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三章 依頼
第十八話
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翌朝マリーさんにまたお休みをお願いした。連日お休みをもらって申し訳ない。
マリーさんは昨晩の話をフィルさんとメルダさんにすでに聞いていたらしく、気にするなと言ってくれた。
朝の間に店の掃除や準備だけでも、と手伝い、少し早めにお昼ご飯をいただき、治療院へと向かう。
「メルダさーん」
治療院の中に入って呼んでみた。一つの部屋からメルダさんの声がした。
「ユウ、少しだけ待っててくれるかい?」
声がした部屋に近付いてみると、どうやら一人の男性の怪我を治癒しているようだった。
足の怪我らしく、膝から下にかけて切り傷のようなものがいっぱいある。
「あぁ、ユウ、待たせてすまないね。昨日言っていた谷で動物に襲われたらしいんだ。みんな命に関わる怪我ではないんだけど、理由も分からず襲われるのもねぇ」
メルダさんはそう言いながら溜め息を吐いた。
掌を男性の怪我のところに翳し、治癒魔法を始めた。
怪我のある辺りだけ淡く白く光だす。ぼんやりと輝いた光はすぐに消えた。光が消えると先程まであった怪我は消えていた。
メルダさんは男性に違和感や痛みはないか確認し、治癒を終了した。
男性はメルダさんにお礼を言って出ていった。
「さて、じゃあ行こうか」
領主邸は街外れにあるらしく、歩いている内に段々と賑やかさがなくなっていく。
少し広い河に出た。橋が架けられていて、それを渡ると畑らしきものが広がっていた。麦のような、稲のような植物が陽射しでキラキラと金色に輝いていた。
「畑ですか?」
「ん? これかい? そうそう、クチカの畑。粉にしてパンを作るんだよ」
やはり麦みたいなものだった。なるほどあのパンはこれで作られてるんだ。作り方も同じなんだろうか、と考えている内に少し丘になった先に大きな邸が見えた。
「あれがここら辺一体の領主様、クラーベル侯爵様邸だよ。本当はお城とかなんだろうけどねぇ、初代ここの領主になった侯爵様が城では威圧感があって領民と親しめないから、って邸宅にしたらしいよ」
十分大きな邸に見えるが、そっか、侯爵様ならお城か……。何てことを呑気に考えていたら、近付いたときの邸の大きさと敷地の大きさにも驚いた。
「警護が不十分になるから、と、当時はだいぶ揉めたらしいけどねぇ。でもこの街の発展は領主様のお人柄のおかげだよね」
邸の周りには広範囲に渡って外壁が設けられていた。外壁には兵士が等間隔に配置してあり、警備をしているようだった。門にはもちろん門兵が二人立っていた。
「ユウ様、メルダ様ですか?」
門兵の一人が言った。
「そうです、先に一人が伺ってるかと思うのですが」
メルダさんが丁寧に返した。
「はい、フィル様ですね、お待ちですよ」
兵士はにこやかに案内してくれた。邸の入り口まで行くと、失礼します、と門に戻って行った。
邸の扉が勝手に開いた、かと思ったが、中から執事さん? という風体の紳士が現れた。
「ようこそいらっしゃいました、ユウ様、メルダ様。ご案内いたします」
物凄く丁寧に対応されて緊張した。
中に入ると広い空間がありその先には大きな階段があった。
階段を昇りきったところには屋根まで続く一面の窓硝子があり、そこからの光がとても綺麗だった。
そのひたすら広い階段を上がり、一つの部屋まで案内された。
「失礼いたします、ユウ様、メルダ様をお連れしました」
扉をノックし中へ声を掛ける。部屋の中からは若い男性の声がした。
「どうぞ」
その声を確認した執事さんは扉を開き中へ入るよう促した。
マリーさんは昨晩の話をフィルさんとメルダさんにすでに聞いていたらしく、気にするなと言ってくれた。
朝の間に店の掃除や準備だけでも、と手伝い、少し早めにお昼ご飯をいただき、治療院へと向かう。
「メルダさーん」
治療院の中に入って呼んでみた。一つの部屋からメルダさんの声がした。
「ユウ、少しだけ待っててくれるかい?」
声がした部屋に近付いてみると、どうやら一人の男性の怪我を治癒しているようだった。
足の怪我らしく、膝から下にかけて切り傷のようなものがいっぱいある。
「あぁ、ユウ、待たせてすまないね。昨日言っていた谷で動物に襲われたらしいんだ。みんな命に関わる怪我ではないんだけど、理由も分からず襲われるのもねぇ」
メルダさんはそう言いながら溜め息を吐いた。
掌を男性の怪我のところに翳し、治癒魔法を始めた。
怪我のある辺りだけ淡く白く光だす。ぼんやりと輝いた光はすぐに消えた。光が消えると先程まであった怪我は消えていた。
メルダさんは男性に違和感や痛みはないか確認し、治癒を終了した。
男性はメルダさんにお礼を言って出ていった。
「さて、じゃあ行こうか」
領主邸は街外れにあるらしく、歩いている内に段々と賑やかさがなくなっていく。
少し広い河に出た。橋が架けられていて、それを渡ると畑らしきものが広がっていた。麦のような、稲のような植物が陽射しでキラキラと金色に輝いていた。
「畑ですか?」
「ん? これかい? そうそう、クチカの畑。粉にしてパンを作るんだよ」
やはり麦みたいなものだった。なるほどあのパンはこれで作られてるんだ。作り方も同じなんだろうか、と考えている内に少し丘になった先に大きな邸が見えた。
「あれがここら辺一体の領主様、クラーベル侯爵様邸だよ。本当はお城とかなんだろうけどねぇ、初代ここの領主になった侯爵様が城では威圧感があって領民と親しめないから、って邸宅にしたらしいよ」
十分大きな邸に見えるが、そっか、侯爵様ならお城か……。何てことを呑気に考えていたら、近付いたときの邸の大きさと敷地の大きさにも驚いた。
「警護が不十分になるから、と、当時はだいぶ揉めたらしいけどねぇ。でもこの街の発展は領主様のお人柄のおかげだよね」
邸の周りには広範囲に渡って外壁が設けられていた。外壁には兵士が等間隔に配置してあり、警備をしているようだった。門にはもちろん門兵が二人立っていた。
「ユウ様、メルダ様ですか?」
門兵の一人が言った。
「そうです、先に一人が伺ってるかと思うのですが」
メルダさんが丁寧に返した。
「はい、フィル様ですね、お待ちですよ」
兵士はにこやかに案内してくれた。邸の入り口まで行くと、失礼します、と門に戻って行った。
邸の扉が勝手に開いた、かと思ったが、中から執事さん? という風体の紳士が現れた。
「ようこそいらっしゃいました、ユウ様、メルダ様。ご案内いたします」
物凄く丁寧に対応されて緊張した。
中に入ると広い空間がありその先には大きな階段があった。
階段を昇りきったところには屋根まで続く一面の窓硝子があり、そこからの光がとても綺麗だった。
そのひたすら広い階段を上がり、一つの部屋まで案内された。
「失礼いたします、ユウ様、メルダ様をお連れしました」
扉をノックし中へ声を掛ける。部屋の中からは若い男性の声がした。
「どうぞ」
その声を確認した執事さんは扉を開き中へ入るよう促した。
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