつきつけて慰謝料をふんだくった人だ、そうでしょ? ワイドショーに出てたもの」
「み、みゅうさん……」

 わざとらしすぎて目眩がするよ、最初からこの人が誰だか分かっていたくせに。

「本当のことじゃない、何も遠慮することないわよ。そのぐらい言われても平気でしょ、離婚してから喪主をさせろだなんて言って葬式で未亡人面できるぐらいの厚顔無恥な女だもの。大学生の小娘に何を言われたって大したダメージなんて受けないわよ」

 気を遣うだけ無駄無駄という具合にみゅうさんは手をヒラヒラさせる。いやいや、かなりダメージ受けてると思うよ? ほら、なんか顔がピクピクしてるもの。

「奈緒さん、二人だけでお話しできないかしら」
「えっと……」
「必要ないわよ、なおっち。こういうタイミングで話したいだなんて、どうせ財産よこせとかロクでもない話に決まってるわ。何をするにも弁護士を介した方がハッキリしていて問題ないから、話をするなら弁護士を通してもらいなさい」
「少し黙っていてくださらないかしら、部外者にとやかく言われる筋合いの話ではないのよ?」
「何言ってるのよ。国会議員が稼いだお金で手にした財産ってことは、国民が払った税金で手にしたってことでしょ? ならば納税者の一人である私にだって少しぐらい口出しする権利はあるんじゃないの? それに私は選挙で投票にも行ってるわよ?」

 私、口出しする隙が無いんだけど、もしかしてみゅうさんに任せておけば大丈夫?なのかな。けど何だかギャラリーが増えてきた気がするよ……ちょっと恥ずかしいかもよ?

「それにね、なおっちはお父さんから相続するものに関しては金額の大小に関わらず、全部丸ごと、地元に寄付することにしてるの。そうよね?」

 口出しするタイミングが掴めないまま話を振られて慌てて頷く。なんだか私って当事者なのに一番蚊帳の外にいるみたい。

「……あ、はい」
「ほらね。だから貴女に渡すものなんて一銭もないわけ、お分かりかしら、おばさん?」
「それ、どういうことなの、奈緒さん。勝手なことされては困るわ貴女」
「……そう言われても弁護士の先生からは問題ないと言われましたし、生前分与扱いになっていた金銭は既に寄附しちゃってますから私の手元にはありませんけど」
「なんですって?」
「ねえ、なおっち。もしかして、この人はなおっちが生前分与で受け取っていたものまで自分達に寄こせとか馬鹿なこと言ってるの?」

 みゅうさんが首を傾げながら質問を挟んできた。

「そう、なんですかね……マンションのことでも何か言ってきた人がいるって聞きましたから、そうなのかも……」

 そこでみゅうさんは愉快そうに高笑いをした。そしてその高笑いがキャンパス中に響き渡っている。うわあ……みゅうさんのこの笑いは。来るよ、みゅうさんの一撃。この人、生きていられるかな、今のうちにそっと言っておこう……御愁傷さまです。

「あー、メチャクチャおかしい!! あんた、バカ?」
「なんですって?!」
「バカよね、うん、バカだわ」

 相手の顔色が真っ赤になろうが真っ青になろうがお構いなしのみゅうさんはそのまま言葉を相手にぶつけ始めた。でもさ真夏の昼間、こんな場所で立ち話するなんて私達も大概な馬鹿だと思うのは私だけ?

「何のための“生前分与”だと思ってるのよ、バッカじゃないの? それで政治家の妻してたの? 離婚しておいて喪主の座に居座っていたからバカじゃないかと思ってけど、本当にバカなのね、凄いわ、こんなの初めて見た」
「みゅ、みゅうさん……」
「それにさあ……貴女、財産がどうのこうのなんて呑気に言っていられる立場? 実家に警告が行っているわよね、それ理解してる? あ、バカだから理解してないのよね、だからここに立ってるわけだし」
「どうしてそんなことを見ず知らずの貴女に言われなければ……」

 元奥さんが口を挟んできたけれどみゅうさんの攻撃は止まらない。

「だからそんなこと言える立場かっていうの。貴女、奈緒の住所を調べようとしたわよね。彼女は今や陸上自衛隊幹部の妻なの、お分かり? 幹部よ、幹部。その彼女の住所を、外患誘致の共謀罪で取り調べを受けた貴女が、誰かを雇ってこそこそ調べるってことが関係各省にどういうふうに見えているか、少しはそのバカな脳味噌で考えてみたらどうなのよ。下手すると、バカな貴女も、バカな貴女のバカ息子も、バカな貴女のバカな実家も、一蓮托生でこの世から消えてなくなるんじゃないの? まあ世の中からバカが減ればそれだけ平和になるかもしれないけど」

 あーもう、みゅうさん、バカバカ連呼し過ぎだよ。

「もう少し考えてから行動しなさいよ、おばさん。貴女、少なくとも向こう十年は公安の監視対象なんだから。大人しくしてないと、今のところ唯一無傷な可愛い可愛いムスコチャンの将来が吹っ飛ぶわよ?」
「おーい、さなだー……」

 ちょっと遠巻きにこちらの様子を伺っていた三浦先輩が間の抜けた口調で声をかけてきた。

「何よ!」
「図書館に行きたい奴がたまってきたんだがどうすれば良いんだー?」
「見世物じゃないんだからねっ、聞こえないふりしてさっさと通り過ぎなさい!!」
「だってよー。皆、お客様に失礼の無いように無関心を装え、あ、携帯で写メるのもダメだぞー」

 私達の後ろをゾロゾロと図書館へと入っていく子達。三浦先輩に言われた通り何とか無関心を装ってくれているんだけど口元がムズムズしている人が何人かいるのが分かった。

「ごめんねー奈緒ちゃん、邪魔しちゃって。あ、この人って亡くなった片倉議員の元奥さんだよね。えっと確か戸川病院の院長先生がお父さんだったかな。ここで騒ぐのは得策じゃないと思いますよー? 医学部って何だかんだ言っても病院関係者が多いし、変に悪評が立ったら実家の院長先生が困りませんかー?」

 じゃ、俺もレポート用の資料を探してくるねーと言いながら図書館に行ってしまう三浦先輩。気のせいじゃなければ先輩も何気に脅迫めいたこと言い残していったよね、今。

「とにかく、財産がうんたらかんたら言い足りないんだったら、先ずは弁護士を通しなさいよ。そのぐらいの常識、普通はあるんじゃないの、バカにでも」

 まだバカ言いますか、みゅうさん。

「み、みゅうさん?」
「なによ」
「私、お日さまに当たり過ぎたのか頭痛いです……」
「あら、それは大変。ちょっと待って」

 そう言いながら何処かへ電話している。しばらくしてやってきたのは警備員さん。警備員さんが来るまでの間もみゅうさんはバカバカと好き放題に言っていたけど内容はもう耳に入ってきた記憶が無いよ。

「あ、この人、学校長が出している告知の一つ“部外者お断り”に該当する部外者なので、お願いします」

 二人の屈強な警備員さんに両脇を固められたら逆らえない。何か文句を言っていたけど、まーまー奥さん落ち着いてと言いながら連れ去られていった。

「……なんだか一年ぐらい寿命が縮んだ気がします」
「そお? 私は言いたいことが言えてスッキリしたから逆に一年ぐらい寿命が延びたかも」
「私の縮んだ分を返してください」
「いやよお……その代わりと言っちゃなんだけど、気分が良いからカフェで冷たいものおごってあげる」

 この時期は既に夏休みに入っている学生もいるのでカフェはいつもより空いて静かだ。二人して窓際の席に落ち着くとみゅうさんはアイスティーを、私はアイスココアを頼んだ。

「あれで諦めるんですかね、あの人……」
「どうかしらね。バカにつける薬は無いとか、バカは死んでも治らないっていうことわざがあるぐらいだからねえ……」
「みゅうさん、バカ連呼し過ぎでしたよ。そのうちあっちが名誉棄損で訴えるとか言い出すんじゃないかってハラハラしましたよ?」
「あら、そう? バカをバカと罵って何が悪いのって感じだけど。いいんじゃない、名誉棄損でも何でも訴えれば。どうせあっちのバカの上塗りになるだけだし。……だけどあれね、バカ連呼って、なんだかロシア人みたいな名前に聞こえる」
「え、そこですか……」

 やっぱりみゅうさんって凄いや、ブレてないっていうか……。

「三浦先輩も何気に気になること言ってましたね、悪評が立つと院長先生が困るとかどうとか」
「三浦はね、なおっちに借りがあったでしょ、松橋の件で。だからそれを返す良い機会だと思ったんだと思うわ。あのバカ女だって実家が傾けば今の生活は出来なくなるんだし、少しは困れば良いのよ」
「え、もしかして本当に傾けちゃう気でいます?」
「これ以上なにか言うようならって話。私はやると言ったら本当にやるわよ?」

 怖い、怖いよ……。あの人達、本当にこの世から消えてなくなるかも。

「あの、子供もいるので少しは手加減をしてあげた方が良くないですか?」
「それ本気で言ってる? あのバカ息子の現在進行形の姿って見たことある?」
「えっと、お葬式でチラリとぐらいは」
「見ただけだから分からなかったかもしれないけど、そりゃもう鼻持ちならないクソガキに育ってるわよ、なおっちの異母弟。なおっちはお母さん似で本当に良かったわよ、遺伝子に感謝しなさいよね。あれはロクな人間にならないわ、下手したら母親より害悪になるかもしれない」
「が、害悪……」

 害悪って何それ。なんだか悪魔の子みたいな言われよう。私は別にあの子……名前すらパッと出てこないんだから……が可愛いとかそういう肉親としての感情は無いけれど、それでも子供なんだしと考えたんだけどみゅうさんからするとそれは間違いらしい。

「あれは母親に何を吹き込まれて育つか分かったもんじゃないわよ。忘れた頃に現れて騒ぎを起こすタイプかもしれないわ」
「勘弁して欲しいっす……」
「……やっぱ今のうちに抹殺するべきかしら。一度よく検討してみないといけないわね」

 だからさらりと怖いことを言わないでぇぇぇ。

「相続したものを全て処分したら二度と関わらなくてもいいと思ってたんですけどね……」
「その辺は専門の弁護士さんに任せちゃいなさいよ。紹介してもらったんでしょ、あの何とかっていう国会議員の先生に」
「そうなんですけど……」
「ああいう先生のお知り合いならきちんと最後までやってくれるから大丈夫だって。それこそ、病院の敷地を更地にまでしてくれると思うわよ?」
「あううう……それはそれでどうなんでしょうか……」

 それ弁護士の仕事の範疇なのかな、なんか違うよね? そりゃしてくれそうな雰囲気の弁護士さんではあったよ? とっても優しそうなお爺ちゃん先生なんだけどね、海千山千、百戦錬磨な感じが凄いの。

「じゃあ聞くけどさ、この騒ぎで万が一、なおっちの旦那に何か迷惑がかかるとしたらどう?」
「……更地希望です」
「でしょ? これ、まだなおっちの手の届くところで起きているからこの程度で済んでいるけどさ、話が大きくなったら、絶対に乗り出してくるのはなおっちの旦那とあの先生で、その二人が手加減すると思えないものね? 私は少なくとも合法的にって心がけてるけど、あっちの二人、特に先生の方は多分、何も残らない事態にまでいくと思うの」

 さりげなく怖いことを言わないで欲しいですよ、みゅうさん。

「ちなみに、何も残らないっていうのはどの程度の……?」
「まあ簡単に言えば海の藻屑でお魚ちゃんの餌?」
「……なるほど……」

 ココアがものすごーく苦く感じちゃったよ……。

「自分の子供達の身に何か降りかかったらどうすんの?」
「……」
「ん?」
「……藻屑ちゃん希望ですね……」
「でしょ? お魚ちゃん大喜びね♪」

 え、ちょっと、もしかして今ので最終決定とか言いませんよね?! ね?!
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