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おもしれー女枠なんですかー!?
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卒業まで、残り半年。
わたしの計画。
化粧水の全利権を、男爵家に譲渡する。
その代わりに、わたしの身の自由と、これまでの養育費の完済を認めてもらう。
男爵さまは、最初は反対するかもしれない。
でも、この化粧水は、もう王都中で評判。
製造方法も、販路も、全部確立されてる。
わたしがいなくても、利益は出続ける。
それに、わたしはもう役に立たない。
縁談は、一つもまとまらなかった。
化粧水のおかげで社交界には出入りできるようになったけど、それだけ。
結局、ただ物珍しいだけの平民出身のわたしを嫁にもらおうという令息はいない。
男爵さまにとって、わたしはもう用済み。
それなら、化粧水の利権と引き換えに、わたしを手放してくれるはず。
証書は、もう用意した。
契約書の形式も、商人さんに相談したり、学園の図書館で調べたりしてなんとか書き上げた。
法的に有効なように、何度も何度も書き直した。
難しすぎて泣きながら書いた。
卒業式の日。その日に、男爵さまに渡すんだ。
卒業式には出てくれるって言ってた。
化粧水の男爵だぞって顔を売りたいんだろうなあ。
全部手放したら、クローのところに帰るんだ。
もう、貴族の娘なんかじゃなくていい。
広いお屋敷になんて住まなくていい。
深緑じゃないドレスなんて着たくない。
マナーも、作法も、全部忘れていい。
ただ、クローの隣で、ミッカンを食べていたい。
あと、半年。遠いな。
◇
卒業式、三ヶ月前。
フェリシアさまの茶会で、隣に座る男の人がいた。
金色の髪の、見たこともないほど綺麗な人。
「初めまして、ニーナ。僕はエドワード」
「は、はい。初めまして、エドワードさま」
なんでこんなすごく偉い人がわたしに話しかけるの?
フェリシアさまの婚約者って王太子さまだって聞いたことあるけど。
王太子さま? ほんもの?
「フェリシアから君のことを聞いたよ。化粧水を作った才女だと」
へ? 才女? わたしが?
散々あほと言われて育ってきたわたしが才女!
クローに自慢しよう。
王太子さまに才女って言われたんだよって。
いやいや、化粧水のほとんどはクローが作ってくれたんだよね。
わたしの功績なわけないじゃん。
「故郷の者が、作ってくれたものでして」
「故郷……そうか。君は、故郷が好きなんだ。素敵なことだね」
エドワードさまは、優しく微笑んだ。
なんか、変な感じ。
この人、なんでわたしに興味持って話しかけてくるんだろう。
フェリシアさまが、お茶を勧めてくる。
その目は、何かを含んでるような気がした。
気のせいかな。
よくわからないけど、とりあえずお茶を飲む。
美味しい。でも、クローの淹れるコー茶のほうが好きだな。
◇
卒業式、一ヶ月前。
フェリシアさまが、わたしを茶会に呼んだ。
今日は、わたし一人だけ。
「ニーナ、あなた、卒業したらどうするの?」
「まだ、決めておりません」
嘘。決まってる。でも、言えない。
「そう。あなた、結局ここまで縁談まとまらなかったわね」
「はい。やっぱりわたしでは無理でした」
「あなたね、この間の茶会で言ってたわよね。『故郷に帰りたい』って」
え……言った?
そんなこと、口に出した覚えは……でも、ぽろっと言っちゃったかも。
「男爵家から出たいの?」
胸が詰まる。バレてる。態度に出てたかな。
いつも気持ち隠せなくて、執事さんにヒゲピクされてたもんね。
「……はい。そのつもりで、動いてきました」
フェリシアさまは、じっとわたしを見た。
「なら、手伝ってあげる」
「え……?」
「私のやり方でね。詳しくは内緒よ。あなたは、ただ流れに乗ればいいわ」
何を言ってるの?
「エドワードには、もう話してあるわ。あなたが追放されたがってるって」
「え……えええ!?」
「あなた、自分で計画してたんでしょう? 証書とか用意して。
でも、それじゃ男爵が素直に手放すかどうか、怪しいわよね」
え、怖い。
何、どこ情報?
フェリシアさま、全部お見通しってことだよね。
「王族からの宣告なら、男爵も逆らえないわ。
だから、あなたの計画、少しだけ手伝ってあげる」
「どうして……?」
「化粧水のお礼よ。エドが惚れ直してくれたの。
それに……」
フェリシアさまは、小さく笑った。
くぅ、お上品でお可愛らしい!!
「あなた、面白いんだもの。この茶番、参加しなきゃ最大限に楽しめないじゃない」
フェリシアさまにとってわたしは、おもしれー女枠なんですかー!?
わたしの計画。
化粧水の全利権を、男爵家に譲渡する。
その代わりに、わたしの身の自由と、これまでの養育費の完済を認めてもらう。
男爵さまは、最初は反対するかもしれない。
でも、この化粧水は、もう王都中で評判。
製造方法も、販路も、全部確立されてる。
わたしがいなくても、利益は出続ける。
それに、わたしはもう役に立たない。
縁談は、一つもまとまらなかった。
化粧水のおかげで社交界には出入りできるようになったけど、それだけ。
結局、ただ物珍しいだけの平民出身のわたしを嫁にもらおうという令息はいない。
男爵さまにとって、わたしはもう用済み。
それなら、化粧水の利権と引き換えに、わたしを手放してくれるはず。
証書は、もう用意した。
契約書の形式も、商人さんに相談したり、学園の図書館で調べたりしてなんとか書き上げた。
法的に有効なように、何度も何度も書き直した。
難しすぎて泣きながら書いた。
卒業式の日。その日に、男爵さまに渡すんだ。
卒業式には出てくれるって言ってた。
化粧水の男爵だぞって顔を売りたいんだろうなあ。
全部手放したら、クローのところに帰るんだ。
もう、貴族の娘なんかじゃなくていい。
広いお屋敷になんて住まなくていい。
深緑じゃないドレスなんて着たくない。
マナーも、作法も、全部忘れていい。
ただ、クローの隣で、ミッカンを食べていたい。
あと、半年。遠いな。
◇
卒業式、三ヶ月前。
フェリシアさまの茶会で、隣に座る男の人がいた。
金色の髪の、見たこともないほど綺麗な人。
「初めまして、ニーナ。僕はエドワード」
「は、はい。初めまして、エドワードさま」
なんでこんなすごく偉い人がわたしに話しかけるの?
フェリシアさまの婚約者って王太子さまだって聞いたことあるけど。
王太子さま? ほんもの?
「フェリシアから君のことを聞いたよ。化粧水を作った才女だと」
へ? 才女? わたしが?
散々あほと言われて育ってきたわたしが才女!
クローに自慢しよう。
王太子さまに才女って言われたんだよって。
いやいや、化粧水のほとんどはクローが作ってくれたんだよね。
わたしの功績なわけないじゃん。
「故郷の者が、作ってくれたものでして」
「故郷……そうか。君は、故郷が好きなんだ。素敵なことだね」
エドワードさまは、優しく微笑んだ。
なんか、変な感じ。
この人、なんでわたしに興味持って話しかけてくるんだろう。
フェリシアさまが、お茶を勧めてくる。
その目は、何かを含んでるような気がした。
気のせいかな。
よくわからないけど、とりあえずお茶を飲む。
美味しい。でも、クローの淹れるコー茶のほうが好きだな。
◇
卒業式、一ヶ月前。
フェリシアさまが、わたしを茶会に呼んだ。
今日は、わたし一人だけ。
「ニーナ、あなた、卒業したらどうするの?」
「まだ、決めておりません」
嘘。決まってる。でも、言えない。
「そう。あなた、結局ここまで縁談まとまらなかったわね」
「はい。やっぱりわたしでは無理でした」
「あなたね、この間の茶会で言ってたわよね。『故郷に帰りたい』って」
え……言った?
そんなこと、口に出した覚えは……でも、ぽろっと言っちゃったかも。
「男爵家から出たいの?」
胸が詰まる。バレてる。態度に出てたかな。
いつも気持ち隠せなくて、執事さんにヒゲピクされてたもんね。
「……はい。そのつもりで、動いてきました」
フェリシアさまは、じっとわたしを見た。
「なら、手伝ってあげる」
「え……?」
「私のやり方でね。詳しくは内緒よ。あなたは、ただ流れに乗ればいいわ」
何を言ってるの?
「エドワードには、もう話してあるわ。あなたが追放されたがってるって」
「え……えええ!?」
「あなた、自分で計画してたんでしょう? 証書とか用意して。
でも、それじゃ男爵が素直に手放すかどうか、怪しいわよね」
え、怖い。
何、どこ情報?
フェリシアさま、全部お見通しってことだよね。
「王族からの宣告なら、男爵も逆らえないわ。
だから、あなたの計画、少しだけ手伝ってあげる」
「どうして……?」
「化粧水のお礼よ。エドが惚れ直してくれたの。
それに……」
フェリシアさまは、小さく笑った。
くぅ、お上品でお可愛らしい!!
「あなた、面白いんだもの。この茶番、参加しなきゃ最大限に楽しめないじゃない」
フェリシアさまにとってわたしは、おもしれー女枠なんですかー!?
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