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カナデ編
第九話 イセケン
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今日から初めての大学へ通学だ。蒼汰さんから聞いていた部への勧誘…………あれですね…………。
大学の門前に大勢の人、人、人……、怖い……、あそこを通り抜けないと駄目なのよね。
行けるかしら……。
しばらく遠目に眺めていたが、いつまでも立ち止まっている訳にも行かず、意を決して歩みを進める。
なるべく見付からないよう、人垣の隙間をすり抜け、何とか抜け切れるか、と思っていたけれど甘かったようで、何人かの勧誘に捕まった。
大声で部やサークルの宣伝を勢い良く浴びせられ、何を言っているかも分からずパニックに……。
矢継ぎ早にあちこちの名前を言われるが分からない! どうしたら! 怖い!
逃げようにも肩を掴まれ逃げることが出来ない。
まともに返事も出来ず泣きそうになっていると、背後から背中をグイッと押された。
驚いて少し振り向くと、蒼汰さん!?
蒼汰さんが私の背中を押していた。
え? 蒼汰さん? どうしてここに?
「はいはい、ごめんね、もうこの子うちのサークルの子だから」
え!? 私、まだどこにもサークルは属してませんし、蒼汰さんが何のサークルなのかも知らないのですが!?
あわあわしながら、蒼汰さんにグイグイと背中を押され、人混みを抜けて行った。
「何だよ、イセケンか」
「あれ誰だ?」
「イセケンの奴だよ。確かメンバー三人くらいしかいない、地味で変人の集まり」
勧誘してきていた方々は、ボソボソと口々に「イセケン」と連呼し、何だよ、みたいな顔をされてますね。
何だか申し訳ない気分にもなるけれど、正直言って助かりました。
それにしても「イセケン」て何かしら。
蒼汰さんに肩を押されながら人混みを抜け、人気のない場所まで来ると、蒼汰さんはパッと肩から手を離した。
「ごめんね! 無理矢理、その、肩掴んじゃって……」
蒼汰さんは少し気まずそうにしていた。
「いえ、どうしたら良いのか分からずでしたので、とても助かりました! ありがとうございます!」
「そっか、なら、良かった」
ホッとした顔で蒼汰さんは微笑んだ。
「それにしてもどうしてこちらに? それに皆さんがおっしゃられていた「イセケン」というのは何ですか?」
「部への勧誘が凄いことは伝えたけど、多分水嶌さんは捕まるだろうな、と思って、少し様子を見に来たんだ。そしたら案の定捕まってたからさ、慌てて駆け寄った」
アハハ、と蒼汰さんは笑う。
「そうだったのですね、ありがとうございます。ご心配おかけしました」
「イセケンてのは、僕が作ったサークル。確かに三人しかいないし、しかも内二人はサークル作るために名前貸してくれただけの幽霊部員みたいな感じだし……、実質活動してるの僕だけなんだよね、ごめん、水嶌さんがイセケンに入ってるみたいに言って……」
蒼汰さんは申し訳なさそうな顔をし苦笑した。
「いえ、謝らないでください。助けていただいたのに……、イセケンというのはどういうサークルなのですか?」
名前からも全く何か分からない。
「異世界研究会」
「え?」
「異世界研究会、略してイセケン、周りからそう呼ばれるようになって、今や僕自身もイセケンて言ってる」
蒼汰さんは苦笑した。
異世界研究会……、ドキリとした。異世界!? 異世界の存在を知っているの!? 私、「リディア」がいた世界を知っているの!? まさか私にも何か気付いているの!?
「あ、あの、異世界というのは……」
緊張しながらも聞かずにはいられなかった。
蒼汰さんは少し驚いた顔をし、ニコリとした。
「水嶌さんも異世界に興味ある!?」
「え、あの……」
戸惑っていると、蒼汰さんは興奮気味に話し出した。
「異世界は言葉の通り、今我々がいるこの世界と違う世界のことだよ。僕は絶対あると思ってるんだよね! 今のこの世界とは違う別の世界、それがどんな世界なのか、魔法や魔術があるのか、魔物はいるのか、それともこの世界と似たようなものなのか」
そうか、異世界に憧れがあって色々調べるための研究会ということね。良かった、私のいた世界を知っている訳ではないのね。
「いつか異世界に行ける方法を見付けたいんだ!」
蒼汰さんは拳を握り締め、力強い目で宣言した。
もし私が異世界人だと知ったら、蒼汰さんはどうするかしら……、そんなことをぼんやり考えていると、私の視線に気付いた蒼汰さんがたじろいだ。
「あ、ごめん、語っちゃって。気持ち悪いよね、ハハ」
頭を掻きながら蒼汰さんは少ししょんぼりとしてしまった。
「え、いえ、全く気持ち悪くなんかないです! むしろそんな夢があるなんて素敵です!」
私には夢などなかった。あの生活から逃げ出したかっただけ。違う人生を歩んでみたい、それはずっと願っていたが、夢とは違う気がする。
蒼汰さんのように、あんな瞳を輝かせて語れるような夢はない。それが辛くもあり、羨ましくもあり、妬ましい気持ちが情けなくもなり、…………、しかし、眩しいものを見るような、そんな気持ちにもなり、そんな蒼汰さんの姿に憧れてやまなくもなった。
「ありがとう、大体気持ち悪いとか言われるからさ、アハハ」
「あの、どんなことを調べているのか、私もイセケンにお邪魔しても良いですか?」
「え! 本当に興味持ってくれたの!?」
蒼汰さんが目を輝かせこちらを向いた。そこまで嬉しそうにされると、少し後ろめたくなるのですが……。私のいた世界が知られたりしていないか、と思っただけなんです……、でも実際どんなことを調べているのかが気になるのは本当だし……。
「は、はい、少しだけ……」
「うわぁ、嬉しいな! ぜひ遊びに来てよ!」
ご、ごめんなさい……、純粋な興味ではありません!
蒼汰さんがあまりに嬉しそうにするものだから、ますます罪悪感が……。
結局罪悪感は拭い切れないまま、イセケンにお邪魔することに。
通学初日から一週間程オリエンテーションが行われる。今日のオリエンテーションを終えて、蒼汰さんと待ち合わせた。
主に普段活動している拠点として、民俗学の教授の研究室を借りているらしい。その教授が顧問を務めてくれているそうだ。
「教授は異世界には全く興味ないんだけどね、その教授の助手をしている院生の人が異世界に物凄く興味ある人で、教授に顧問をお願いしてくれたんだ」
「そうなんですね」
話を聞きながらその研究室まで付いて行った。
蒼汰さんが扉を叩き中へと入ると、たくさんの本と何やら怪しいオブジェに囲まれた部屋の一番奥の机に年配の方がいた。
「ん? あぁ、古城くんか。おや? 女の子とは珍しいね。いつものあの子じゃないんだね」
「あぁ、彼女はただの腰掛けですから」
蒼汰さんが苦笑しながら答えているけれど、いつものあの子……、三人のメンバー中の一人かしら。「彼女」と呼んでいるところからすると女性よね。それともう一人どなたかいるということね。
「あぁ、私はちょっと出るから、戸締りは真崎くんに頼んでね」
「はい」
それだけ言うと教授はいそいそと鞄を持ち出て行った。
「真崎さんいるかな」
教授のいた部屋にもう一つ扉があり、その扉を開け、蒼汰さんは中を覗いた。
同じように横から覗かせてもらうと、今のこの部屋より少し広い会議室のような部屋にパソコンやらプリンター、ホワイトボードに長机。それに流しや食器棚、電子レンジやポットまであった。
そしてやはり怪し気なオブジェ……。
その部屋で何やら片付けをしている人物がいる。
「真崎さん、お邪魔してます」
どうやらこの方が真崎さん。
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しばらく遠目に眺めていたが、いつまでも立ち止まっている訳にも行かず、意を決して歩みを進める。
なるべく見付からないよう、人垣の隙間をすり抜け、何とか抜け切れるか、と思っていたけれど甘かったようで、何人かの勧誘に捕まった。
大声で部やサークルの宣伝を勢い良く浴びせられ、何を言っているかも分からずパニックに……。
矢継ぎ早にあちこちの名前を言われるが分からない! どうしたら! 怖い!
逃げようにも肩を掴まれ逃げることが出来ない。
まともに返事も出来ず泣きそうになっていると、背後から背中をグイッと押された。
驚いて少し振り向くと、蒼汰さん!?
蒼汰さんが私の背中を押していた。
え? 蒼汰さん? どうしてここに?
「はいはい、ごめんね、もうこの子うちのサークルの子だから」
え!? 私、まだどこにもサークルは属してませんし、蒼汰さんが何のサークルなのかも知らないのですが!?
あわあわしながら、蒼汰さんにグイグイと背中を押され、人混みを抜けて行った。
「何だよ、イセケンか」
「あれ誰だ?」
「イセケンの奴だよ。確かメンバー三人くらいしかいない、地味で変人の集まり」
勧誘してきていた方々は、ボソボソと口々に「イセケン」と連呼し、何だよ、みたいな顔をされてますね。
何だか申し訳ない気分にもなるけれど、正直言って助かりました。
それにしても「イセケン」て何かしら。
蒼汰さんに肩を押されながら人混みを抜け、人気のない場所まで来ると、蒼汰さんはパッと肩から手を離した。
「ごめんね! 無理矢理、その、肩掴んじゃって……」
蒼汰さんは少し気まずそうにしていた。
「いえ、どうしたら良いのか分からずでしたので、とても助かりました! ありがとうございます!」
「そっか、なら、良かった」
ホッとした顔で蒼汰さんは微笑んだ。
「それにしてもどうしてこちらに? それに皆さんがおっしゃられていた「イセケン」というのは何ですか?」
「部への勧誘が凄いことは伝えたけど、多分水嶌さんは捕まるだろうな、と思って、少し様子を見に来たんだ。そしたら案の定捕まってたからさ、慌てて駆け寄った」
アハハ、と蒼汰さんは笑う。
「そうだったのですね、ありがとうございます。ご心配おかけしました」
「イセケンてのは、僕が作ったサークル。確かに三人しかいないし、しかも内二人はサークル作るために名前貸してくれただけの幽霊部員みたいな感じだし……、実質活動してるの僕だけなんだよね、ごめん、水嶌さんがイセケンに入ってるみたいに言って……」
蒼汰さんは申し訳なさそうな顔をし苦笑した。
「いえ、謝らないでください。助けていただいたのに……、イセケンというのはどういうサークルなのですか?」
名前からも全く何か分からない。
「異世界研究会」
「え?」
「異世界研究会、略してイセケン、周りからそう呼ばれるようになって、今や僕自身もイセケンて言ってる」
蒼汰さんは苦笑した。
異世界研究会……、ドキリとした。異世界!? 異世界の存在を知っているの!? 私、「リディア」がいた世界を知っているの!? まさか私にも何か気付いているの!?
「あ、あの、異世界というのは……」
緊張しながらも聞かずにはいられなかった。
蒼汰さんは少し驚いた顔をし、ニコリとした。
「水嶌さんも異世界に興味ある!?」
「え、あの……」
戸惑っていると、蒼汰さんは興奮気味に話し出した。
「異世界は言葉の通り、今我々がいるこの世界と違う世界のことだよ。僕は絶対あると思ってるんだよね! 今のこの世界とは違う別の世界、それがどんな世界なのか、魔法や魔術があるのか、魔物はいるのか、それともこの世界と似たようなものなのか」
そうか、異世界に憧れがあって色々調べるための研究会ということね。良かった、私のいた世界を知っている訳ではないのね。
「いつか異世界に行ける方法を見付けたいんだ!」
蒼汰さんは拳を握り締め、力強い目で宣言した。
もし私が異世界人だと知ったら、蒼汰さんはどうするかしら……、そんなことをぼんやり考えていると、私の視線に気付いた蒼汰さんがたじろいだ。
「あ、ごめん、語っちゃって。気持ち悪いよね、ハハ」
頭を掻きながら蒼汰さんは少ししょんぼりとしてしまった。
「え、いえ、全く気持ち悪くなんかないです! むしろそんな夢があるなんて素敵です!」
私には夢などなかった。あの生活から逃げ出したかっただけ。違う人生を歩んでみたい、それはずっと願っていたが、夢とは違う気がする。
蒼汰さんのように、あんな瞳を輝かせて語れるような夢はない。それが辛くもあり、羨ましくもあり、妬ましい気持ちが情けなくもなり、…………、しかし、眩しいものを見るような、そんな気持ちにもなり、そんな蒼汰さんの姿に憧れてやまなくもなった。
「ありがとう、大体気持ち悪いとか言われるからさ、アハハ」
「あの、どんなことを調べているのか、私もイセケンにお邪魔しても良いですか?」
「え! 本当に興味持ってくれたの!?」
蒼汰さんが目を輝かせこちらを向いた。そこまで嬉しそうにされると、少し後ろめたくなるのですが……。私のいた世界が知られたりしていないか、と思っただけなんです……、でも実際どんなことを調べているのかが気になるのは本当だし……。
「は、はい、少しだけ……」
「うわぁ、嬉しいな! ぜひ遊びに来てよ!」
ご、ごめんなさい……、純粋な興味ではありません!
蒼汰さんがあまりに嬉しそうにするものだから、ますます罪悪感が……。
結局罪悪感は拭い切れないまま、イセケンにお邪魔することに。
通学初日から一週間程オリエンテーションが行われる。今日のオリエンテーションを終えて、蒼汰さんと待ち合わせた。
主に普段活動している拠点として、民俗学の教授の研究室を借りているらしい。その教授が顧問を務めてくれているそうだ。
「教授は異世界には全く興味ないんだけどね、その教授の助手をしている院生の人が異世界に物凄く興味ある人で、教授に顧問をお願いしてくれたんだ」
「そうなんですね」
話を聞きながらその研究室まで付いて行った。
蒼汰さんが扉を叩き中へと入ると、たくさんの本と何やら怪しいオブジェに囲まれた部屋の一番奥の机に年配の方がいた。
「ん? あぁ、古城くんか。おや? 女の子とは珍しいね。いつものあの子じゃないんだね」
「あぁ、彼女はただの腰掛けですから」
蒼汰さんが苦笑しながら答えているけれど、いつものあの子……、三人のメンバー中の一人かしら。「彼女」と呼んでいるところからすると女性よね。それともう一人どなたかいるということね。
「あぁ、私はちょっと出るから、戸締りは真崎くんに頼んでね」
「はい」
それだけ言うと教授はいそいそと鞄を持ち出て行った。
「真崎さんいるかな」
教授のいた部屋にもう一つ扉があり、その扉を開け、蒼汰さんは中を覗いた。
同じように横から覗かせてもらうと、今のこの部屋より少し広い会議室のような部屋にパソコンやらプリンター、ホワイトボードに長机。それに流しや食器棚、電子レンジやポットまであった。
そしてやはり怪し気なオブジェ……。
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どうやらこの方が真崎さん。
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