処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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伝説の剣士

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「ねえ、シリル! クラウス・バレッジに稽古をつけてもらうってのはどう?」

訓練を終えたばかりのシリル・アーデンに、リディア・ハワード は ニヤリと笑いながら提案した。

「クラウス・バレッジって……あの、勇者の師匠だった剣士の!?」

シリルの目が 大きく見開かれる。

「そ! 王国でも屈指の剣士だったって話じゃない?」

「普通の騎士の訓練じゃ物足りないでしょ?」

「だったら、もっとすごい師匠に教わるしかないよね!」

シリルは 興奮しながら腕を組む。

「確かに……本物の伝説の剣士から学べるなんて、滅多にない機会だ……!」

だが、ふと 彼の表情が曇る。

「でも……勇者の師匠だった人が、今の俺たちに剣を教えてくれるかな?」

「弟子だった勇者が復讐の道を選んだ今、彼が俺たちのことをどう思うか……。」

シリルが 真剣な表情で考え込む。

すると、リディアは あっけらかんと笑った。

「そんなの、行って聞いてみりゃいいじゃん!」

「考えすぎ! やる前から悩んでたってしょうがないでしょ?」

「……まあ、お前はそういうタイプだよな。」

シリルは 苦笑しながらも、内心ワクワクしていた。

すると——

「ちょ、ちょっと待ってください!」

ユージン・ファルクナー が 慌てて割り込んできた。

「僕も、僕も行きたいです!」

「えっ、お前も?」

「だ、だって……!」

ユージンは 拳を強く握りしめ、まっすぐな瞳でシリルを見つめた。

「僕はまだまだ未熟で、何もできないけど……!」

「でも、強くなりたいんです!」

「だから、伝説の剣士の稽古を受けられるなら、僕も一緒に——!」

その姿に、シリルは 思わず微笑む。

「いい心意気だな、ユージン!」

「よし、一緒に行こう!」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「——おっと、待て待て。」

今度は、ルーカス・ヴェルナー が 腕を組みながら話に加わる。

「お前らだけで行くのはずるいだろ?」

「俺も付き合うぜ!」

「へえ、ルーカスも?」

「当たり前だろ?」

ルーカスは シリルの肩を軽く叩く。

「お前が勇者に影響されすぎて、おかしな道に進まないようにな。」

「……お前なぁ。」

シリルは ちょっとムッとしながらも、どこか安心したように笑った。

「よし、じゃあ決まりだな!」

「伝説の剣士に、俺たちの実力を見てもらおう!」

「面白くなってきたね!」

リディアが 嬉しそうに笑う。

こうして、四人はクラウス・バレッジのもとへ向かうことになった。
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