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お題ネタ
in junior high school days ? 後編
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「わあっ!!」
いきなり大声を出して飛び起きたものだから、隣で寝ていた信吾さんも目を覚ましちゃって驚いた顔をしてこちらを見ている。
「どうした?」
「え?! なんか、いますっごい夢みてた!」
「夢?」
「うん。あのね、信吾さんが中学生だった」
「俺が中学生?」
「そうなの。同じ学校に通っていてね、二人してみゅうさん達に体育器具庫に閉じ込められちゃうの」
「なんだそりゃ。俺が中学生ってことは奈緒は……生まれてもいないんじゃないのか?」
そう言って、考えたら凄い年の差だよなあと呟いている。
「そうなんだけど、夢の中では全員が同級生なの。みゅうさんと信吾さんのお友達の門田さんと、それから……安住さん達もいた」
「なんで安住達まで」
「知らないよぉ、夢なんだもん」
安住さんのことは言わなきゃ良かったかな。またこれをネタに意地悪するんじゃないかってちょっと心配だよ。もし腕立て伏せが100回増えたらそれは私のせいだ、ごめんね安住さん。
「で、閉じ込められた中学生の俺達はどうしたんだ? ちゃんと無事に脱出したか?」
「えっと……どうだったかなあ……」
「あー、そんな顔して言いよどむってことはだ、中学生にあるまじきことをしていたらしいな、夢の中で俺達は」
「え、そんなことないよ。困ったねーって言ってるところで目が覚めた」
「そんなことで大声出して飛び起きるものか」
うう、よくお分かりで。
夢だから支離滅裂な部分もあるんだけど何故か閉じ込められてた信吾さんと私は良い雰囲気になっちゃって。でもでもマットに押し倒されたところで目が覚めたんだから!! だから中学生にあるまじきことなんてしてないもん、寸前だっただけだもん! そう言い張っても信吾さんてばニヤニヤするばかり。その顔、全然信じてないよね?
「でもさ、中学生の信吾さん可愛かったよ。こないだ教会に行った時に見せてもらった写真のせいかもしれない。あそこで中学生時代の信吾さんを見たから」
「ああ、なるほどな。俺も中学生の頃の奈緒を見てみたいな。写真、あるのか?」
「うん、修学旅行の時の写真とか残ってるよ。明日の夜にでも見せてあげるね」
そう言いながらもう一度お布団にもぐり込む。そしたら信吾さんが腕を回してきて抱きしめてくれた。長かった残暑も終わって夜は冷え込むようになってきたから、こうやって温かい信吾さんの腕の中で眠るのがとっても心地よい。
「いやあ、しかし残念だったな、あんなふうにリボンがけされた奈緒を目の前にして何もできなかったとは」
…………え?
信吾さん、今、なんて言った?
「信吾さん?!」
「んー? 明日も早いんだから早く寝ろ」
そう言って私のことを背中から抱きしめて眠ってしまったけど、ちょっと、今なんだか物凄く気になることを言いませんでしたか信吾さん? 何でリボンのこと知ってるの? 私、何もその辺のことは喋ってないよね? あんなふうにってどういうこと? 寝言でも言ってた? ま、まさか同じ夢を見ていたなんてことは無いよね?! ねえったら、信吾さん、寝ないでちゃんと答えてよぉ~~!!
いきなり大声を出して飛び起きたものだから、隣で寝ていた信吾さんも目を覚ましちゃって驚いた顔をしてこちらを見ている。
「どうした?」
「え?! なんか、いますっごい夢みてた!」
「夢?」
「うん。あのね、信吾さんが中学生だった」
「俺が中学生?」
「そうなの。同じ学校に通っていてね、二人してみゅうさん達に体育器具庫に閉じ込められちゃうの」
「なんだそりゃ。俺が中学生ってことは奈緒は……生まれてもいないんじゃないのか?」
そう言って、考えたら凄い年の差だよなあと呟いている。
「そうなんだけど、夢の中では全員が同級生なの。みゅうさんと信吾さんのお友達の門田さんと、それから……安住さん達もいた」
「なんで安住達まで」
「知らないよぉ、夢なんだもん」
安住さんのことは言わなきゃ良かったかな。またこれをネタに意地悪するんじゃないかってちょっと心配だよ。もし腕立て伏せが100回増えたらそれは私のせいだ、ごめんね安住さん。
「で、閉じ込められた中学生の俺達はどうしたんだ? ちゃんと無事に脱出したか?」
「えっと……どうだったかなあ……」
「あー、そんな顔して言いよどむってことはだ、中学生にあるまじきことをしていたらしいな、夢の中で俺達は」
「え、そんなことないよ。困ったねーって言ってるところで目が覚めた」
「そんなことで大声出して飛び起きるものか」
うう、よくお分かりで。
夢だから支離滅裂な部分もあるんだけど何故か閉じ込められてた信吾さんと私は良い雰囲気になっちゃって。でもでもマットに押し倒されたところで目が覚めたんだから!! だから中学生にあるまじきことなんてしてないもん、寸前だっただけだもん! そう言い張っても信吾さんてばニヤニヤするばかり。その顔、全然信じてないよね?
「でもさ、中学生の信吾さん可愛かったよ。こないだ教会に行った時に見せてもらった写真のせいかもしれない。あそこで中学生時代の信吾さんを見たから」
「ああ、なるほどな。俺も中学生の頃の奈緒を見てみたいな。写真、あるのか?」
「うん、修学旅行の時の写真とか残ってるよ。明日の夜にでも見せてあげるね」
そう言いながらもう一度お布団にもぐり込む。そしたら信吾さんが腕を回してきて抱きしめてくれた。長かった残暑も終わって夜は冷え込むようになってきたから、こうやって温かい信吾さんの腕の中で眠るのがとっても心地よい。
「いやあ、しかし残念だったな、あんなふうにリボンがけされた奈緒を目の前にして何もできなかったとは」
…………え?
信吾さん、今、なんて言った?
「信吾さん?!」
「んー? 明日も早いんだから早く寝ろ」
そう言って私のことを背中から抱きしめて眠ってしまったけど、ちょっと、今なんだか物凄く気になることを言いませんでしたか信吾さん? 何でリボンのこと知ってるの? 私、何もその辺のことは喋ってないよね? あんなふうにってどういうこと? 寝言でも言ってた? ま、まさか同じ夢を見ていたなんてことは無いよね?! ねえったら、信吾さん、寝ないでちゃんと答えてよぉ~~!!
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作者様の別作品を読んで
面白くてこの作品も読み尽くしてます!
まだ読んでない作品も読んでいきます!
ゆうさん
ありがとうございます♪
楽しんで読んでもらえれば幸いです♪
3曹長が、レシピに到着したのが気になります
katsuさん
信吾さんのホットケーキのレシピを手に入れるのは難しそうですよ~
かなり難しいミッションになるかと(笑)
何回読み返したかわからないくらい読んでいます^ ^それでも毎回楽しくて、おもしろいです。
また今から読んできます!
naguponさん、ありがとうございます\(^o^)/