【R18】兄弟の時間【BL】

文字の大きさ
10 / 48

お兄ちゃんの料理

しおりを挟む
 うわわわわ!

 僕とした事が寝てた!
 起き上がったら、弟はネクタイ緩めながらビールを傾けていた。


「おかえり……だけどさ、お前アルコール依存症なの? 大丈夫か? 帰ってきて直ぐ酒飲むとか仕事ってそんな辛いものなの? やだな僕ぜってぇ働かねぇ」
「違いますよ、よくある寝顔ツマミにお酒飲むってヤツやってみたかっただけです」
「…………あっそ」
「お酒は月に数回付き合いで飲む程度です。でも今日は格別に美味しいですよ」

 デリシャスデリシャスって頷きながらまた携帯弄ってるし、絶対寝顔撮られてたな、しかも共有してるんだろうなあれ。
 そんでもって兄ちゃんはお腹空いたぞ、時計見たら八時か……。

「へぇ思ったより早く帰って来るんだな」
「色んな日がありますけど、今日は兄さんがいるので早めに会社出ました!」

 キリッ! ってしててマジ格好良いだけだから止めてくれよ、僕寝起きで頭ボサボサなのに。
 ソファーにあぐらかいて、DVDはいつの間にか終わってて…………ふぅんとりあえずトイレでも行くか。
 立ち上がった瞬間、豹が眼鏡光らせてきたから、ていって体押しといた。

「一人で行けるから!」
「不便があったら言って下さいね」
「うっせ!」

 何だよ不便ってお前がついてきた方が何かと不便だろ、バカじゃないのかな。
 変な理由つけて入ってこられたら嫌だからちゃちゃっと済ませて帰ってきたら豹はキッチンで夕飯を作ってた。

「何作るの?」
「親子丼です、駅ビルのスーパーで比内地鶏と卵が売っていたので買ってきました」
「へぇ」
「ご飯はもう炊けてるので直ぐ出来ます、切って少し火通して卵かけて煮るだけですから、最後にもう一つ卵落とすととろとろになって良い感じだとクックパッドに……お味噌汁はドライフードのでいいですよね」
「豹って自炊するんだな」
「まさか、米くらいならたまに炊きますけど、基本はソイジョイです」
「食えよ! あんな棒でそのデカイ体の動力賄えるわけねぇだろ!」
「心配してくれるんですか、嬉しい」

 ワイシャツ姿で腕捲りして包丁を握る豹は優しい彼氏みたいな空気出てて、うっわ! こんなの女子一秒で落ちるな!
 僕はアノ……落ちないですけど。

「っつか僕がやるよ。着替えてきたら? 料理はよくお母さんの手伝ってるから僕のが早いと思うし」
「ケガしたら困るからダメですね、俺は今家から大事な兄さんを預かってる身なので」
「バカか、ソイジョイばっか食ってるお前のがケガする可能性大だろ」

 隣立って睨み上げたら、弟はゆっくり笑って包丁置いて手を洗った。

「じゃぁお言葉に甘えて」
「おう任せろ」

 んでタオルで手を拭いた後、後ろから抱き締めてきた。

「ちょっと待てッ! どこのお言葉に甘えたんだよ! 抱き着いていいなんて一言も言ってねーだろ天パ!!」
「だって好きな人が下着に自分のシャツだけ着て、ご飯作ってあげるってキッチンに立ってるんですよ男ならハグするでしょ」
「するな」
「ですよね!」
「が! それは女子に限りだろ! 気持ち悪いから止めろ!」

 ギッ! って睨んで歯見せたらおでこにキスとな。

「ただいまのキスしてなかったね、ホー君」
「した事ねぇからそんなの」

 ち、く、しょ!
 僕もう鶏肉触っちゃってるから抵抗できなくてなすがままで豹は顔中にちゅっちゅしてくるぞ、死ね。

「兄さん俺凄い幸せ」
「ああそう良かったな! 早く部屋行けよ!」
「最後にぎゅってしたら行きます」

 唇離して抱き直されて、さっさと行け! って思ったのに豹は僕の前髪を払うと顎を掴んで上を向かせてきた。

「何だよ痛いよ」
「ごめんなさい」
 睨んだら眉下げて謝ってきて。
「あっ……べ、別に謝れとは言ってねーよ。何? 今包丁持ってるんだから早くしろ」

 豹は急に目の色を真剣にさせて、コツンとさっきキスした額に自分の額を寄せた。

「なっ……に……」
「秘密……俺達の秘密だよ兄さん」

 至近距離で魅せられた眼鏡の奥の茶色の瞳に鳥肌が立った。
 だって、これ、この目とその約束したら。

「待っ……ひょ……」
「兄さん好き」

 案の定、逃げようと思った僕を腕の中に押さえ込んで豹は唇を重ねてきた。
 口閉じたいのに大きな手が体をまさぐってきて思わず息が漏れる。
 しかも、変な声まで出ちゃってるしヤダヤダ。

「んんっ……ダメ、豹」
「兄さん童貞だから仕方ないだろうけど、キスしただけでそんな顔するの止めてくれませんか。世の中色んな人がいるんですよ」
「知らねぇ……から」
「触れるだけじゃ満足できなくなる」

 唇舐められてさっきより強く抱き締められて体震えてくる。
 顔近いよ、熱いよ、ああヤダまたキスされる。

 豹の息が荒くて一緒になって呼吸の間隔短くなっちゃって苦しい。
 厚い舌が口の中占領してきて、うあ舌擦れるの背中ゾクゾクするからやだぁ。

 体が反って勝手に顎が上向いてもっとみたくなっちゃって、舌絡めるの止めてくれないし、包丁置いてワイシャツを掴んだ。
 胸を力一杯押すけど離れないし豹が顔の向き変えてさっきより深く唇噛み合わせてくる。

 何だよコレ、俺の口から変な音出てるエロ本に書いてあるみたいなくちゅくちゅ音出てるやだ!

「あ、あ……パンちゃ……止め、て」
「兄ちゃん好き……ねぇ兄ちゃん好きだよ」

 この吸ってくるのは何なの? 僕の口の中のもん飲んでるって事? 何で? 
 弟の謎の好きって単語が耳を掠める度に体が過熱してって、ちょっとどうしたの僕、抵抗しなきゃなのに体、力……抜けちゃ……。

「や……だ、豹やだ」
「おっと……大丈夫ですか兄さん」

 とうとう体がかくんってなって、膝が折れちゃって何だよ何だよリアル腰抜けではないかコレハ!
 恥ずかしいんですけど! 豹が体支えてくんなきゃ僕倒れちゃいそうだ。
 後頭部を大きな手が持って、まだ舌が追っかけてくる! しつこいよもうッ!!

「暑苦しいんだよ、離……せ!」
「気持ち良いね兄さん」
「よくねーからぁ!」
「本当?」

 ぬるぬるになった唇が気持ち悪い顔熱くてしんどい体怠い、豹も顔赤くなってるし、それなのに僕と違って余裕こいて笑っててムカつく。

「当たり前だろ! 気持ち悪いんだよお前」
「本当に? 気持ち悪かっただけ?」
「ひっ……」 

 豹は目細めながら顔近付けてきて、今度は唇じゃなくて頬を軽く吸う。
 少し唇離して、そのちょっと横に、横にって音立てて吸いながらずれてって、

「じゃぁどうしてここ、こんなになってるんですか?」
「あっ、……ぐッ!」

 耳に声落としながら下半身にスリッて手が伸びてきて体が跳ねた。
 もう生肉触ってたからとか関係なくなって必死で変な事する手掴みにいくんだけど、うわああ……怖い怖い!
 耳息入ってくるのぞわぞわして手力入らない。

「勃ってもこんなもんなんですか?」
「う、るせー!! マジ殺、す! 離せよ!! クソばかぁ……ひぁ」
「可愛い兄さん」

 とんでもなく屈辱的な言葉が脳に直接響いて、悔しいかな僕は涙目で弟を睨むんだけど相変わらず豹は赤い顔で笑ってて、笑ってるのもムカつくのに。

「怒らないで? バカにしてるんじゃないから俺も同じですよ」
「なっ……やめっ……」

 豹は少し屈んで僕の下半身に自分の下半身密着させてきて、うわ、うわぁ! スーツ越しに膨らんだとこ擦り合わせてくるんだけどマジで変態か何かなの! 怖すぎるッ!! し、でかくない?!!
 え? 嘘何それ! 何か仕込んでるの嘘でしょ!

「や、やだぁ! ゴリゴリしてくんなよ! 気持ち悪いっつってんだろ!!」
「こんなの止められる訳ねぇだろ、すげーイイ」
「キモイ!」
「弟のキスで勃っちゃう兄さん愛してます」
「ギギギッ!!」

 耳に侵入してきた舌にもう頭回んなくなってきちゃってワイシャツ掴んでる手が情けないレベルの力になってる。
 こんなの弟にされてるからとか関係ないだろ、明かに性欲煽る事しといてこんなの勃っちゃうよ!
 僕ご飯作ってあげようと思っただけなのに!

「も、いいだろ豹……止めて」
「んっ…………あ! 兄さん!!」
「何」

 豹はちゅっちゅしてた耳のとこから顔上げて僕見て目丸くした。

「ごめんなさい、泣かないで。調子乗りすぎました!」
「え? 泣く?」

 知らんけど、でもちょっと恐怖やらなんやらで視界が歪んでる気がする。
 豹は両方の目元にキスすると僕を担いで食パンの上に降ろした。

「待ってて下さいね兄さん直ぐご飯作るから」
「次やったら噛み付くからな!」
「わぁ楽しみです!」

 項垂れる僕をまず写真撮って除菌ティッシュで手を拭いてくれた。
 ビール持たされて、キッチンに消える背中をすげー睨む何だよあのチンコ!! 
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

つまりは相思相愛

nano ひにゃ
BL
ご主人様にイかないように命令された僕はおもちゃの刺激にただ耐えるばかり。 限界まで耐えさせられた後、抱かれるのだが、それもまたしつこく、僕はもう僕でいられない。 とことん甘やかしたいご主人様は目的達成のために僕を追い詰めるだけの短い話です。 最初からR表現です、ご注意ください。

俺より俺の感情が分かる後輩は、俺の理解を求めない

nano ひにゃ
BL
大嫌いだと思わず言ってしまった相手は、職場の後輩。隠さない好意を受け止めきれなくて、思い切り突き放す様なことを言った。嫌われてしまえば、それで良かったのに。嫌いな職場の人間になれば、これ以上心をかき乱されることも無くなると思ったのに。 小説になろうにも掲載しています。

学園一のスパダリが義兄兼恋人になりました

すいかちゃん
BL
母親の再婚により、名門リーディア家の一員となったユウト。憧れの先輩・セージュが義兄となり喜ぶ。だが、セージュの態度は冷たくて「兄弟になりたくなかった」とまで言われてしまう。おまけに、そんなセージュの部屋で暮らす事になり…。 第二話「兄と呼べない理由」 セージュがなぜユウトに冷たい態度をとるのかがここで明かされます。 第三話「恋人として」は、9月1日(月)の更新となります。 躊躇いながらもセージュの恋人になったユウト。触れられたりキスされるとドキドキしてしまい…。 そして、セージュはユウトに恋をした日を回想します。 第四話「誘惑」 セージュと親しいセシリアという少女の存在がユウトの心をざわつかせます。 愛される自信が持てないユウトを、セージュは洗面所で…。 第五話「月夜の口づけ」 セレストア祭の夜。ユウトはある人物からセージュとの恋を反対され…という話です。

激重感情の矢印は俺

NANiMO
BL
幼馴染みに好きな人がいると聞いて10年。 まさかその相手が自分だなんて思うはずなく。 ___ 短編BL練習作品

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

姫の護衛が閨での男の武器の調査をした件

久乃り
BL
BLは耽美 たとえ内容が頓知気であっても耽美なのです。 この話は、姫の護衛として輿入れについてきた騎士が、姫のために皇帝陛下の男の武器を身体をはって調査するというお話です。

男同士で番だなんてあってたまるかよ

だいたい石田
BL
石堂徹は、大学の授業中に居眠りをしていた。目覚めたら見知らぬ場所で、隣に寝ていた男にキスをされる。茫然とする徹に男は告げる。「お前は俺の番だ。」と。 ――男同士で番だなんてあってたまるかよ!!! ※R描写がメインのお話となります。 この作品は、ムーンライト、ピクシブにて別HNにて投稿しています。 毎日21時に更新されます。8話で完結します。 2019年12月18日追記 カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。 カテゴリを間違えてすみませんでした。 ご指摘ありがとうございました。

処理中です...