もう一度、私に恋させて!

かわた

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17:蜘蛛

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ハンカチを渡した少年は同じクラスの並野というようだ。

ーー道理で顔に見覚えがあったはずだ。
というかクラスメイトなんだし覚えとかなきゃ。

並野自身地味な少年で目立つこともないので
同じクラスメイトでも希樹は印象に残っていなかった。

喧嘩するほど特に留香と関わり合いがあるようにみえないが
留香が前に家に連れてきていた春日という女の子が彼に話しかけているのを見かけた。

痴情のもつれ…?

普段クールな留香が痴情のもつれとはあまり考え難いが
あの美人ならそれもありえるのかもしれない、とぼんやりと考えた。


ちなみに希樹はマラソンを走りきり、無事真ん中より上の順位になり
体育の授業の成績が安泰になったことにホッとして、すぐにそのことを忘れてしまった。


◇◆◇

「ごっめん!希樹、今日だけお願いできない?」

「うん、いいよー」

弓道部に所属している友達から部活の下準備を頼まれた。
なんでもこの間のマラソンが最下位だったらしく、その補習があるそうだ。
やることは簡単でドリンクの制作と軽く掃除を行うらしい。
いつもと少し違うことにウキウキしながら、放課後弓道部へと向かう。

弓道場は結構広く、学校が力を入れていることが分かる。
それもそのはず、全国大会優勝者がこの学校にいるのだ。

「そこの君は部員ではない者だな。
だが、ウチの制服を着ているということはスパイではなかろう。
そしてその制服の新しさを考えるに君は1年……すなわちこの弓道場に迷い込んだのだ。
私が出口まで案内する。ついてこい。」

「いえ、今日は部活の準備のお手伝いにきましたー。」

ドリンクを作るためにタンクに水を入れていると後ろから声をかけられた。
目の前にぬっと出てきた青年は、名前は蜂矢正臣といい、この弓道部の主将で生徒会会長だ。

ーーー蜂矢先輩って早口言葉だなぁ。
それに思ってたより背が高い。

黒いフレームのメガネに新緑のような緑色の髪の毛はセットしていないベリーショート。
男性にしては下まつげが長いが、切れ長の目に薄い唇とすっと鼻筋が通った顔のせいでどこか神経質っぽくみえる。

「なるほど?では証拠を見せろ」
「え、えー?証拠…ですか。」

まさか証拠を求められるなど思わなかった希樹はドリンクを作っている手を止めた。
携帯をだして友達に連絡を取ろうと思ったが、今は補習中、出れないだろう。

生徒手帳にも特にクラスは書いていないし、友達との繋がりも証明できない。
腕を組んで悩むが、あることを思いつきカバンを漁る。

「蜂矢先輩、ここに私のプリクラ手帳があります。」
「フム…これが噂に聞くプリクラか……。」

蜂矢は興味深そうに希樹のプリクラ手帳を眺め、そして何故かページをパラパラめくった。
希樹はそれを気にした様子もなくページを元に戻すと、弓道部の友達と映ったプリクラを指出す。

「トモちゃん…鈴木朋花さんとは仲良くさせていただいています。
本来なら今日当番だった彼女は諸事情により来れないので、友達の私が手伝いにきました。」

フム、と蜂谷はプリクラ手帳をまた長い指でめくり始め、頷いた。
端正な顔はまっすぐと希樹を射抜くように向けられる。

「君は鈴木朋花くんと、プリクラを数十枚撮影し、抱擁をしている様子だと随分仲が良いようだな。
つまり鈴木朋花くんは君を信頼しこの任務を任せたのだ。すなわち、君は信頼に足る人物と私は認めよう。」

解決すると満足そうにメガネのズレを直し、自分の着替えの準備へと向かう。
希樹はそれを見届けると、また何事もなく仕事を始めた。

――希樹はこの手の変人にはもう慣れすぎてしまっていた。


◇◆◇


セフィラから魔の出現の連絡が来たのは、夜も更けた頃だった。
希樹は丁度お風呂から上がり、パジャマに着替えたばかりだった。

――え~~こんな時間に……というか魔倒したパジャマで寝るのは嫌だなぁ…。

「あ、そういえばアレ持ってきたんだっけ!」

実は色々と前の世界…ラシディールから持ってきたものがあるだ。
ごそごそとやや乱暴な手つきで、質素な巾着袋を漁る。
それは収集した宝石だったり、仲間からもらったものが入っている袋だ。

以前衣装を旅の途中で仲間から貰ったことがあり、そのことを思い出し
親指の先ほどのアメシストのような石を取り出した。

『君の服のセンスはイマイチだから、これを授けよう!』

思い出せば思い出すほどムカつく思い出なのだが、その時、その国にあった服にしてくれる、とても便利なものだ。
七つの祝福を持つ王の客員剣士になった際に服がダサいと貰ったもので、その後の旅の時にとても重宝した。

でも、あの人のセンスは若干魔術師よりで
自分とは合わなかっただけ……と希樹は口を尖らせる。

ちなみに客員剣士の時の服装は黒の鎧にショートパンツ
靴は編込みで太ももまであるブーツで、フード付きの革のマントだった。
ちんちくりんな希樹には不釣り合いで仲間に笑われた記憶が思い出される。


手のひらに乗った、深い赤紫の暖かい色合いの宝石に顔を寄せ、軽く口付けする。
すると眩い光が希樹を柔らかく包み込み、軽く身体に風が走る感覚がした。

落ち着いた光沢のある黒革のショートパンツ、大きめのバックルのベルト
白のラインが入った黒のパーカーに黒のタンクトップ。
靴はひざ下まであり、脛を守るためか頑丈な編み込みブーツだ。

「……やっぱり今回も黒か…」

こういうのは趣味じゃないんだけど、まぁいいだろうと希樹は諦める。
仕上げは使い込んだクタクタの黒い革のフィンガーレスグローブをはめて完成だ。

希樹はグローブをしばらくぼんやり眺めていたが、セフィラから急かされて窓から外へと向かった。



◇◆◇



夜の学校は明かりもなく、月明かりがより一層明るく感じられた。
あたりも住宅地ではないので本来は音もなく静かなはずだが、轟々と戦闘音が聞こえてくる。

魔の方角から戦闘音、ということは
この間の猫の魔を倒したやつらがいるということか、と希樹とセフィラは口角をあげた。

音から察するに校庭で戦闘が行われているので、上からのんびり見物をしようと2人は屋上へと跳躍する。
足に魔力を溜めて飛び上がると、身体が空をきって風呂で火照った体が冷めていく。

「おや……」

屋上からの景色は校庭や町を見渡せ、その光景にセフィラが楽しそうに声をあげた。
希樹は少し困惑したようにその様子を眺めた。

校庭には大型トラックよりも大きな蜘蛛が3体、内1匹の背中に誰かが乗っている。
それを相手に戦っている人影が1人、後ろで後方支援が1人見えた。

希樹の思い違いじゃなければ、制服を汚しながら戦っているのは同じクラスの並野で
大きめの魔に大きく苦戦しているようだ。

「なんで並野くんが……」

それに西鳥羽が敵対しているようで、魔の宿った大蜘蛛を笛で操っているが彼だ。
魔を操っている、というのは実はラシディールでもあったので驚かないが
この世界でもそんなことが出来たことにじわりと汗が出る。

しかもあの蜘蛛は魔で巨大化してるわけでなく
元からあの大きさのようだ。

「おや、あれは勇者様のご学友では……?」

セフィラは面白そうにほほを緩ませると、希樹は声を出さすずに頷く。

「伸びしろはありそうですが、現状ではあまりにも酷いですね。
勇者様、助太刀に入りますか?」

暗にそのまま見殺しにするのかを聞いてくるセフィラにも、並野が魔に勝つ可能性がないとわかっているようだ。

ーーー見殺しなんて出来ないし、事情も聞き出さないと

そんなことできないと知っていて聞いてくる彼に
希樹はなにもいわず地を蹴って飛び出そうとしたその時、

――並野と大蜘蛛の間の地面からメリメリと土を切り裂き、蒼く煌く壁が現れた。

「たく、単独行動はやめろっていっただろ!!!」

「留香くん!!!!」

「春日は攻撃は出来ない!
お前の術じゃまだ敵は倒せないと、この間いったばかりだろ!?」

留香が大蜘蛛と並野の間に巨大な氷の壁を作り、防御をしたのだろう。
氷壁は8mはあるだろう、蜘蛛はそれより少し小さいくらいなので十分壁になっている。

並野と春日は留香がきたことにより、留香の名を呼び喜んだ。
並野は少し悔しそうだが、彼の助けは純粋に嬉しいようだ。
そして並野と留香はお互いに共同しつつ攻撃を仕掛ける。


希樹は不思議な気持ちでその光景を見つめた。
なんとなく、西鳥羽が留香を探ったり、並野を殴ったりと怪しいと感じていたが
彼が魔を退治しているなど、彼女には信じられなかったのだ。

――留香くんが…なんで…。

戦力が増えたが、蜘蛛の量も多く、留香がきたところであの魔達にはかなわないだろう。
留香の実力は並野に比べたら断然強いが、蜘蛛が複数いて
時々西鳥羽本人が攻撃を仕掛けてくるこの状況はかなり不利だ。

「――っ!」

「っ留香くん!」

留香の肩に魔の攻撃があたり血が滲む、並野が叫ぶと同時に希樹は仮面をつけて飛び降りた。



◇◆◇


希樹が降り立った時、あまりの静かさに突然現れたようにその場にいた者は錯覚した。
全体的に闇に紛れ見えづらいが、革の照り返しがテラテラと鈍く輝く。

ゆっくりした手つきでスライドし、聖剣を取り出すと星のような煌く粒が剣を包んだ。
光の粒は形を徐々に変え、銀色と黒の細かい装飾を付いた鎌へと変化した。

ーーー鎌か、まあまあかな。

希樹は威嚇するために殺気をあたりに滲ませる、大蜘蛛は実力の差を感じ取って身動ぎ一つしない。
――このくらいの強さになると魔にも軽く意思を持ち始め、生への執着や人間を苦しめて遊ぶなど自発的な行動が出てくる。

先ほど一気に並野達を殺さなかったのは甚振っていたのだ。
西鳥羽の指示ではなさそうだったので、希樹は自発的に行っていたのだと気づいた。

だからさっきまで弄んでいたのが弄ばれる側に変わるのだ、
という意味を込めて魔に向かってにやりと笑う。
仮面をかぶっているため口元しか見えない。

だが、逆に目元が見えない分、三日月のように弧を描いた口元がよく目立った。


希樹は腕を前にだし、手の平を上に向け手招く。

単純な挑発行為だったが、それを合図に咆哮をあげる魔は前から突進してくる。
だが前から攻撃すると見せかけ、横から1匹が糸で攻撃の狙いをさだめたのに希樹は気づく。
魔力を足にためて跳躍して一瞬屋上の上を眺めると、セフィラと目が合う。

手を振られたので、ピースを返しつつ真下から糸を伸ばした攻撃を鎌でいなす。

攻撃の糸はいくつも編み状に素早く吐き出されるが、それを素早く斬るので当たる様子はない。
下から並川の心配するような叫び声が聞こえたが、当の本人は服に蜘蛛の糸がかからないかだけ、のんきに考えていた。


西鳥羽はその間に焦った手つきで指笛を吹き、蜘蛛か5mほどの怪鳥を呼び出す。
蜘蛛からその怪鳥へ飛び移り、臨戦態勢を取る。

ーーー移動用の蜘蛛を攻撃用にするのと、不利に気づいたから逃げる算段だろうなあ。

逃げないようにもできるが、とりあえず今日は夜も遅いしいいだろうと攻撃をするのをやめた。

足を深く曲げ膝の負担を抑えた降り方で地面に着地すると、すぐに右から蜘蛛の爪が襲いかかる。
左からは蜘蛛の糸を吐き出される準備をしている蜘蛛もいるので、魔力で簡易的に作った短刀を投擲して、左の蜘蛛の目を潰す。
ほぼ同じタイミングで手を払う感覚で鎌を先端に振り下ろすと、足が綺麗に落ち、両側の魔が同時に大きく声を上げた。
少テンポが遅れて、正面にいる蜘蛛の爪が顔面に迫るが素手でそれを鷲掴み、少し力を入れると面白いくらい簡単に付け根から足が取れる。

あたりから息を呑む音が聞こえる。
蜘蛛の攻撃も素早かったが希樹の攻撃は目で負えない、何をしているのか正確にはわからないからだ。

素早い行動に糸と爪の攻撃でそれが2、3方向から来るので苦戦するように見えるが
希樹にとっては、攻撃のバリエーションは少なく、素早さにしても中くらいで戦闘のリズムとしては単調だ。

希樹がつまらなさそうに、首を回すと上から声が聞こえてきた。


「――そろそろ遊ぶのはやめましょう
あまりにもその者達が哀れです。」

セフィラの声に上を見上げるが、彼の姿はみえない。
留香達も姿のみえない声に、警戒をしているがそこに美しい白い鳥が希樹の肩に降り立つ。

希樹は大きく鎌を振りかぶる

「ああ、頭を伏せてください―――死にたくなければ」

白い鳥のセフィラがそう忠告をした瞬間に、留香たちは危険を察知して体を地面へと伏せる。
それを希樹は確認して、遠慮なく薙ぎ払う。

その瞬間、音が消えた。

遅れて風の切り裂く音が響き、周囲は風圧で木が大きくしなり、石や土が宙へ舞う。
それは目は開けられないほどで、かくいう希樹自身も目を瞑って感覚だけで周囲の状況を把握する。

最後の力を絞って魔は大きく絶叫してそのまま大きく地響きをたて胴が半分に別れ地面へと落ちる。

―――彼女が降り立って、5分もしない出来事だった。
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