処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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紅き瞳、黒き剣

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斬撃が交錯する。ユージンとレオンはすでに幾度も刃を交えていた。

「……はあっ、はあっ……っ!」

ユージンの息が荒い。闇の力によって強化された身体能力も、長時間の戦闘には抗えない。
対するレオンは、呼吸ひとつ乱すことなく、淡々と構えを取っていた。

「まだ、立てるか?」

その声に、ユージンは唇を噛みしめる。

「うるさいっ……!俺は、お前を止めなきゃいけない!」

再び突撃。ユージンの剣が炎をまとうように黒く燃え、疾風の如く振るわれる。
だが、レオンの剣閃がそれをことごとく受け止め、さらにはカウンターすら繰り出す。

ガン、と鋭い音を立ててユージンの剣が弾かれる。

「ッ――!」

その瞬間、レオンの膝蹴りがユージンの腹部に突き刺さる。
吹き飛ばされたユージンは、瓦礫の山に背中から突っ込み、しばし動けなくなった。

静寂。

……その中で、ルシフェルの口元が、ゆっくりと吊り上がる。

「ふふ……そろそろかしらね……」

レオンが、その声に目を向ける。

「……ルシフェル、何を企んでいる?」

ルシフェルは答えない。ただ、静かに、愉しむように――その瞳で、起き上がるユージンを見つめていた。
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